内定者アルバイトなんてやめちまえ

企業が内定を出した学生に、入社する前からいろいろ慣れる為に働いてみない?と推奨するのが内定者アルバイトだ。実際私も経験があり、今の職場にも内定者アルバイトの学生はいる。自分の経験や、アルバイト学生を見て言えることは「やらなくてもいい」ということだ。このような考えに至った理由はいつくかある。

まず内定者アルバイトをしても4月から働き始める人より、仕事において勝るわけではないということ。内定者アルバイトをすることで、確かに他の新卒よりも業務は早く覚えられ、職場に慣れることができる。だがそのことで他の新卒よりも給料が高く貰えるかと言うとそうではない。他の人も入社すれば同じように業務を教えられ、同じように成長していく。その成長ペースに差はあまり生まれないだろう。何故そう思うかというと、結局は内定者アルバイトの数ヶ月間よりも入社してからの方が確実にできる事、覚えることの量が増えるからだ。アルバイトをしたとて他に勝るかどうかは全て入社してからの自分次第なのである。

次に学生生活最後の1年はとても貴重であるということ。社会人はお金はあるが時間がない。学生は時間はあるがお金がない。しかし「時は金なり」まさにこの言葉につきる。何でもできるのはもう卒業間近で単位にも余裕があり時間を持て余している大学4年生の今その時しかない。社会人になってからも時間を作れる人は作れるが、社会人になってからと大学生の間とでは時間の流れの感覚が違うのだ。その貴重な時間を、これからいくらでも嫌でも過ごすであろう職場にいる時間に費やす必要はあるだろうか、否、ない。

そして最後に、これから働く希望を失う恐れがある。社会人1年目とは、様々な事が自分の責任になる代わりに様々なことが自分でできるようになる1年でもある。就職活動がうまくいったにしろそうでないにしろ、新しい環境でこれから起こりうること、自分ができることの可能性にワクワクするはずだ。だが内定者アルバイトをすることにより、それがなくなってしまう。先輩たちに裏話を聞けることは良いが、その話の何%がポジティブな話題だろうか。私の経験上ではだいたいがネガティブな情報だった。今時悟り世代などと言われるが、入社前にして自分が1年働けるかどうかわからないことを入社前に悟ってどうするのだ。その状態で4月から入社して、フレッシュで元気いっぱいのモチベーションを保てるだろうか。それならば何も知らない方がいい。

上記の全てを通してやはり私は内定者アルバイトという制度は不必要だと結論付ける。あったとしても、アルバイトする側は自分がどうなるのかしっかり考えた上で承諾すべきで、雇う側も内定者たちのことについてもっと重く考えた上で働くようにするべきだ。

#はたらくを自由に

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