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自転車に乗れない

1.4%な私

日本トイザらスが2018年4月4日に発表した20代~50代「自転車に関する調査」の結果報告記事を見つけた。

その中に、下記の文書があった。

意外にも「できない」と回答した人が1.4%もいました。なんと、日本人の100人に1人は自転車に乗ることができないのです。

私は自転車に乗れない。それは「意外にも」とか「なんと」と言われるほどの驚きで語られるコトらしい。確かに今まで「自転車に乗れない」と言うたびに、「えっ?」とびっくりする人々を見てきた。自分としては「普通」なのだが、そうか、「普通」ってすごく個人的な定義なんだな。

乗れない理由

私の兄は、小1には自転車を買ってもらっていた。当然、私も兄と同じ年齢になれば買ってもらえるものと思っていたのに、全くその気配がない。なぜ?と思ったら、母から「あなたは危ないから自転車には乗せられない」と言われた。

私はかなりの負けず嫌いで、不満があるとプンプン膨れる子どもだったが、この母の意見には腹が立つこともなく、「なるほど」と思った。何故なら思い当たることが多々あったからだ。

例えば、幼児園の年少さんの時。砂場の上に藤棚があったのだが、支柱には胸の高さぐらいの横木がついていた。

休み時間、教室からみんなで「わーい」と言いながら駆けだして、砂場に飛び込むようにして入っていくのだが、他の子どもは問題なくその横木をすり抜けていった。

しかし、私は毎回その横木に額をぶつける。それも鉄製の横木に。そして全速力で。

初めてぶつけた時は「痛い…」と頭をかかえてうずくまり、周りの友だちにも「大丈夫?」と心配してもらったが、2度3度と続くとあまりに恥ずかしくて頭をぶつけたとも言えず、目に星をちらつかせながら藤棚の中の砂場で遊んでいた。

一応、言い訳としては、身長が高かったからということにしているが、くぐれない高さではないので、単に注意不足である。

こんなぼんやりエピソードは数限りなくある。そんなわけで、仕方ないなーと思って、自転車に乗ることは諦めた。自転車に乗れなくても、日常生活に支障をきたすことはなかった。2回の例外を除けば。

高校2年生で初乗り

ひとつめの例外は高校2年生の3月、中国地方への修学旅行の時だった。グループで行動するスケジュールが組み込まれていたのだが、さらりと、「レンタサイクルで」と書かれていた。

私は私が自転車に乗らないことで、グループメンバーに迷惑はかけられないと思った。だから、自転車に乗らなければならないとわかった日から、母の自転車を借りて猛特訓をした。ごくごく短期間で何とか真っすぐ進むことは出来るまでにはなったが、ブレーキのかけ方は今ひとつ習得出来なかった。

そんな状態で修学旅行に臨んだが、やっぱりうまく止まることが出来ず、一度、軽く壁に衝突した。ちょうどそこに記録映画撮影班がおり、後日、上映会でしっかり私のその姿は映し出された。

それを見たクラスメートには笑われたりもしたが、恥ずかしいという気持ちはミリもなく、「よくぞ、短期間でここまで出来たな」と思ったし、もう自転車に乗らなくて済むと思うとさっぱりした気分だった。

魔の原付講習

ふたつめの例外は普通自動車免許を取得した時。原動機付自転車の講習である。四輪の免許取得に来てるのに、まさか二輪の講習があるなんて「謎」とか思った。

自動車学校に関しては友だちからいろいろ話を聞いていたが、原付講習があるなんて誰からも聞かなかった。たぶん、自転車に乗れる人からしたら大したことではないからだろう。

実技講習の参加者は4名ぐらいだったと思う。原付でごくごく狭い範囲を往復する程度だったという記憶だが、バランスが取れないからフラフラするし、怖いからすぐ足をつく。危ない自分が不安だった。

自転車に乗れる大人がほぼ100%なので、現システムで問題はないのだろうが、個人的には普通自動車免許の原付取得はオプションにして欲しいと、今でも真剣に思っている。

少なくとも、講習前に自転車に乗れるかどうかは、確認して欲しい。1.4%といっても、人数にしたらそれなりの数になるのだから、意外に多いと思う。乗れない人の原付実習、危なすぎ。


トップイメージ画像は、ロサンゼルス市警察の前にあった自転車のオブジェ。2017年の写真なんだけど、今もあるのかな。

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