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小説『スイセイのこと』

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表題の小説をまとめています。ひとつの記事が1万5千字程度、不定期で更新しています。よろしければどうぞ。
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記事一覧

スイセイのこと 7

☞18 お母さんと妹が骨という無機質な塊になって僕達の古い木造家屋に戻ってきてからしばらく…

きなこ
3年前
1,029

スイセイのこと 6

☞15 お母さんと妹が死んだのは、お母さんのお腹の中の妹が30週目まで育った10月の雨の日だっ…

きなこ
3年前
759

スイセイのこと 5

☞11のつづきから 僕は、うつむいたまま、耳まで赤くなってしまっているスイセイに説明を求め…

きなこ
3年前
688

スイセイのこと 4

☞8 『スイセイが僕の面倒をみているのではなくて、僕がスイセイの面倒をみている』 それは…

きなこ
3年前
679

スイセイのこと 3

☞6 僕が3年生になる頃、状況が大きく変わった。 僕のではなくて、スイセイの。 僕が初め…

きなこ
3年前
644

スイセイのこと 2

☞4 2年生になって僕の生活にはふたつの変化があった。 まず、お母さんが僕のことを病院に…

きなこ
3年前
707

スイセイのこと 1

☞1 僕は、お母さんの作るラーメンなら食べる事ができた。 と言っても家に銀色の寸胴を持ち込んで鶏ガラでスープを取って、麺は自家製麺でとかそんな本格的で壮大なものでは全然なくて、それはインスタントの袋めんだ。というのも僕は昔から食べられる物が少なくて、それは一般的には『偏食』とか『わがまま』とか言われるものなのかもしれないけど、本当に本気で食べられないものは食べられない、口が咀嚼を拒むし、喉が嚥下を許さないし、胃が受け付けてくれない。 だから僕が一口に「ラーメンが好きだ」