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「現代思想入門」を読んで心を軽くする。

しろ note600日目くらい 

講談社現代新書の「現代思想入門」を読んでみた。立命館大学大学院教授の千葉雅也さんが書いた本だ。
現代思想といっても分かりやすく、どんな心構えでいれば生きやすいかということが書かれていて、なるほどなと納得したので感想を書いてみたい。

この本はタイトルどおり現代思想、ポスト構造主義についての本である。デリダ、ドゥルーズ、フーコーのことを中心に、ポスト構造主義とはどのような特徴のある考え方なのかが書かれている。

この本を読んで私はポスト構造主義の考え方について、ざっくりと以下のようなことかなと思った。

くだけたかたちで私なりに表現してみると「人間って深淵にはどうせたどり着けないから気楽にいこうよ。大きな問題は解決することはできないからその場その場で判断して、一番いい方法を考えるしかないよ」という感じだ。

 
この本を読んで、ポスト構造主義って生きるのが楽になるような気持ちのもち様を提示してくれているのかなと思った。
 
思想や哲学って小難しいし、真理を探求してそれを解明していくというような崇高なイメージがある。
現に昔の哲学者は世の中の原理を理解したくて物事を考え続けてきたのだと思う。

 
でもポスト構造主義者たちは、真理を追求する過程で、唯一の真実なんて人間には知覚できないことに気付いて、それを伝えてくれようとしているのではないかと私は思っている。


 
ただ人間というものは一つの物事には一つの原因があるということが理解しやすくシンプルなのでその方向に思考が進みやすいという事実があるのだろうなということもなんとなく分かっている。
 
それは具体的に言えばどういうことかというと陰謀論がいつの世の中にも一定の支持を得るということである。

陰謀論以外の一般的な考え方をすると、世の中で起こる事象は多くの要因によってもたらされているし、ましてやポスト構造主義ではどんなこともしょせん偶然と考える。
これがただ一つの真実ということはないし、
見方や立場を変えれば同じ事象でも受け止め方が変わってくる。どんなことも簡単には説明できない。これがまあ普通の物事の考え方なのかなって思う。

しかし陰謀論は物事の複雑性を捨て去り一つの原因で物事を説明するので、シンプルで分かりやすい。
陰謀論を心の底から信じれば、世の中の真実を理解できたような気持ちになれるのだろうなと思う。
 
もちろん陰謀論が悪だとは私は思っていない。
複雑な世の中のことを突き詰めて考えすぎると
思い悩んでしまうし、人によっては心の健康に良くない場合がある。
だからそれを信じる本人が生きやすくなるなら陰謀論と共に生きていてもいいのかなと思っている。

しかし私はポスト構造主義の考え方の方が好きだなって思っている。
絶対の真実などなく、善悪や好悪や自分自身ですら、相対的なものであり簡単に変わり得るという方が、私にとっては受け入れやすい。

世の中の価値観は絶えず変わっていく。

ここ数年は特にそうだと思っていて、例えば外出を自粛するのが正しい振る舞いの時期もあれば、積極的に旅行に行くようにすすめられる時期がころころと入れ替わる。

それを受けた人の考えはさまざまであるし、その思いも時期によって変わっていく。

実生活レベルにおいては、物事の価値観は相対的で簡単に変わってしまうものだと覚悟しておいて、それにどう対応していくかということを考えていた方が、私は生きやすい気がしている。

絶対にこれはこうじゃなきゃいけない、こうであるべきだと思って生きるのはすごく大変な気がする。自分があるべきと思っている状態でなくなった場合に心の整理がつきにくいと思うから。

だから私は世の中は相対的であり、簡単に変化しちゃうよっていうポスト構造主義の考え方を取り入れて生きることで、自分の心の健康を保ちたいなって思っている。

「現代思想入門」を読んで、私は自分がこの世界をどう生きるか、どう生きたら楽でいられるかということを考えることができた。
そして真実を追求せずとも、日々の生活を大切にしてその場の最適な選択肢を選ぶことがうまく生きる方法だと知れて、なんだか心が軽くなったのだ。

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