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ラン活とファッションチェック

娘は現在5歳で年中組の学年である。
そんな娘の今の関心事はランドセル選びである。

子どものランドセルを購入するための準備、俗に言うラン活は年々早い時期にしなければならなくなっているらしい。

人気メーカーのランドセルはあっという間に予約がいっぱいになり、早くラン活をしないと買えないことがあるのだそうだ。

現に、娘の従姉のあいちゃんは、年長組の時のゴールデンウィークにランドセルを買おうとしたら、第一希望の色はもう売り切れになっていたそうだ。第二希望の色の物は無事に予約できたとのことだったが、私はこの事実に驚いた。

あいちゃんは地元では有名な個人経営のメーカーで買おうとしていた。そのメーカーは生産数に限りがあり、予約が埋まるのが早いらしい。

でもそれにしても、年長組のゴールデンウィークでも遅いとは。

そしてうちの娘のランドセルも、あいちゃんが買ったメーカーのものがいいと思ったので、予約が始まる3月(入学の1年以上前!)までに決めようとパンフレットを最近取り寄せた。

すると娘のくいつきがすごい。毎日カタログを見ている。そのメーカーにはランドセルの形と色がいくつかあり、その一覧表もカタログの一部として送られてきた。

それを娘は毎日、保育園から帰ってくると眺めている。夕食が終わると、一覧表を取り出して「この形のキャメル色がいいかな。でもこっちのピスタチオ色もいい。このバイオレット色も好き」と呟いている。

令和のランドセルは色の名前もすごいななんて思いつつ、それを私は聞いている。
娘が学校に通うことを楽しみにしていて、好きなランドセルを背負って通うことをイメージしているのは、私も嬉しいことだ。

しかし困ったことも生じる。
それは何かというと「パパはどれがいいと思う?」と聞かれることだ。

あまり何も考えずに答えると大変なことになる。

「パパはピスタチオ色かな」と言うと、「なんで?」と返ってくる。
「昨日◯◯ちゃん(娘の名前)がピスタチオ色がいいって言ってたから」などと答えると怒られる。

「ピスタチオ色がいいと思ったのは昨日だし、私じゃなくてパパはどう思うか聞いてるの!」と厳しい。

どう答えても娘は納得せずにだいたい怒るので、私としてはこの質問をされたくない。


そしてこの感じの質問にはなんか既視感があると思ったら、妻に服装を聞かれる時と同じだ。

妻から「今日はこっちのスカートとあっちのスカート履こうか迷ってるんだけどどう思う?」などと問われる。

私は「緑っぽい方かな?」と答え、妻に理由を聞かれると「うーん、なんとなく?」と苦し紛れに言う。

これはだめである。これでは妻の機嫌が3時間ほど悪くなるということを私は何度かの失敗で学んだ。

妻の機嫌というのはこの世の中で私の最も気にしているものと言っても過言ではない。
おそらくこの気持ちを分かってくれる男性は多いのではないか。

だから私は最近、洋服のことを聞かれると根拠をはっきりと答えるようにしている。

そうすれば妻の機嫌は悪くならない。

例えば「今日はこのジャケット着ようと思ってるんだけど、中はこのブラウスかパーカーかどっちがいい?」と聞かれたとする。

この時の答えは「どっちも組み合わせ的にはありだし似合うと思うよ。かわいい。ただ今日行くのは仲良しの友達の家だから、わりとドレッシーなそのジャケットとブラウスの組み合わせだと、フォーマル感が出過ぎてちょっと引かれちゃうかも。◯◯さんの家だし、それほど畏まらない感じが出るパーカーでドレスダウンした方が自然かもよ」だ。

あるいは「今日はこのワンピースを着ようと思ってるんだけど帽子はグレーか黒かどっちがいい?」と聞かれる。

この時は「そのワンピースを着るなら靴は黒にするよね?そしたら帽子も黒がいいと思うよ。帽子の黒を足元の黒が拾うから、しまって見えると思う。鞄もあの黒の革のやつにすればさらに統一感が出てきれいな感じにまとまると思うよ」と答える。

また「ベージュのパンツ履くとして、黒のニットと白のニットどっちがいいかな?」という問いには

「パンツがベージュだから無難にいけば黒だと思う。でも白のニットを着て、ちょっと前に買ったあのベージュのスプリングコートを羽織ると淡い色のワントーンコーデになって今っぽいかもね。あと、白のニットの方が黒よりサイズが大きいから、オーバーサイズ感も出てそこでも流行感が出せるしね。鞄はオレンジにして、遊びを入れてもいいかも」と返答する。

私は全然ファッションに詳しいわけではないが、妻の機嫌を損ねたくない一心でここまでできるようになった。

このようにはっきりと理由を述べると妻も納得するようで、「そっかー」などと言って通常の精神状態を保ってくれる。
何よりのことである。

昔、ワイドショーの街角ファッションチェックを見て学んだ知識や用語がこんなところで役に立つとは。人生とはわからないものである。
ピーコに感謝である。


ランドセルに関する娘の問いについてもどうにかして上手く答えられるようになりたい。

妻と娘の機嫌を維持することは私にとってのこの世の中で一番大切なことであり、何よりの喜びだから。

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