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アルクマがおやまのてっぺんにのぼった日

O(推しのゆるキャラがゆるキャラグランプリ一位になれて本当にうれしい)L(レディ)ことOLです。お久しぶりです。
この記事の主題は先ほどの自己紹介で完結してしまっているのですが、もう少し長くお話させてください。まずはみなさんいったんこのCMを見てもらっていいですか。


2009年、JR東日本が信州DCキャンペーンと題うった大型観光イベントのキャラクターとしてデビューしたその緑色のくまを、当時県内の高校生だった私は、通学時の最寄り駅に張られたポスターで初めて見た。
たぶんポスターはキャンペーン期間中に定期的に新しいものに更新されていたと思う。高校に入ってはじめて電車通学になってからというもの毎日駅を利用するから、この、アルクマが起用されたポスターは意識しなくったって目に入ってきた。
(アルクマの詳しいプロフィールはリンク先をご参照ください)

時に川に流され、時にサルと遭遇し、時に編み笠を携えながら、信州をくまなく旅するアルクマのポスターがなんだかどんどん気になるようになっていった。

「ここはどこだ」とか「きみはだれだ」とか「いまはいつだ」など、禅問答か?みたいなシンプルな疑問形コピーをひっさげて、あの表情の読めない顔をしてちょっとぼんやりとした趣で堂々と立つアルクマのことが、いつの間にかめちゃくちゃ好きになっていた。

気が付いたら枕元にアルクマのぬいぐるみがあった。今もあるし、なんならしっかと抱きしめて寝ている。

アルクマのどこが私の心に響いたんだろう。
体形がぼってりとしてて、おててがまるくて、ウンウンって小刻みに頷く仕草がめちゃくちゃかわいい。あとあの体形にしては俊敏な動きで信濃の国(ユーロビートver)(ユーロビートverの信濃の国って改めて書くと謎すぎるな)を踊るところもかわいい……。


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かわいくないですか、このぼてぼてした緑色のくま。かぶりものを集めるのが趣味なんですって。りんごじゃなくて「おりんご」っていうし、山のことを「おやま」っていうんです。あと一時お姉さんのことを「おねいさん」て読んでて謎だった。

結構この10年でツイッター上のキャラのゆれがあったのも趣深くていい。それでも一貫してまじめというか、控えめで、あまりマイナスなことや乱暴なことを言わない(宣伝キャラクタなので当たり前かもしれないけど)ところが愛おしかった。

昨年、友達から「(私がやたらアルクマの話をするので)アルクマはゆるキャラグランプリ一位取ってるんだと思ってた」と言われ、「いやアルクマちゃんは一位じゃないんですよ……」と返したことがあった。
最高位は確か昨年の17位だったのではないかと思う。
「私の中ではオンリーワンにかわいいクマなので……」と言っていたけれど、ちょっと歯がゆかったのも事実である。

「ゆるきゃら」という言葉が流行語大賞にノミネートされたのは2008年だというので、アルクマはちょうどひこにゃん人気でゆるキャラがブームになっていた頃に生まれた。
ゆるキャラが群雄割拠するなかでアルクマは10年間、信州の魅力をくまなく広める活動をしてきたけれど、グランプリでは割と長い間トップ争いにも絡めないような順位だった。突飛な言動をするわけでも挙動不審な面白い動きをするわけでもない控えめな見た目とキャラクターでやや地味だったのかもしれない。

控えめでまじめなところが愛しいけれど、このクマにもおやまの頂上の景色見てほしい……とぽちぽちweb投票をする日々を過ごして数か月

今年のゆるキャラグランプリ、結果はみなさんご存じの方もいらっしゃるでしょうけれど、なんとついにアルクマがご当地部門でグランプリを取りました!!
準優勝の泉佐野市のご当地キャラクター、イヌナキンとの票差は61票だった。(余談だけどイヌナキンはアルクマの毛並みを撫でて整えてくれたりしてめちゃくちゃいいやつです。来年は君に投票するからね……)

まさかと思って開いたツイッターでアルクマグランプリ受賞の文字を見た時は瞬く間に視界が涙でぼやけたし、私がアルクマ推しなことを知っている友達たちからお祝いの連絡がめちゃくちゃ届いた。
今思い出してもじわじわ嬉しくなる。アルクマ、ほんとうにてっぺんとったんだねえ。

ゆるキャラという言葉が世間に登場してから久しく時が過ぎ、ゆるきゃらグランプリだなんていってももう全然流行ってないじゃないなんて言う人もいるけれど、全国に特色あるご当地ある限りその繁栄を望む人がおり、望む人がいればその手段としてゆるキャラを生み出そうという流れは流行りとかどうとかを超えてすでに定着しているんじゃないかと思う。
アルクマの活躍はまさに信州をPRするという目的からあまりブレがなく、アルクマを県内のいろんな宣伝に起用している人たちはアルクマを新しいデザインにしたり新しいかぶりものをかぶらせたりして、アルクマを通して信州を伝えようとしているんだなあとその熱意を感じていた。

このブームの中で乗り切れず廃れてしまったキャラクターもいるかもしれない。その中でアルクマはよくここまでこつこつと活躍してくれたと思うし、アルクマを通して信州を伝えてくれて来た人たちにもお礼を言いたい。

私は長野県出身だけど、今は離れて暮らしている。
地元の田舎特有の土から染み付いた家父長制度の空気やらなんやらが嫌で家を出たのは確かだけれど、決して自分が育った土地の全部が全部嫌いなわけではなかった。いま、私はアルクマちゃんの応援を通して信州の好きなところを再発見しているんだと思う。

誰かがあげてくれたグランプリ授賞式でのこの歌を聞いて、アルクマのこれまでの活躍を思ってめちゃくちゃ泣いてしまった。ゆるキャラ音頭で涙するって自分の情緒はそれはそれで心配なんですけど、だってアルクマ生誕10周年にしてゆるキャラグランプリ受賞のエンディングとして完璧すぎない?私に限らずご当地ゆるキャラを応援している人は、この歌詞に自分の応援するキャラクターの活躍を思うのかもしれない。

生誕して10年というタイミングで、また長野県の一部地域で深刻な災害の被害があったこのタイミングで信州のPRキャラクターであるアルクマが一位を取ったことは信州にとってよいことだったねと言ってもらえるようにこれからもアルクマと、信州のことを自分ができる方法で応援したい。

アルクマ、ゆるキャラグランプリ1位本当におめでとう!

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