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バンドで役立つ!クラシック奏者向けポピュラー音楽理論③トライアド(三和音)を理解する。

こんにちは。ジャズバイオリン奏者の佐治拓人です。

前回に続きましてコードについての話を書いていきたいと思います。なお、コンセプトとして主にクラシック奏者に向けてになりますので、理論について1からすべて細かく説明いくわけではありません。ご了承ください。


さて、今回はトライアド(三和音)について確認していきましょう!

セブンス(四和音)やそれ以上の和音を理解する上での重要な土台になります。

トライアドの基本のコードタイプは5つです。

メジャー、マイナー、ディミニッシュ、オーギュメント、sus4

といったタイプがあります。

「えーっと・・・Fmの構成音はなんだっけ??」とひとつずつ丸暗記していくときりがないので、それぞれのコードの特徴を覚えていくと労力が減ります。最終的には響きを聴いて覚えるのが一番良いですね。


なお、今回説明の基準にするものはおそらくみなさんが何度も何度も練習してきた長調の音階(メジャースケール)です。ややこしい知識は一旦置いといて、まずハ長調(Cメジャースケール)をイメージしてください。


メジャースケール

ではそれぞれのタイプの確認をしていきましょう!


①メジャー(Major)コード

いわゆる「明るい響き」といわれる基本のコードです。元気で活発な印象。ドミソ。


メジャートライアド-1

トライアドで出てくるときには音名のみの表記になり、他のアルファベットはつけません。

メジャースケールの1度、3度、5度を積み重ねた形になります。どのkeyでも同じ考え方です。

たとえばDメジャートライアドだったらニ長調(Dメジャースケール)を思い浮かべて1、3、5番目の音を重ねます。

ex)レミファ#ソラシド#レ⇒レ・ファ#・ラ

和声法的な言い方をすると完全1度・長3度・完全5度。

②マイナー(Minor)コード

いわゆる「暗い響き」といわれる基本のコードです。哀愁とか切なさ、クールさを含んだようなサウンド。(ハーモニーの流れによっては暗く聞こえない場合もある。) ドミ♭ソ。


マイナートライアド-1

表記は○m(mは小文字),○min,○-(マイナス)などいくつかありますがどれも同じ意味です。

メジャースケールの1度、3度、5度を積み重ね3度を半音下げるマイナースケール(短調)の1度、3度、5度を積み重ねるとこの形になります。短調を思い浮かべるのも得意であれば後者のほうが手っ取り早いでしょうか。

Cメジャートライアドを基本の1・3・5として考えるならCマイナートライアドは3度が半音下がるので1・♭3・5(完全1度・短3度・完全5度)となります。この考え方はのちにも重要になってきます。

③ディミニッシュ(Diminish)コード

根音(ルート)に対して減5度(♭5)を持つ少し特殊なマイナー系コードです。ホラーなサウンドで印象を強くするために使われたり、あるいは逆にコード同士をなめらかにつないだりする時にも用いられる便利屋さん。メジャーコード、マイナーコードに比べると登場頻度はそんなに高くないです。ドミ♭ソ♭。


ディミニッシュトライアド-1

主な表記は○dim,

メジャースケールの1度、3度、5度を積み重ね3度と5度を半音下げるマイナースケールの1度、3度、5度を積み重ね5度を半音下げる形になります。

1・♭3・♭5(完全1度・短3度,減5度)になるわけですね。


④オーギュメント(Augment)コード

根音(ルート)に対して増5度(♯5)を持つ少し特殊なメジャー系コードです。単独では不思議な響きになります。こちらもコードの構成音をなめらかにつなぐときに出てきたりします。ドミソ♯。


オーギュメントトライアド-1

便宜上こうなりますが、ダブル#がたくさんあって読みづらいですね。以下異名同音読み替えしたものです。

オーギュメントトライアド読み替えver-1

主な表記は○aug,○+(プラス)

メジャースケールの1度、3度、5度を積み重ね3度を半音上げる形になります。1・3・♯5(完全1度・長3度・増5度)です。

もしくは♯5≒♭6と置き換えてもいいでしょう。

Sus4(サスフォー)コード

susはsuspended(吊り上げる)の省略です。3度を吊り上げ4度にするイメージです。どことなく未来感のあるサウンド。終わりを引き延ばしたい時にもよく用いられます。ドファソ。


サスフォートライアド-1

表記は〇sus4

3度ではなく4度になるのがミソです。メジャースケールの1度、4度、5度を積み重ねた形になります。

1・4・5(完全1度・完全4度・完全5度)という珍しい形になるので分散和音(アルペジオ)の練習をするとアドリブなどに役立ちます。



・・・以上がトライアドの主要コードです!


たくさんあって紛らわしいかもしれません。僕も覚えるまでに時間がかかりましたが、まずメジャー、マイナーコードを覚えてしまえば他3つもそこから導き出せるので焦らず1つずつ理解していけば大丈夫です。

なお今回全て基本形で紹介しましたが、例えばドミソであっても転回したミソドの形であっても通常であればCメジャートライアドだという認識になります。このあたりの話はまた後日にしますね。


僕の紹介した覚え方はあくまで一例です。最終的にみなさんが一番導き出しやすい覚え方があればそれが一番です。

今までコードに苦手意識を持っていた方で、もしこのメジャースケールから覚えるやり方がしっくりくると思ったらぜひ活用してみてください!


途中、「マイナーコードでもハーモニーの流れによっては暗く聞こえない場合もある」など書きましたが、これは同じコードでも機能、役割が違う場合があるからです。次回はこれに関して説明していければと思います。

今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました!

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