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【Pottoka】ドヤ顔の皿

今宵はPottokaへ。
バスク地方の料理をだすミシュラン掲載店。

初回の訪問についてはこちら。

2回目の訪問についてはこちら。

パリで自信をもってオススメできる店の一つといって間違いない。

さて、今夜も勇んで入店。
いつものお兄さんが仕切っている。
いつもと同じカウンターの左端の席に座らさせる。

すでにフランスでは誰もマスクをしていない。
スタッフのお兄さん、ああこういう顔だったのね。
すでにちびっとお酒を飲んでいるのか、ほんのり顔が赤らんでいる。

前菜にはタラのセビーチェを注文する。
セビーチェとは野菜や魚介をマリネしたもの。
普通のマリネよりも、レモンなどを多く加えて酸っぱくしている感じだろうか。
調べてみると、ペルーが発祥とのこと。

レモンの適度な酸味が心地よい。
白いものは、とうもろこしを焼いてアイスクリーム状にしたもの。
香ばしさとクリーミーさを加えている。
野菜はカブとラディッシュの塊がごろっと。

もちろん、とってもおいしい仕上がり。
この店に戻って来られたことが何よりもうれしい。

メインを迷っていると、今夜はこれだとオススメされたのがHake。
日本ではメルルーサという名前になっている。
オススメされたというよりは、ほとんど強制的に決められた感じだった。
今夜は絶対これだって、という感じで。
はい、もちろん従います。

運ばれてきたのがこちら。
うーん、見るからにおいしそう。
皿がドヤ顔なのがわかる。

鮮度抜群の魚が、外カリっ、中フワ、の完璧な調理を施されている。
パリではそう多くないと思うけれど、魚の調理を完璧にこなす店だ。

あさりの上品な出汁が旨味を増す。
小さいマカロニが食感にバリエーションをつける。
今が時季らしいホワイトアスパラガスは、酸味を利かせた意外な味で、ほどよいアクセントに。
クレソンのソースの苦味が心地よい。

皿が生きている。
吸い込まれるように皿に向かう。
瞬く間に食べてしまう。
時を忘れるとはこのことだろう。

デザートにはイチゴを選ぶ。

イチゴはご覧の通り生なのだけど、シロップ漬けしたのかと思うような優しい食感と甘さ。
フェンネルを加えたホワイトチョコレートと牛乳のアイスとともに食べる。

おおげさではない、こじんまりとしたなかに、上品さを感じさせる。

ああ今宵も心から満たされる。

食事を終えた頃、少し手が空いたのか、スタッフが話しかけてくる。
フロアを仕切る男性だ。
そのカメラいいね、とのこと。
カメラを気に入ってくれたようだ。
写真が趣味なのだろうか。

撮影してみてもいい?って聞いてくるのでカメラを渡す。
僕のカメラでなんだか無邪気に遊んでいる。

この人、いつも神経を張って働いているご様子。
そりゃそうだろう。
レストランが集まるエリアの人気店。
世界中のさまざまな国から色んな客が押し寄せてくる。
狭い店内はいつもてんやわんや。

客に割と厳しく接している場面も目にする。
気分屋さんなのかなと思うこともある。
選り好みする人なのかしらと思うこともある。

そんな彼がリラックスして、カメラのレンズをこちらに向けてくる。
今夜は気に入られたようだ。
3度目ともなるともう顔なじみ。
そろそろ、そう言ってもいいだろう。

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