こおひぃ

妄想。

その子はコーヒを持ったまま、立ちすくんでいた。何をすることもない、ただ立ちすくんでいたのだ。 手には激甘のMAXcoffeeが握られている

俺の悪い癖で、気になったら聞いてみたくなったもんでね。 女の子に「コーヒー、飲めないの?」と聞けば、下を向いて「の、飲めます……今飲もうとした所です」なんて返す。

大体分かったので、俺は女の子からコーヒーの缶を取って、グイッと一気に飲み干した。女の子は目をまんまるくしてしばらくこちらを見ていた。マッ缶(MAXコーヒー)は非常に甘い。でも美味しいのだ

「周りでコーヒーを飲めないのは私だけなんです。だから飲めるかな?なんて……」女の子は言う。「大丈夫、俺もコーヒー嫌いだから」と言ったら女の子はまた目をまんまるくして「じゃあなんでさっき一気飲みしたんですか?」と聞いた。「なんとなく」「なんとなくで嫌いな物が飲めるんですか?」 「うん」 「えー!?」そんな会話がしばらく続いた。俺はさっきちょっと無理やりだったかな。なんて思いつつ、口の甘いコーヒーをまだ味わってたのだった。


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