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【短編推理小説】五十部警部の事件簿

事件解決51-55

                                    
                                    
                                
                                 
                                   
                                  
                                    
                                   

事件その51の解決。
 
人間の男性が5KMほど歩くには一時間ほどは掛かる。
妻が別荘に着いてから逆算しても、妻の到着から一時間が経ってから別荘へ到着するはずである。
その時間の間で、なぜ彼は妻の自殺が自分の到着の10分前に行われたと云えるのだろう?
検死の結果、遺体からは睡眠薬の成分が検出された。
妻は眠らされた上で首を吊らされたのだろう。
 
事件その52の解決。
 
犯人の男は遠くから聞こえて来たサイレンの音を聞くことが出来た。
もし電話を掛けたならば、ダイヤルの音は聞こえなくても、繋がった際には受話器から応答の声がするはずである。
それが犯人に聞こえなかったというのは不自然ではないだろうか。
 
 
 
事件その53の解決。

殺害犯人は大津 冬子。花札男は多田 四郎である。
 
事件その54の解決。
 
なぜワイン壜のコルクが差し込まれていたのだろう?
飛田は渡されたグラスにワインを注ぎ、直後に口を付けている。
毒物は白井の持ってきたグラスにあらかじめ塗られていたとも考えられる。
直後の混乱に乗じて壜のワインに毒を混ぜて疑惑を逃れようとした可能性は?
白井は第一の容疑者と見るべきであろう。
 
 
事件その55の解決。
 
下手人は黒川種彦である。
 

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