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【短編推理小説】五十部警部の事件簿

事件その50

ヒロポンの密売団は数多くあったが、ある残忍な殺人の結果、その内の一つが浮かび上がって来た。
高木新吉という密売の元締め格の一人が、非道い撲殺体となって、〇川の河口付近に浮かんでいた事件があった。
その捜査線上に四人組の密売団が浮かび上がって来たが、そのうちの一人が、何かの裏切りを犯した点を、この高木に指摘されたが、逆襲して彼を殺害したという証言が得られたのである。
五十部警部はその後の捜査で、この一団について以下の情報を得た。
 
冬木太郎と殺害犯の娘は同じ小学校に通っている。
ヒロポンの密輸を専門にする運び屋の団員の息子は、冬木と同じ中学校に通っている。
大野勝男と運び屋は林二郎がヒロポンの密造や品質に詳しいことで一目置いていた。
林二郎は学生時代はボクシングの選手だったが、婦女暴行を犯して逮捕された前歴がある。その林は別の密売団に協力を依頼されたが、
殺害犯と運び屋が怖いと協力を断った。
友田正太郎は大野勝男が裏切るかも知れないと疑っていた。
 
さて、誰が殺害犯で誰が運び屋かな?

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