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【短編推理小説】五十部警部の事件簿

事件解決46-50

事件解決その46。

楽屋は細長く鏡はドアの真正面にあった。
神田が鏡に向かって白粉を塗っていたのなら、ドアから入ってくる小栗の姿は自身の姿に隠されて見えないはずでは?と五十部警部は気づいたのだ。
小栗が腹巻からピストルを出したのを見たというのは嘘だったのだ。
何かで争いになり衝動的にピストルを撃ったのは、神田の方だと後の捜査でわかった。
ピストルの指紋を誤魔化すため咄嗟にピストルに白粉を塗り、床にも撒いた事も分かった。
小栗は神田が陰で美人局をやっている事を知り、彼を脅していたことが原因のようである。
 
事件その47の解決。
 
被害者の遺体はサングラスにスカーフを着用したままだった。
二百米も離れた場所からその姿を見ていたはずのに、なぜ新聞に載った写真の女性が、その時の女性だと分かったのだろうか?
五十部警部はその点に疑問を感じたのだ。
その後の捜査で、加藤が人気の無い浜辺で女性を見かけた直後に絞殺し、松林の奥にある溝へと遺体を運んだが、近隣の住人数人が付近を歩いているのを知り、遺体を放置したままその場を離れたことが判明した。
 
事件48の解決。

佐藤浩二の云う通り、ラクダの毛のオーバーを床に投げてその上で寝たのなら、ポケットのハッカ飴は割れているはずだ。
太吉という少年はオーバーを被って横たわっていた。
心臓を刺されてから、誰かがオーバーを被せたのだ。
佐藤浩二は嘘を吐いている。
その後、彼の指紋のついた鋭いアイスピックが、廃ビルの裏から発見された。
佐藤は睡眠薬の譫妄作用で太吉を刺殺してしまったようだ。
 
事件その49の解決。
 
頭目は大岡多津吉。副長は田中富兵。
 
 
 
事件その50の解決。
 
殺害犯は大野勝男。運び屋は友田正太郎。

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