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緋色の改竄

「対象はこのメスね。遺失?私有?」
「遺失ですね。第二種小型遺器物・遺失二十五号」
「あー……爺さんどこで盗んだんだか。番号若いし大昔の案件だよな。時効だろ。面倒くさい」
「『君は公示偵官たる自覚が足りないようだ』」
「局長の真似はよせ。で、こいつは何なのよ」
「類番の暗記は三級の問一ですよ。緋野さんあんた一級でしょ」
「おい」
「……〈スクレタピオスの指〉。要は傷つけずに肉を切れる麻酔・縫合要らずのメスですね」
「へえ。でもこの爺さんこれで首を切って死んだんだろ。この部屋で。鍵をかけて」
「緋野さんが持ってるのは模造品です」
「すり替えか。爺さんは本物と勘違いしてやっちまったと。理由は知らんが。しかし自殺で説明つくじゃないか。俺要るか?」
「本物が行方不明なんです」
「つまり、本物を持ってる犯人を見つけ、メス抜きでそいつが犯人となるよう辻褄を合わせろと?」

 私が肯くと、緋野は大きなため息を落とした。

「面倒くさい」

【続く】

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