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ギスギスした職場が増えている理由とは?

仕事柄多くの会社を訪れるが、ギスギスした感じの職場を目にすることがある。

主な原因や背景はいくつかあるが、思い当たることを5点あげてみる。

1、管理職もプレーヤー化したこと

バブル崩壊以降不況が続き、競争力の強化が求められ、企業は人材のリストラを断行したりする中で、それまでは管理職としてのみの職務であった管理職にも、平社員並みの業務が求められるようになった。

これを私は「管理職のプレーヤー化」と呼んでおり、管理職の業務はこれまでに増して、膨大になった。

この時期が、プレイングマネジャーの誕生だと思っている。

これでは、部下に対する目配りや気配りは行き届かなくなる。

2、成果主義が浸透したこと

成果主義自体は、当然の評価の「あり方」であるが、一方、制度設計がしっかりしていないと「自分だけがよければいい」という風潮を生み出す場合もある。

自分さえ高く評価されればよいという雰囲気を職場にもたらし、社員同士の協力関係や助け合いの精神は影を潜めてしまうのだ。

こうしたことは、会社の部門でも起こり、自分の部門のメリットになりそうもないことは他部門にまわすなどのことも横行し、部門間の連携にも悪影響を及ぼすようになった。

3、組織がフラットになったこと

組織のフラット化とは、組織を簡素化するとともに、現場への権限移譲を打ち出した組織運営法である。

トップや部門長の下に、多くのポジションが並列している。

課長や係長などが存在しないことが多く、その分、意思決定のスピードは速いといわれている。

一方、個人の責任や負担が増したため、気が重くなりがちで、モチベーションが下がる傾向があることも指摘されている。

4、いびつな社員構成

バブル経済が崩壊して以降、各企業は採用を大幅に控えたが、その後、景気は回復し採用を増やした。

これにより、年代によっては人材がだいぶ不足している層もあり、いびつなひょうたん型人員構成になっている。

このため中間層が大幅に抜け落ち、企業によっては20代を中心にした若手社員が管理職に就くケースも見られる。

きつい言い方をすると、大した経験もなく、実力も備わっていない段階で、管理業務をしている人も少なくない。

5、IT化の浸透

企業は経営の効率化を図るため、業務のIT化を進めた。

さらには、効率を重視するあまり、社員同士の会話を無駄話として、徹底的に排除する企業も増えた。

「無駄話をなくす」といえば聞こえはいいのだが、一見すると無駄に思える会話であっても、社員同士のコミュニケーションに役立つことも少なくない。

現にITが普及したことで、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが大幅に減少した。

以上5点の状況を打破するには、どうしたらよいだろうか。

それには、まずはとにかく話すこと。

メールなど何かの道具を介してではなく、直接、面と向かって話し合う回数を増やすべきである。

変わる職場にあって変えてはならないもの。

それは、『人と人との繋がり』といえるのではないだろうか。

(追伸)
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