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えっShane Waldronって無能なの?と不思議に思うSEAファンが彼を解説するよ

こんばんは。ラッスの過大評価を絶対に許さない会・日本支部会員です。

ラッスの過大評価はもう十分に伝わったかと思いますし、ちょっとあまりにもな言説を目にする機会が増えたので、Shane Waldron 師匠の過小評価を絶対に許さない会・日本支部会員の活動にシフトしようかと思います。

ちなみにラッスの過大評価を絶対に許さない会のデンバー支部では「ラッスと直接対決できる俺たちのスーパーボウルに勝つまでラッスの凡プレーを毎日あげる」という狂気のアカウントができてて非常に面白かったのでおすすめです。

Shane Waldron 師匠の実績

なんで Slowik より評価低いのかが正直わからん。うちの QB ジーノやぞ。

Shane Waldron のここが素敵!

・当時のゴフやジーノみたいなブリッジ級の QB でも判断しやすいプレーを作ってくれる
・セパレート能力が高くないレシーバーたちでもデザインでフリーを作れる
事前に構築したスクリプトが高品質で、1Q に非常に強い
・ショート/ミドル/ロングと全てのレンジにバランスよくパスを投げさせられる(ラッスができないからって独断で拒否してただけでジーノに代わった途端に DOT のバランスがよくなった)

たとえば具体的にこんなことやってました by 素人目線

・挨拶代わりにモーションして事前にジーノにカバーを予測させる
・レシーバー 3 人を片方に固めて、似たようなルート走らせてゾーンで守る DB の動きに合わせて投げさせる
・デカくて速い DK/Noah Fant を突っ走らせて、その後ろに生まれるスペースにロケットや TE3(遅いけどアジリティはある)を走りこませる
・DK にアンダーニース突かせて S 釣って、奥でロケットとか Goodwin あたりに縦ぽん 1on1 やらせる
・TE2~3 人体型でのランを使う → 困ったときの TE2(遅いけどランブロ超強くて手も堅実)への PA パス

SEA D# が McVay に散々やられたように、1 個プレー決まったらそれを材料にしてカウンタープレーやるのが得意なタイプだったという印象です。
※このへんは素人なのでこんな記事より識者の解説を見てください

あとロケットと DK どちらも絶対的エースとして扱わず、相手によって誰をメインに使うか柔軟に変えてた(就任直後から語ってたコンセプト)と思います。それをぶち壊したのが Let's Ride! って言いながらひたすら奥の DK にぶん投げる人であり、弟分の DK もご機嫌取るためにたまに投げてやらんとキレて相手殴り出すキッズに育ったのが心労の種でしたが…。

Shane Waldron のここがダメ!

後半の 3rd down に弱すぎる(後述) 実質3択くらいしかなくて SF には体型で読まれてるんじゃない?と指摘されていた
TE2/3 を愛用するスキームなので WR3 が優秀だろうが空気=簡単なスクリーンとランブロばっかやらされてた JSN ブチギレ案件の原因はコレ
・事前に用意したプレーを遂行した結果から後半~終盤のプレーを考えたいんじゃないかと思うので、ある程度は自分の思い通りにやらせてほしいスター QB を制御できなさそう(ラッスは判断遅い+ビビったら投げずにサックされて OL/OC に責任なすりつけるのでショート・ミドルパスありきのスクリプトは遂行不可能だった)
・Good OC ではあるけど、決してチームを SB に牽引できる Great OC ではない

Shane Waldron 師匠にまつわる誤解

誤解1:(実は有能じゃないので)SEA で引き留められなかった

決して低迷してたわけではない Pete Carroll を解雇するということは、Good but not Great の人材じゃいつまでたっても SF/LAR にはカモられるし SB には届かん、「WC 敗退くらいじゃメディアも取り上げてくれへん」「Pete/Shane 先生のやり方はもう古いんちゃうかな」「私は経営者なんでね…」ということでしょう。低迷はしてないけど停滞はしてたから。

Waldron 師匠は HC でいうジジィ、QB でいう Geno みたいな Good but not Great な人材なので、HC(DC) に Great な人材を招聘できた以上は OC もガチャを回すのは自然な流れだと思います。だいたい同地区の McVay/Shanahan が悪い。K2 はトモダチ。

誤解2:ルートランのパターンが少なくて単調、無策、工夫がない

アホなん?

JSN は去年と比べてめっちゃ多様なルート走ってる!前任者は何してたんだ!とか言われてますが、単に WR3 << TE2 のスキームだっただけです。

不動の TE2 だった Will Dissly のルートツリーを見ると、「ショッテンハイマー時代にトータルで走ったルート種類の数を開幕から数試合で超えた」って指摘されたりしてました。そういうことです。

誤解3:アジャストが苦手で後半に弱い

おそらく「OL/OC がダメだからウィルソンが活躍できない(気の毒)」とか言ってたんじゃないかって層が騒いでるのをたまに目にします。
国内 SEA ファンの多くは他球団の試合とか見ず、リーグ全体の相場はどんなもんなのかって視点で比較しない傾向にあるので注意しましょう。

2023 年の O# のデータでは
後半の 1st/2nd down は Dropback EPA でリーグ屈指
 ・先行逃げ切り型だとしても、Win Prob 30-70% の非ガベージ状態で Dropback EPA はリーグ 7 位なので全然失速はしてない
 ・ただし Rush EPA は平均以下
後半の 3rd down は Dropback EPA でリーグ最下位レベル
 ・前半の 3rd down は割と優秀なのでここが顕著に弱点
・後半の 4th down は平均以下
 ・前半の 4th down はランもパスも TOP10 以内なので以下同文

これが

ガベージじゃない後半の 1st/2nd down

こう

後半の 3rd/4th down

参考:https://rbsdm.com/stats/stats/

・たぶん頭の回転が遅い熟考型
・たぶんメンタルが弱い
ハーフタイムで面の対策は考えるけど、めまぐるしく変わる戦況からここぞの場面で最適な 1 プレー(点)を決めないとダメな瞬間に激弱
ってのが問題じゃないかと思います。唐突に 4th&12 をギャンブルする K2 の強心臓さえあれば…。

ただ、3 がつく down で急にアホになるチームにはウォルドロン師匠以外にも大きな原因があり、

・ESPN による OL のパスプロ勝率はリーグ 25 位(ランブロ 17 位)
・ガベージじゃない後半の 3rd down における Completion % above expected (CPOE) でジーノは底辺
・ついでにエース RB の Kenneth Walker が 10yard+ か 0-2 yard かって感じの Boom or Bust タイプなのでイマイチ信用できない

で、パスプロの悪さ+プレッシャー耐性が低くて勝負弱いジーノとの合わせ技でアホになっています。ジーノは地味にそこそこの頻度で Game Winning Drive を決めてたりもしますが、昔のパワプロでいう逆境○でピンチ×って感じです。

ウォルドロン師匠が盛大にコケてる理由の推測

考えるための材料は↑に挙げたということで、あとは考えられる原因をつらつらあげていく感じで、判断は皆さんにお任せします。

可能性1:実は Canales とかの手柄だった

2021 は Bryce Young 被害者の会こと Dave Canales が、2022-23 は  Sanjay Lal がウォルドロン師匠の下で Passing game coordinator を務めていました。

特に Canales は TB でも成功してますし、近年は SF 出身の Passing game coordinator が OC として大成功してるので、2022-23 も 2021 にカナレスが残した遺産でどうにかやりくりしてたという強引な説。Sanjay Lal はよくわからん。

可能性2:戦力・選手タイプの違いによってスキームを発動できない

「Waldron 師匠が得意スキーム実現のために求める最低限の戦力」と「CHI 首脳陣が Caleb に与えたい戦力」のギャップが許容量以上になってるというパターン。

師匠のスキームは QB フレンドリーなので、QB は Goff/Geno/Drew Lock でもよかったりしました。

なので、気を抜いたら奥にぶん投げられるためにシングルカバー絶対○すマンの DK、TE の体格で速いファント二人の身体能力あってこそ、彼らをデコイにする→逆に空いたら投げるというプレーデザインが機能してた説。

あとスキーム的には TE2 の Dissly も結構大きな役割だったのかもしれません。シュナイダーがモブ扱いして格安で延長オファーしようとしたら、代理人が「Dissly がいるときといないときでこんなに成績が違う」ってデータを提出したってニュースがあったので。
LAR 時代もヒグビー&エベレットという2枚看板だったんですよね。

可能性3:余計なことをしようとしてる or させられてる

「スキーム実現のために必要な戦力はあるが、そのスキーム自体を修正中」の可能性。

SEA での一年目は「私は McVay 師匠のカーボンコピーではない」と宣言して独自路線(笑)をやろうとしてる香ばしい報道などもありました。
真面目な人ですが、SEA からは「お前じゃ SB には届かん」「Ben Johnson や Slowik より格下」という評価で放出されたわけなので、変な感じで燃えてるのかもしれません。

もしくは熊の首脳陣から Caleb を生かすためにあれやれこれやれって言われて本来の強みが出せないパターン。

可能性4:Caleb が言うことを聞いてくれないからスクリプトが機能しない

「嫌だ!俺はこいつ好きだからこいつに活躍させたい!」「地味なパスじゃなくてハイライトになるようなロングパス決めたい!」とかゴネられたら終わりなんですよねウォルドロン師匠。

ラッスに指示をフル無視されても記者会見とかで一切ネガティブな発言をしなかった、というか 2021 はメディアの前に姿を現すことがなかった人なので、こればかりは現地記者しか知りようがない。


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