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カリーと哲学18

カリーと哲学でございます。
ワタクシの山編。 

またまた更新が空いてしまいましたが、
行ってまいりました!!
大分県にある久住山へ。
いやー最高でございました。考えたら実は10年以上訪れてなかったのですね。
結局近所の里山に行くか、また極端にヒマラヤに行くとか、、、何だか不思議な登山遍歴の人生になってしまいましたワタクシ!
佐賀のお山に居を構え、スパイスチャンプルーカリーなるものを。九州各地に撒き散らしております!!店舗無きカリー店の旅するクーネル料理長であります、ワタクシがお送りします…個人的変態お悩みコラム!!

お店を初めて一年くらい休まず働いておりましたが、ある冬の夜に中学の同級生のマサトが訪ねてまいりました。
何故かワタクシを冬山に誘うのです。
ネパールトレッキングである人物と出会い、スッカリ山にはまってると。そして今週末に伯耆大山に誘われたから一緒に
行かないかとのお誘いでした。

ちょうどいい機会だわ。休むタイミングと思い軽くOKの返事をしたのです。 

営業後、徹夜で車を走らせ、早朝の大山寺の駐車場でその人物と初対面したのですね。
 

吉野です!!宜しく!!イノウエさんですね!!よしおちゃんでいいですか!!
あははははははははははへはは!!  

見た目はただのおじいちゃんでしたが、、、

さあ!!行きましょう!!

冬山も初めてですが、気になるのは吉野さんの肩にはロープの束が??んー?

「あのー、、、どこへいくのでしょう?」

「あの雪壁をいってみましょう!!」

その指す指先の向うには、、、登山道ではなく鋭角な雪壁を指差しております。

アイゼンを履きピッケルを渡され、ルートの取り付きまで雪をかき分けすすみました。

ハーネスにロープを装着し考えますワタクシ。
何をするのでしょうか??
 
「私が先に登るのでついてきてください!!」

そういうなり雪壁にピッケルを打ち込み、ガシガシ壁を登っていきます。

ロープが一杯になった所で、吉野さんからのコールがありました。

とりあえず登ってみて下さい!!
だいじょうぶです!!
落ちたら止めます!!あははは!!

やった事も見たことも無いですが、見様見真似で雪壁にピッケルを打ち込み登攀してみました。

そうしてワタクシとマサトと吉野さんの無謀パーティーは、6ピッチの弥山尾根の登攀に成功しました。

一人でも匠がいれば、何とかなるもんだと思ったもんです。

それからワタクシの山も復活しました。
お店も順調です。
週末は吉野さんと岩登り。大牟田の自宅で酒盛りが楽しみでした。

吉野さんは三池炭鉱の技術者でありました。 
何でも労働組合にもランクがあったらしく、自分達は最低のクラスであり、社会の末端だったと、、、良く酔っ払ったら吠えていたもんです。
労働者にも山に登る権利があるんだ!!と平成の世で叫んでおりました。
なんせ元は、日本勤労者山岳連盟代表代理を勤めた登山会の巨人でありましたから。

炭鉱労働者でありながらとてもインテリで、大きな本棚には沢山の登山関連の本、西洋哲学書や宗教の本。レーニンにマルクス、毛沢東(笑)
そして、、、宮澤賢治。

「よしおちゃん、、、ただ山を歩くだけならバカたい!!考えんばイカン。足のウラでギャン考えんばイカンたい!!よしおちゃん、、、山は」


読み!!書き!!登れええええいっ!!!!
 

と、、、咆哮して毎回成仏されるわけです(笑)

しかし、、、読み書き登れ、、か。

宮沢賢治の事も言ってました。
賢治は生涯に何度も岩手山に登ってたようですが、賢治は山で山になり、自然と宇宙と融合して自分自身をとりもどしよった、、、など言ってました。

「よしおちゃん。考えながら登らんバいかんけん」
 
それから夏のアルプスに登ったり、冬の八ヶ岳を楽しんだり、そして目標のヒマラヤにも登ることが出来ました。

そして、、、そんな言葉を残して吉野さんは北アルプスで帰らぬ人になりました。

ぽっかり空いた胸の奥に残った言葉。

考えながら登らんバいかん。 

何故ワタクシは山に登るんだろう。
気づいたのは単独行動のワタクシは、岩登りには向きません。
というか、一人になりたくて山に入るんであります。
そしてただ一人で歩くのです。
そして一人で沢に入り、酒を舐めながら榾火を眺めているんです。
すると、、、榾火の向うには、偶にですがワタクシ達の御先祖様のような人達が、歩いているような気がするんです。
粗末な服装と装備で、雪のある峠を超えていくんです。
目だけはギラギラと生気を帯び、頂きの向うに拡がる風景を想像しながら。。。

そんな風景が何度も何度も、ワタクシの脳内にフラッシュバックするんです。


そうか、、、ワタクシ達人類は歩きたいんだ。何故ならばワタクシ達は、アフリカのタンザニアのラエトリからやって来たルーシーの子孫!!

ワタクシ達は歩きたいんですよ。
歩きたいから歩くように出来てるんです。
だから身体に聞いたら感じます。

歩きたい

身体中に残ったご先祖の記憶が、榾火の向うによみがえるから。

人間も動物も植物も鉱物も、同じ原子から構成されてるのだから、、、自然に浸ると時代を超え歴史を超え、、
宇宙と繋がるのですね。

宮沢賢治も言っておりました。

ワタクシは山だけど、友達のこみちゃんは海で。
カナダのタイチはロッキーですね。

アナタのルーツはどこですか??
アナタの無意識は何をかんじますか??
アナタの宇宙は何処にありますか??
もしかしたら、、、近所の川のせせらぎの中に、、、へへへ。

長くなりましたがそろそろ
カリーとワタクシの山終わりですね。
 
本当にカリーは凄いですよ!!
どんな料理にもスパイスを投入したらカリーですから。
どんな素材であれカリーになるんです。

ワタクシの役目は世界全体をカリーにする事であります。
つまりスパイスで世界全体を調和して平和にするんです!!
ちょい辛で(笑)

みなさん都会の生活がもし疲れるのならば、、、


自然界には直線が存在し無いのです。


養老孟司先生が仰言ってましたが、、、なるほど~の一言でありますな。
だからワタクシ街に住んでた時、毎日山を歩いてた訳ですな!!
そりゃ山に住んだら、、、歩かなくもなるわな(笑)
宮沢賢治
農民芸術概論網要より

世界ぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない

ならばワタクシはカリーで!!

ではでは!

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