見出し画像

【読書】〈女子大生会計士の事件簿〉世界一感動する会計の本です【簿記・経理入門】

「人類史上最高の教養人とも言われるドイツの文豪ゲーテは、『簿記は最高の芸術である」としるしたらしいわ。」(女子大生会計士・萌)

 本書は感動するかどうかは別として、寓話形式で学べる簿記の入門書です。
 はじまりは、公認会計士試験に落ちてしまった青年が、受験専門学校が主催するセミナーに参加したことから始まります。
 そのセミナーの名前は「ああ残念でした!一からやり直しましょうセミナー」という名前で、会場には女子大生のような若い女の子が参加者がいないことにイライラしていました。
 青年は不合格で意気消沈していて、公認会計士を諦めるつもりで記念のつもりでこのセミナーに参加したというわけです。
 話し相手もいない女講師は、青年を捕まえて毒舌で青年の事情を聞き出します。
「よしわかった!乗りかかった船だわ。私のせっかくの初セミナーに聴衆が1人しかいないのは不満だけど、これからスペシャルな講義を開始してあげる!」
 そういうと教卓に両手をついて青年以外誰もいない教室を眺め回すと笑顔を作りました。
「えー、みなさん。私がこれから会計の習得になくてはならない基礎のお話をするわ。目標は会計の基礎であり本質でもある『簿記』を知ることよ。簿記を知れば、挫折してあきらめようとなんてバカな考えを起こす人はいなくなるわよ。それでは、『一からやり直しましょうセミナー』の始まり、始まり〜」
 こうして講義は始まるのでした。
 女子大生会計士の講義では、経理・会計・簿記の違いから、会計の本質である「仕訳」の説明が行われます。その説明が終わると女子大生会計士は青年に、
「この本は、私が会計の勉強を始める前におばあちゃんから読んでもらった物語よ」
 と一冊の古びた本を渡されます。青年はしぶしぶその簿記が発明された500年前のイタリアの架空の物語を読むことになりました。
 その物語のタイトルは「たまごの国の物語」でした。
 物語は500年前の架空の国エッグランドを舞台にしています。そこはフィレンツェの隣にある小さな国家ですが、世界中から面白い人やモノが集まっています。
 この国にルカとレオンが旅の途中で訪れます。二人ともいなかの村の出身でルカは世界一の数学者になるためにヨーロッパ中の大学や図書館を巡っていました。そこで出会ったのがレオンであり、ルカはレオンのことを学生だと思っていましたが、知り合うと学生ではないことがわかり、勉強をしていたり絵を描いたり、ずっと鳥を見ていたりと自由な人であることがわかりました。
 二人がエッグランドに来たのは理由がありました。レオンは次にどこに行こうかと色々な場所をルカに提案してきます。しかし、ルカはレオンにもう旅費がないことを言うとレオンは「お金を作らないとなぁ」と考えます。
 そんなときに偶然、古城に住む病弱な令嬢クラリーチェと出会います。そこでクラリーチェはエッグランドに行くことを勧めますが、ルカは旅費がないことをクラリーチェに打ち明けます。
 クラリーチェはすこし考え込むと、
「そうだ!だったらエッグランドに行って商売を始めてみたら?」
 と提案してきました。
 ルカは商売など一度も考えたことがなかったので驚いていましたが、レオンは、
「それ、面白そうじゃん」
 と乗り気で答えます。
 クラリーチェは、レオンの耳元で何やら伝える。
「・・・わかった?この人を頼りにすればきっとうまくいくわ」
「ああ。ありがとな、姉ちゃん。俺たちがエッグランドで商売始めたら、必ず買いに来いよ」
 こうしてルカとレオンはエッグランドにやってきたのでした。

 二人はエッグランドに入ると、宿屋をとってそれぞれに出資者を探すことにしました。
 ルカはエッグランドに一人だけいる知り合いのコトルーリおばさんを頼ることにしました。おばさんはたまご専門料理店を経営していて、大繁盛していました。
 コトルーリおばさんはルカの顔を見るや大歓迎で、お店を開きたいと聞くとお店の場所として倉庫を貸してくれて、さらに出資金として金貨100枚を渡してくれました。
 ちなみに出資者には儲かった場合、配当金を支払わなければなりません。出資者はその商売が成功すれば出資額以上の儲けが出るし、失敗すれば出資したお金は消えてしまします。賭け事のように思えますが、これは投資と呼ばれる立派な経済的行為なのです。(会社は出資者がお金を出すことから始まります)

 その日の夕方、宿屋でルカがレオンを待っていると、レオンが興奮した様子で帰ってきました。宿の部屋のドアを開けるとレオンは長身の男性を連れていました。その男性ロレンツォはエッグランドの実力者でクラリーチェがレオンに紹介した人だと言います。
 ロレンツォはレオンと交渉した結果、出資金金貨100枚と金貨800枚を貸すことを約束しました。(会社を作るとき、お金を貸してもらうこともあります)

 ロレンツォはお金を出す条件として、ルカに正確な帳簿をつけるように言いました。しかもその帳簿は『複式簿記』にもとづいた帳簿を作って、損益計算書と貸借対照表を提出して、報告するように言います。
 ルカは複式簿記なんて聞いたこともありませんが、レオンが教えてやるということでしぶしぶその条件を飲むことにしました。レオンは複式簿記を知ってはいるものの他にしなければならないことがあるとルカに複式簿記を任せます。
 その交渉の末、ロレンツォから出資金金貨100枚と借りた金貨800枚が届きました。
 さっそくルカはコトルーリおばさんの出資金100枚も入れて帳簿を書きました。

4月2日 コトルーリおばさんとロレンツォさんからお金をもらう 金貨1000

 しかし、これでは単式簿記であり、レオンに直されてしまします。

4月2日 借りた人 レオルカ紹介 1000
    貸した人 ロレンツォ、コトルーリ 1000

 このような形で徐々にルカとレオンの商売を通じて簿記に記入する項目が増えることにレオンがルカに教えるという形で複式簿記や仕訳の書き方を本書は教えてくれます。
 これは商売を始める人にとって、ルカと同じような疑問から始まることから考えると、とてもわかりやすい形式で説明されます。物語を通じて、物を仕入れたり、販売した利益をどう書くのか、接待した費用はどう書くのか、複式簿記をルカが悪戦苦闘しながら読者も同じように複式簿記の書き方を一つずつ増やしながら覚えていきます。
 登場人物たちも当時の世界の偉人たちを登場させたりと、粋な展開になっています。最後にはルカとレオン、それにクラリーチェのモデルも明らかになり寓話としてきれいな形でオチがついて終わっています。
 会計において簿記や仕訳の基礎を学ぶには手軽に読め、とてもわかりやすい本になっています。ぜひ会計を学びたい、これから商売を始めたいけど、帳簿や複式簿記とか難しそうという人はここから始めるのがオススメです。
 ちなみに女子大生会計士の事件簿シリーズの前日譚のようです。

この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
スキありがとうございます!
8
数あるnote記事の中で私のnote記事を選んで読んでいただきありがとうございます。私のことを考えないようにして読んでいただけたら幸いです。群馬生まれ、群馬育ち、群馬在住、群馬贔屓。

こちらでもピックアップされています

【読書】記録
【読書】記録
  • 86本

自己啓発書やビジネス書の著者は海外の有名大学の教授やビジネスで実際成功された方です。教授であれば研究に、ビジネス成功者であれば経験に基づいて書かれています。そういった最新の研究や経験を著者を通して知る事ができる本です。 私の感想から、あなたの人生や価値観を開く本と出会える手助けになれれば思います。

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。