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【読書】投資で一番大切な20の教え

「本書は極めて稀に見る、実益がある本である」(ウォーレン・バフェット)

 本書は債権運用を得意とするオークツリー・キャピタル・マネジメントの会長兼共同創業者ハワード・マークス氏による「投資哲学本」です。
 投資哲学という点を強調するのは、本書でも著者が言っていますが、投資マニュアルや儲かる投資法や銘柄分析などを一つも行っていない投資関係本でも珍しい内容になっています。まさに著者の長期に渡る(ファンドマネージャーとして長命なこと事態稀な存在)投資経験から培われた考え方を惜しまずに書き記されています。
 長期で勝ち続けるファンドであり、確固たる投資哲学の持ち主ということは当然投資スタイルはディフェンシブ投資となり、その考えは世界最大の投資家「オマハの賢人」ことウォーレン・バフェットと似た投資哲学になり、本書をバフェットは大絶賛し、なおかつ大量購入しバークシャー・ハザウェイの株主総会で配布までしたほどの気に入った本です。
 まず著者は平均的な投資パフォーマンスを上げるなら、インデックスファンドを買えばよいとし、その上でやり手の投資家はその上を目指す、市場に勝つことを求める、これこそが「成功する投資」の定義だと言います。
 究極のディフェンシブ投資であるインデックス投資を上回る運用成績をあげてこそ勝つことだと著者は言います。このことはディフェンシブ投資において重要なことでしょう。インデックス投資を下回る成績のディフェンシブ投資ならやる意味がありません。かと言ってリスクを取りすぎる投資ではディフェンシブ投資とは言えません。アグレッシブ投資となります。
 そこでディフェンシブ投資とは、どのレベルのリスクを受け入れるか、リスクとは何か、リスクをとった際の結果、相場の揺れ動き、相場の予測などについて著者の考えが書かれています。
 本書で語られているリスクの定義は学ぶことが多いです。

「リスク」とはなによりもまず、資金を失う可能性のことである。

 すぐれた投資家でさえ、長期にわたってアンダーパフォームする可能性があるのだ。たとえば、バブル期には「リスクをとらないせいでブームに乗り遅れるリスク」が生じるが、規律ある投資家はこのリスクを許容することもいとわない。

 まずこのバブル期の上昇局面において、他のアグレッシブ投資家たちより成績で遅れをとうことはリスクとはならないとしています。人によっては儲け損なうことをリスクとしている人もいますが、ディフェンシブ投資家たちもアグレッシブ投資家ほど大きく儲けてないだけで、利益は上げています。それよりも本当のリスクである資金を失うという「リスク」の方が重要です。相場の下落局面、いや、相場が加熱した時期においてディフェンシブ投資家は資金を失う「リスク」を意識し、ポジションを安くなりすぎている債権や現金に変えています。このタイミングでは、より多く儲ける時期が長く続くかもしれなませんが、儲けてる段階で手仕舞います。早めにバブルから降りたほうが、暴落が始まってから降りるよりも利益が大きく、なによりも資金を失う「リスク」が少ないからです。さらにキャッシュポジションは暴落しきった際のバーゲンセールで割安な株を買うこともできます。
 そして、リスクが資金を失うことだと認識した投資家は、より安い価格で買うことによりリスクが小さいと感じるわけです。逆に値上がりを続けていく株は値上がりするたびにリスクが増えていると考えます。そのために値上がり株を買い上がるのではなく、暴落した株を買い下がるナンピン買いをするわけです。しかも落ちてるナイフが落ちてる時に拾っていく、落ちてるナイフが地面についた時には売り物がないとしています。
 本来、ナンピン買いと落ちるナイフを握るのは損する手法とされていますが、それは自身のリスクの感覚がしっかり見についてない人だからでしょう。急騰株を買い上がる人がナンピン買いや落ちてるナイフを握ったらケガをします。まず急騰株を追う人には割安な基準がそもそもないわけですから、割安でないタイミングから買ってしまう羽目になり、大やけどを負うわけです。
 むしろ著者のようにそもそも投資戦略がナンピン買いと落ちるナイフを握ることを前提にしている人は、ナイフを握るタイミングがわかっているわけです。
 著者は常にその価格は割安かどうかを見極めた上で、ナイフを握る「リスク」をとるわけです。当然、そういった割安株もすぐに反騰するわけがないので「バイアンドホールド」を長期に渡り行う必要があり、そのために借金やレバレッジによる買いは厳禁だとしています。現金で長期保有し、下がればナンピン買いを行い相場環境が良くなるまで待つわけです。そして、相場が上昇局面に転換した時に、アグレッシブ投資家よりも高いパフォーマンスを発揮するわけです。
 著者は何よりも相場のサイクル信奉者で、その哲学を大学で日本を学んだ時に知った「無常」の考えから来ているとし、相場は必ずサイクルが起こり下落と上昇を繰り返すという考えに投資を行っています。
 本書は世界金融危機(リーマンショック)後に書かれた本なので他にも世界金融危機から得た経験や知識も書かれています。ちなみにベアースターンズ、フレディマック、ファニーメイ、AIG、米国債のCDSなど懐かしい名前も登場します。
 本書の魅力を伝えるのは難しいですが、要するにディフェンシブ投資家のための投資哲学本だということです。内容はウォーレン・バフェットのお墨付き。
 本書のおかげで投資リスクの定義や考え方を見直すことができました。ディフェンシブ投資の考え方やリスクの考え方を見直したい人は本書を手にとって読むことをオススメします。


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