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◆個人情報を盗んでその場でECサイトで買い物をする窃盗が増えている

 ケータイショップ店員が客のスマホで買い物をしたり、中国人が他人のキャッシュレスアプリのアカウントで買い物をしたり、店員が客のクレジットカード情報を盗んでゲームアプリに課金したり・・・。

 信用を無視したこういう盗みは、バレていないと思っているうちは延々と繰り返してしまうものなんだろうね。

 ケータイアプリは二段階認証設定してないと簡単に購入操作できてしまう。でも、最近は、購入操作をすると同期しているメールアドレスに、購入履歴のメールが届くようになっているため、異変にはすぐに気付けるようになっている。

 ところが、クレジットカードはそうはいかない。請求書が届くまではなかなか気付けない。

 どんなにセキュリティーが強化されていても、個人情報を預かる側の店の店員がそういうことをするようだとその情報は確実に拡散されるわけで、そういう悪さをした従業員が務めていた店の信用は失墜する。

 逮捕されて有罪判決を受けて終わりではなくて、民事のほうで間違いなく店の運営会社から別途損害賠償請求で提訴される。

 なんだろうね・・・事の重大さがわかってないんだろうか・・・。悪いことだとはわかっていても、本質的な意味では理解していないように見える。

 ワーキングプアが問題視されている今の日本経済では、これからも類似事件は起こるかもしれない。今もなお公職系の事件が取りざたされてもいる。

 欲望が多いということは決して良いことではない。求めさえしなければ魔が差すこともないだろうに、1回目うまくいってしまうと次もやってしまうのかもしれないけど、結果を想像できないというのはそれだけでも社会的に害悪なのだということがよくわかる。

 では、なぜ想像力に乏しい人たちが個人情報を扱うような社会になってしまったのかということは考えなくてはならない。“悪さをした人が罰を受けるのは当然だ”というのが社会通念として認識されているのは確かだけれども、想像力が乏しいまま社会に送り出した者たちは何のお咎めもないというのが現代社会。

 何十年も暗記学習に固執した教育現場の責任は重い。これを家庭内の教育に責任転嫁するのも正しいとは言えない。

 世の中に多く輩出されたアニメ・漫画・映画・ドラマ・小説などのあらゆる作品は、良い影響を与えるものもあれば悪い影響を与えるものもある。教育現場に著しく欠けている学習の一つに「影響への向き合い方」があると私は思う。

 人を殴ったら痛い、暴言を吐いたら傷付く、人のものを盗んだらどうなるか、ということくらいは小さい子供でも理解できるかもしれないけれども、子供と言うのは残酷で、それほど悪意なく面白おかしくてやっているケースも少なくない。

 これが大人になると、社会生活をしていかなくてはならない状況下で法に触れる行為をするとどうなるのか、ということまでは学習機会がない。中には、アニメや漫画などで見たことをマネする子供たちもいる。

 また最近“失神チャレンジ”が問題視されているけれども、そう言えば昔、兄も小学校高学年の頃にやってたなと思い出した。実際に命を落としてしまっているケースもある。死ぬかもしれないとわかっていてもやるんだろうか。それとも、死にはしないとでも高を括っているのだろうか。

 子供たちのそういう危険な遊びを、全て抑止・予防することなど本来は不可能かもしれない。子供は危ないマネをしたがるもの。でもそれは、想像が及ばないからであって、想像するに足る学習が不足しているからにほかならない。

 現実的な話をすると、昨今増加傾向にある特殊詐欺事件に関して言うと、詐欺グループの手口や対策なんかを報道番組で事細かに説明しているけれども、それがそもそも詐欺の巧妙化を助長してるんじゃないのかってこと。みんなで学習してどうするの??なんで詐欺グループは観ていない前提で詐欺への対策方法を真面目に説明してるの??

 ハッカー集団とネットポリスもイタチごっこだけれども、「こうしてこうしてこうすれば詐欺は未然に防げます!」ってテレビ番組で説明しているのを見ると、残念な気持ちになる。今じゃネットニュースでもそういう意味の対策法を事細かに説明している記事もあったりする。

 詐欺そのものを社会全体で容認しているかのような状態になっていることにどれだけの人たちが気付いているんだろうね?これはもうね、表現の自由とか言論の自由とは別の次元の問題として考えたほうがいいと思うんだよね。

 相手がどうやって防ぐかを知っていれば、その網をかいくぐることを考えるでしょうよ。その点で言うと、今のメディアには心底呆れてしまう。番組に専門家を呼んで饒舌に語らせれば防げるのではなく、犯罪を巧妙化させるだけなのに、番組らしさを重んじているのか、今まで通りの旧態依然に固執しているのか知らないけど、詐欺を根絶することは当分不可能だろうなと思いながら見ている。

 詐欺グループは失敗を重ねてもなお搾取している金額を年々積み上げている。詐欺グループに学習させてどうすんの?YouTubeとかでもそうだよね。架空請求業者とバトってみた、みたいな動画も、詐欺グループからしてみれば良い学習教材になってしまっている。地上波の番組でもやってるよね、同じことを。

 すごく言い方は悪いけど、バカがメディアや動画で発信することで悪人に学習させることになっている・・・と言いたいけれども、実際は“専門家”が同じことをしている。犯罪に詳しいってことは、それに関する知識は本来犯罪グループには知られないようにすべきなのに、専門家もギャラには勝てないってことなのかもしれないね。

 想像力に欠けているのは、社会全体だと思う。言い方を換えれば、悪人たちに丁寧に学習させてくれる心の広い社会とも言える。高齢者向けの報道番組は、現代社会における犯罪予防の弊害になっている。防ぎ方を地上波で報じても何の意味もない。そのことをよく理解した上で番組を構成したほうがいいんでないかね?誰も言わないよね、こういうこと。

 知識や資格が必ずしも社会を良くするわけではない。悪用しようと思えばなんだって悪用するのも人間だ。資格を持つ人間が犯罪に手を染めるケースがどれほどあるかを考えれば、各資格ごとに起こり得る(または)起きてきた犯罪とその後の社会的影響についても想像力が働くくらいの学習がなかったら意味ないよね。

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