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上司に退職したいと伝えた

前の記事の続きにあたる。

退職したい旨を上司に告げるのには勇気が必要だった。
プロジェクトは絶賛大炎上中だ。
この状況で辞めるのは本当に申し訳なかった。

また、プロジェクト内では一番の若手である私を、期待の新人として優秀な先輩や上司たちは熱心に指導してくれた。
そんなこともあり、退職したいと申し出るのは心苦しかった。
しかし、決めたことだ。

昼休み、上司にこっそりと「お話があります」と声をかけた。
普段そのようなことを言わないので、上司はすぐに何かを察し、別室に移動した。

「実は会社を辞めたいと思っています。」とストレートに伝えた。
大炎上中プロジェクトで次々と人が倒れていく状況だったため、上司は「辛くなったか?しばらく休暇にするか?」と心配してくれた。
正直仕事は辛かったが、それが理由ではなく起業したいということ、昔から起業を考えていたこと、友人と一緒にこれから準備を進めることを話した。

上司は、「大手企業は一度辞めたら戻ることはできない。本当に大丈夫か?」「起業はリスクがあるが大丈夫か?」「準備はどれくらい進んでいるか?」など、大炎上中プロジェクトの件には触れず、私のことを終始心配してくれた。

私はありのままを話し、上司は納得してくれた様子だった。
ネガティブな理由で退職の場合、更に上の上司への説得や退職手続きが大変らしかったが、ポジティブな退職理由にあたるため、スムーズに手続きすることになった。

手続きはスムーズでも、プロジェクトはスムーズに終えることはできない。
法律上2週間で退職可能だが、その後4ヶ月は勤務することになった。

ちなみに、後で分かったのだが、伝えた上司以外は私が退職することを知らないと思っていたが、主任やマネージャー等は伝えた直後から知っていたらしい。
知っていて、しばらくはその素振りを出さずに私と接してくれていた。

退職することが決まってからの4ヶ月は途方もなく長く感じた。
しかし、仕事を一段落させる必要もあり、他のメンバーに引き継ぎ作業もする必要がある。
退職することが決まっているにも関わらず、新しい仕事もどんどん降ってくる。

結局、退職日当日の20時頃までみっちりと働き、普通は退職日以前に行うはずの手続き(書類上の手続きや使用していたデスクの整理、PCの初期化返却等)は一切せずに、例外的に管理課の人に丸投げすることになった。
退職するとは思えないほど、ギリギリまで仕様設計、コーディング、評価を行っていた。

結局、有給休暇は3年間で一度も消費することなく退職してしまった。

最終日、プロジェクトメンバーや同期、後輩たちが挨拶程度だが小さな会を開いてくれた。
職場では同期以外とほとんど話すことがなかったので、いつの間に準備をしてくれていたのかと感動した。

いつだったか入社したばかりの頃、同期たちとお昼ごはんを食べながら、「オレはいつか起業したい」と冗談まじりに話したことがあった。
その時は同期たちも、大手企業に入社した直後ということと現実味のない話だったことから「いやいやー」程度の反応だった。
しかし、退職日には皆「起業頑張れよ」と声をかけてくれた。今でも応援してくれている。本当にありがたい。

実は退職日1ヶ月ほど前から、寝る間を惜しんで起業の準備を始めだしていたのだが、それはまた別の記事で。

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