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LITTLE GODZILLA_女性が輝く社会と男性の家事は表裏一体

“政府は2015年に〈全ての女性が輝く社会づくり本部〉の会議を開催。「女性活躍加速のための重点方針2015」を決定。(妊娠出産に絡む女性への嫌がらせマタニティハラスメント防止のための法整備に取り組むことが柱)内閣官房は「女性が暮らしやすくなる空間へと転換する象徴」として公共トイレの改善掲げたり、女性応援会議の公式ブログで「毎日キャラ弁を作るお母さん」を紹介したりした。当然政府に批判が殺到。”

2019年の「女性活躍加速のための重点方針」では[男性の暮らし方・意識の変革]として
・イクメン企業アワードの開催
・おとう飯はじめようキャンペーン
を実施するんですって。
未だにイクメンを推進してその定義は曖昧…。これから事例を調べるらしい。
おとう飯…。世のお父さんたちは、まだご飯も作ったことがないのかな。で片付けは誰が?笑

今、働く女性にとっての問題

・総合職で働く女性たちの勤務が過酷(労働時間が長すぎるのに賃金が低い)
1日あたりの労働時間が、
日本人男性は375分。フランス人男性は173分。
日本の女性は178分。フランス人女性は116分。
男女を合わせた年間あたりの労働時間は、
日本人は1710時間。ドイツ人は1356時間。
圧倒的な労働時間の差が、世界と比べれば一目瞭然なのに、感覚的には未だにこの数字に大きな改善がない。そして、それが当然だと勘違いし、働いた分に対して比例して生産できていると思っている人が多すぎる。

・日本の労働生産性が低さ
[OECD]の2017年の国民1人あたりのGDPは、ドイツが4万3892ドル。日本が3万8202ドル。
ドイツのGDPは、日本よりも14.9%多い。残念ながらドイツが凄いねーという話ではなく、日本人は毎年ドイツ人よりも354時間長く働いているのに、国民1人あたりのGDPは、ドイツよりも約13%少ないということ。
そして、OECDが発表している国民1人あたりのGDPでは、日本はOECDの平均よりも低い。
さらにドイツの2017年の労働生産性は69.7ドルで、日本(46.9ドル)に比べて48.6%も高い。
つまり、ドイツ人は日本人よりも短く働いて、日本人の1.5倍の価値を生んでいると言える。日本の労働生産性もOECD平均よりも低くなっている。

・家事、育児参加率の低さ
前回のnote(#03)でも述べたように、男性の育休取得率以前に家事・育児の参加率が低いことが起因となり育児休暇を取得しても家事・育児を熟せない父親が露呈している。

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もう女性に働いてもらわないと

今の日本での政策が[働きたい女性にとって]のより良い社会づくりを掲げている時点で本質とズレている。働きたい女性を働かせてあげようじゃないか!という幻想は男性のプライド誇示であって、本質は、女性が活躍して働いてもらわないと日本人の1人あたりの生産力も国のGDPも上がらないということ。
もう既に活躍の場がないにも関わらず、ポジションにしがみつく男性が多すぎるということ。それを許してしまっている寛大で自己責任感100%の女性も多すぎるというところが問題。(だから、短時間でも高報酬を優秀な女性に与えていくことはとても大切。)
子育てや家事を自分ごととして捉えていない男性と、自分ごととしてしか捉えられない女性の親和性が未だに強すぎて、家の内と外の2極的役割分担生活が終わらない。

ママは、子どもに2日会えないと罪悪感を感じる(本当は感じなくて良いんです)。それは、全く罪悪感を感じないパパがいることで「育児は私がしっかりしなくては」となっているからだとと思います。男性の育児参加率が高くなれば、ママの育児共同作業感が育まれて、2日間子どもの顔見なくてもポジティブでいられるはず。
だから、男性は、まず、今の労働時間を減らし、でも生産性を保ち、家事・育児の参加率を上げていくこと。それができないのであれば、一旦、家事と育児の比率を仕事よりもさらに上げること。すると女性側の生産力を試す機会がつくれるので、結果的に経済的に豊かになる可能性もあるということを理解することが大切なのかもしれません。

家事・育児をしなくても良い(許される)男性がいるとすれば、労働時間と生産率が比例的に向上するほどの能力の持ち主だけ。経済的な苦しみが女性(非賃金労働者側)に少ないこと。女性の家事・育児だけでなく心理的にもサポートするサービスや人がいつでも利用できる場合のみ、その男性は仕事だけをしていれば良いかもしれません。それでもパートナーの了承は必須。

そして、最後に(いや最初に)、これらの活動を雇用側が全て快く快諾して、出世とは無関係とすること。無関係としない会社や家事・育児を抑制するような文化やルールを強制する企業に厳しめのペナルティが課せられる社会制度が作られることこそが、女性の活躍を加速させるために重点的に考えることだと思います。

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参考:女性活躍加速のための重点方針
参考:OECD
参考:社会という荒野を生きる 宮台真司

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