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面識のないサークルの売り子をするのが好きな話

ぱっと聞いて、落とし込める人は多くないと思う。もしこれを見てうんうんと頷いた人がいたら、どうか勇気を出して名乗り出てほしい。
今すぐ切符を買って握手をしに行く用意をする!

『面識のないサークルの売り子をするのが好きな話』
記念すべきnote初投稿はこの題材で書こうと思う。

※この記事は敢えて、「だ・である調」で執筆することにする

noteで使う罫線

即売会が好きだ

コミックマーケットが好きだ。広義的に言うと、即売会が好きだ。
本年、2020年は惜しくも夏・冬共に開催が見送られた。

会場の雰囲気、いったいどこから!というような多種多様な人、人、人。
人類大移動ではないか、我々は先祖返りをしたのではないかと錯覚するほどの壁サークルの列と交通整理のスタッフ。

毎回同じ思いを持ちつつも、毎回違う体験ができる即売会とは、なんて楽しいのだろう。開場時の拍手の瞬間が最も心地いいとすら感じてしまう。
「家に帰るまでが遠足」と最初に提唱した教師には畏敬の念を覚える。
そのような感情を抱きながら、かれこれ10年強、海浜幕張・・・国際展示場へ毎年向かっている。

狭い個室を出た先にあるもの

一般参加、サークル参加、コスプレ参加に企業参加と色々な経験があるのだけれど、どれも面白い。次はどうやって参加しようか・・・と考えたときにふと浮かんできたことがあった。

同じジャンルの島にしか立ち寄っていない――

そうだ。いつも同じ / 似た ジャンルのサークルにしか行っていない。
これで「即売会が好きだ」と公言できるのであろうか。

個室と固執。
個室は私の狭い頭の中(同ジャンル)であり、同ジャンルに固執していたのもまた私だ。

「よし、知らないサークルで売り子をしてみよう!」

そう思ったのは2016年くらいの頃。そこからの行動は早かった。
個人サークルで売り子が不足している事は長年の参加からわかっていたし、その募集がどこで行われているかも知っていた。

どこで、どのように、どうやって、という説明を記すつもりはない。
利害関係の一致については後述するけれど、指南書(攻略本)になってはつまらないではないか。
また、この行為は『登場人物が善人』という前提のもとに成り立っている。
人の行動には責任がつきまとうものであるから、他人のそれを私が負いたくないという自己防衛でもある。

そうして私は部屋のドアを開け、一人船を走らせたのだった。

行動原理が可視化される場所=マーケティングの宝庫

どんなサークルで売り子をしたか、という限定的な話はまた別の機会に書こうと思う。

結論を先に言うと、めちゃくちゃ楽しかった・・・
・・・だけではなく、マーケティングが趣味で学べる最高の機会だった。めちゃくちゃに楽しかった話は今後の大作に期待してほしい。

1. 無知が未知になった瞬間
井の中の蛙大海を知らず、とはこの事かもしれない。狭い個室を出た先には『雑多』という大海原が広がっていたのだから。
たとえば、段ボール製ミニチュア建造物キットの頒布・それを人が作る意味を綴った同人本、ペットボトルの歴史、エトセトラエトセトラ。
自分の頭の中だけでは到底辿り着くことができない世界がそこにはあった。

2. 頒布にいたった心情とは
それを作者から直接聞けるなんて贅沢の極みであり、オタク冥利に尽きる。
「ただ出したかった」という素朴な思想の人もいれば、「考えを共有し同意を得たい・自分の作った作品はお金を払う価値がある物なのだ」という承認欲求的な快感を求める人もいる。
このような、人間のちょっと薄暗くいやらしい部分を垣間見ることもできた。他人の思考回路に興味がありつつもATフィールド(適度な距離)を展開する私としては、知らないサークル(=お互い必要以上に干渉しない関係)であるという事はまたとない好条件なのだ。

3. 人の流れと行動原理
売り子は座るのか立つのか。
これだけでも『ABテストであり、マーケティングを実践している』のだ。しかも肌で感じられるとあらば、最高の環境でしかない。頒布する物の配置から金銭の授受まで、体験するもの全てがマーケティングに繋がると言っても過言ではないだろう。

4. 制約と誓約
登場人物が全員善人』という大前提だけは何度でもうるさいほどに書く。
お互いがお互いを深く知らない仲、ましてや会場で「初めまして!」なんてことは、誓約のもとに成り立っているとしか言えない。そして、制約を設けることでお互いに安心を得ているのだ。

『制約(ルール)を決めて、それを心に誓うんだ。「遵守する」と』
(引用 :  『HUNTER×HUNTER』第9巻、83話 集英社 2000年.)

若干意味は異なるし、これにより私の念が高まるわけでもないのだけれど。

日雇いアルバイト・・・とは少し違う。
幾ばくかの賃金を得るためだけに行くのではないのだから。サークル主と私との間で賃金以外の利害関係が一致した結果なのだ。
私は時間的な拘束を差し出し、賃金であったり他の何かであったり、生身でマーケティングを感じるというエクスペリエンスを得る。
売り子をしたサークルが初完売に至った話は超大作として取っておく。

人間の行動原理、行動経済学とはなんて面白いのだろうか!
もし私が会社を立ち上げるとしたら、新人研修として即売会に参加することを義務付けると思う。完売したらボーナスを支給してもいい。

まとめ

『noteに書きたい内容』という備忘録的メモをFacebookで投稿したことがあるのだけれど、この題材は様々な人から反応があった。
『面識のないサークルの売り子をするのが好き』という、一見すると「わけがわからないよ」的行為には、私なりの色々な考えが詰まっている事が伝わっていたら幸いだ。

詳しい体験内容は、また別の記事で綴る予定なので楽しみにしてほしい。

これからのこと

note初投稿なのに、まったく自己紹介をしていない事に気が付いた。
が、「しままゆとはこういう人物である!」と自ら押し付けたペラ一枚だけで己を知ってもらおうなどという行為はおこがましく、妙味に乏しい。
べたな言葉だが、少しずつ私のことを読み解いてもらえれば良いと思う。

ダニエル・カーネマン
『ファスト&スロー ~あなたの意思はどのように決まるか?』
訳 : 村井章子、早川書房 2014年.

現在、上に記した本を読み進めているからかもしれない。しままゆとは不定形な物で、このブログを読んでいる人の数だけ解釈があっても面白い。

このnoteは私、しままゆの個人的側面でもあり広報的側面でもある。「会社の名を背負った身としてその発言はどうなんだ」という石を投げつけられるかもしれない。

それでも私は自分語りをやめるつもりは毛ほどもない。オタクだもの。

何か問題があった場合は、『もめたらコインで』という旅団ルールの採用をお願いしようと思う。

ではまた次回!

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※くどいようですが、『登場人物が全員善人』という大前提で成り立っている上に、しっかりと事前準備を行っています。
会う人は他人です。礼儀礼節はもちろんのこと、どんな人かもわかりません。自己防衛は各自でしてくださいね。

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