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母のファンデーションと娘の誕生日 30年の時を超えて

stand fmパーソナリティー×Kindle出版サポートのサクラです。

今日は私にとって特別な日です。

私の娘の誕生日、彼女は今日で30歳になります。

思い出すのは、娘が生まれた日のこと。

あの日は雨が降っていました。

娘は今も「雨女」で、大事な日に雨が降ることが多いようです。

娘を産むために里帰り出産を選び、長野県松本市にいました。

6月26日、近くの信州大学病院で娘を出産しました。

出産当夜は静かでしたが、その翌日の夜は、救急車のサイレンが絶え間なく響いていました。

大きな病院はこんなにも忙しいのかと感じつつも、何か不穏な雰囲気が漂っていました。

その時、徐々に事態の深刻さが伝わってきました。

そう、松本サリン事件が起こっていたのです。

テレビも新聞も見ない状況でしたが、鳴り止まないサイレンの音は今でも記憶に残っています。

長男を産んだ病院は、事件現場のすぐ近くにありました。もし今回もその病院で出産していたらどうなっていただろう、風向きが少し違えばどうなっていただろうと、恐怖を感じたことを思い出します。

あの夜中、陣痛が始まりました。

2人目は早いと聞いていましたが、陣痛の間隔を測り、病院に電話をしました。

私は、そういう時は割と冷静です。

両親を起こしに行くと、父は飛び起き、母は慌てて顔にファンデーションを塗り始めました。

あの時の光景が今でも目に浮かぶようです。

そして、父の運転する車で病院に向かいました。

一人ではないという安心感、家族の支えがどれほど心強かったかを改めて感じます。

そんな娘も、数か月後には母になります。

30年前、私が感じた命の誕生の瞬間を、今度は娘が迎えるのです。

その時は私が慌てて顔にファンデーションを塗るかもしれないなと想像しておかしくなりました。

時の流れの中、命が紡がれていくことの尊さを感じずにはいられません。

今日もお聴きくださり有難うございました。

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