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デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える

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変わりゆく「デザイン」の力。その変遷をWeb30年の歴史から振り返る。【まとめ読み】

デジタルデザインに関わって20数年が経ちました。 FOURDIGIT(フォーデジット)で代表をしています、田口です。 2年目のFOURDIGITにアルバイトで入社し、しばらくはWebデザイナーをやっていました。組織が大きくなるにつれてチームマネジメントをやり、自社プロダクトを作り、子会社化して代表をやり…なんだかんだあって2018年、FOURDIGITの共同代表になりました。 現在は経営・マネジメントを中心に、たまにプロジェクトに入っています。いちアルバイトから代表になる

組織は「デザイン」の広がりに対応できるか? 【Web30年史】2021

「デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える」。今回は2021年の出来事を中心に振り返ります。 引き続きのコロナ禍。リモートワークを一部または全社で取り入れる会社も増加していきました。リモートオフィスやオンライン会議ツールなどが当たり前になり、地方在住者の就労、対面営業の減少、コミュニケーションロスやメンタル不調者の増加など、メリット・デメリット両面で様々な影響が出てきました。 コロナ禍によるデジタルサービスの成長は、急速なデジタル人材需要を生み出し続けており、特に

30年のまとめ。そして、未来へ。【Web30年史】エピローグ

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は最終回のエピローグです。 今までのnoteの中であった出来事を振り返り、得られた気づきをまとめていきたいと思います。 振り返ってみて30年の歴史と20年のFOURDIGITを振り返ってみて、結構変わったなぁ、という感じ。まぁ、当たり前ですよね。 30年を切り取ると、 例えば日本の1930年と1960年では、全ての価値観が変わるレベルで違うわけだから、そりゃあ1990年から2020年だって大きく違います。 まさに

ショックの後には光があると、歴史は教えてくれている。【Web30年史】2020

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は2020年の出来事を中心に振り返ります。 オリンピックがあったはずの2020年のはじまり、コロナの到来、緊急事態宣言、自粛などによる生活の変化・価値感の変化・日本の対応・Go To・第三波。いろいろな大きな出来事によって考えさせられることが多くありました。 そして、誰も分からない未来のことですが、今までの歴史を見れば、ショックの後には光があることも事実です。 時事ニュースばかりになってしまうので、まずは顕著になって

ところで、デジタルによって世界は良くなってるんだっけ?【Web30年史】2018-19

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は2018年〜2019年ごろの出来事を中心に振り返ります。 欧米を中心に巻き起こるコンサルVSエージェンシーの争い。マーケティングプラットフォーマーの戦いも激化。アーキテクチャが重要になり、実装技術と実行力も必要になっていきます。 人々の生活はじわじわと変容していきます。インスタ映え・パラレルワールド的な考え方が徐々に進行していく中、プライバシー問題、GDPRが施行されます。「Make the world a bett

デザインは、より包括的な時代へ。【Web30年史】2016-17

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は2016年〜2017年ごろの出来事を中心に振り返ります。 ジョン・マエダのDesign In Tech Report も2015-2016-2017で少しずつ変化していきます。時代は、包括的デザインへと移り変わっていると言っています。 ツール群の盛り上がりによって、アドテク、マーケティングツール。単機能ツールとプラットフォームツールの争いも勃発します。 表現の手法は、デザインシステムやアトミックデザインといった手法

要するに、デザインはビジネスに不可欠!ってことです。【Web30年史】2015-16

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は2015年〜2016年ごろの出来事を中心に振り返ります。 デジタル広告は当たり前に。広告ではない領域も大きく成長し始め、Digital Transformation(DX)といった言葉や〇〇Tech という活動も大きくなり、デジタルデザインの場はどんどん広がっていきます。AIも活発になり、オンライン・オフラインの垣根がなくなり、自動運転などのセンサー技術がどんどん進化。デジタルデザインも品質と魅力の総合的なクオリティを

デザイン会社の買収劇。「デザイン」はどこへ向かう?【Web30年史】2014

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は2014年の出来事を中心に振り返ります。 この頃、欧米でデザイン会社が次々とコンサルティングファームや事業会社に買収されていきます。日本のデザイン会社もそれぞれの独自性が高まっていきます。Flashサイトはほとんどなくなり、Web標準+レスポンシブで構築される。フラットデザイン・パララックス・シングルページ・マイクロインタラクションなどのキーワードでデジタルコミュニケーションの領域が作られて行きます。 その頃FOUR

Web標準でフロントエンド戦国時代に突入。そしてGoogleも動き出す!【Web30年史】2012-13

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は2012-2013年の出来事を中心に振り返ります。 2012年頃から数年間はFlashからWeb標準技術へ、フロントエンド戦国時代の到来。ブラウザベースでの表現を追求するなどの動きが見られます。Webアプリケーションでは開発環境が整備され、スタートアップビジネスに弾みがついていきます。 マーケティング界隈ではSEOに大きなテコ入れ、アプリ界隈ではガチャ問題など。社会において、デジタルの接点や活動の比重が上がってきたこと

震災。ジョブズの死。一つの時代が終わりを告げた年でした。【Web30年史】2010-11

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は2010-2011年の出来事を中心に振り返ります。 2010年に発売されたiPad。ノートサイズの大きさでもタッチスクリーンが普及し始めます。そして、現在も続く流れであるフラットデザインの登場。そして、スタートアップブーム。日本でもスタートアップが多数出現し、エコシステムが急速に形成されていきます。こういった背景によって起こる人材獲得競争もデジタルデザイン業界や企業には影響を与えます。 そして、3・11、スティーブ・ジ

それって儲かるの?デジタルは、リッチからリターンへ。【Web30年史】2009

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は2009年の出来事を中心に振り返ります。 2008年の秋口から起こったリーマンショックの影響がこの年で大きくなっていきました。単純に経済環境が悪化しました、ということではなく、デジタル業界やWebの構造、役割自体に大きな変革をもたらしたと言えると思います。 さらに、この頃は技術的な変化も起こっていた時期です。いわゆるスタイリングやビジュアルのデザインに仕上げていく過程の中で、どういう技術変化が裏側にあったのかというのも

ついにアイツがやってきました。そう、リーマンショックです。【Web30年史】2008-09

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は2008-2009年の出来事を中心に振り返ります。 2008年ごろも変わらずFlashのインタラクティブコンテンツが賑わっていました。2004年ぐらいから始まったFlashコンテンツも、いくところまでいったなという感じもあり、画面の中だけでできることは限界に達しようとしていました。そして、とうとう2008年のリーマンショックの波が始まり、それが過ぎたあたりで、大きな二つの潮流に分かれていきます。 その頃FOURDIG

そしてiPhoneが登場。デジタルデザインは転換期へ。【Web30年史】2007

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は2007年の出来事を中心に振り返ります。 iPhoneの発売によって、技術的な潮目が変わったこともあるし、タッチデバイスを扱うことで、デザインのあり方にも大きく影響が出てきました。そして、アプリという新しいジャンルが出来上がったことで、デジタルに関わるプレイヤーもどんどん出てくる時代が始まりました。 その頃FOURDIGITは… iPhoneが出たことに対する意味もクリアに捉え切れていなかったように思います。その時は

UNIQLOCKが成功し、デジタルクリエイティブは加速していく。【Web30年史】2006-07

デジタルデザインの未来をWeb30年史から考える。今回は2006〜07年頃の出来事を中心に振り返ります。 2000年代前半から始まったFlashによるWebクリエイティブの盛り上がりが最高潮に達し、プロモーション・マーケティングにおいてもデジタルが新しい役割を担っていました。SEOやWeb広告も伴い、「デジタルマーケティング」という言葉が、華やかなクリエイティブの裏側で進行していきます。 その頃FOURDIGITは… 40人ぐらいの規模になって、小さい軍団から組織的なマネ