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「優れた陶芸家は、最初は何をつくりたいのか自分でもわからず、まず泥をこね、ろくろをまわし、次第に自分でつくりたい物がわかってくる」という仕事のスタイルにはクラフティングという名前がついている

やってるうちにみえてきた、という仕事のスタイルに関する話。

任天堂の宮本さんがピクミンを考えたときのエピソード。

宮本茂曰く、「蟻を見ていて思いついたのではなく、作っている物を整理していくうちにこれは蟻として作るのが一番良い」「蟻というのは子供の頃の経験なんですよね。今でも見ますからね。だからわかりやすく庭の蟻と答えるんですけど、別にうちの庭を取材しながら作ろうと思ったわけではないんです」(wikipedia「ピクミン」より)

「ろくろ回し的な仕事のやり方」には「クラフティング」という名前がついているらしい。

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チームをまとめる側の人が知っておくと良さそうな「戦略クラフティング」

詳しく知りたい人は、このpdfを買ってください!紹介文は以下。

多くの経営書が「戦略は計画される」という前提に立っている。これは「環境は大きく変化しない」という前提でもある。しかし現実には、戦略は修正されたり、書き換えられたりする。さらにミンツバーグは「戦略は計画されるだけではない」と指摘する。ある時は偶然に発見され、ある時は自然発生的に創発することがあるという。本稿では、1人の工芸家の創作プロセスを分析し、これを企業における戦略形成プロセスについての研究調査結果と比較する。(引用元:戦略クラフティング)

一番好きな部分を柴田なりにまとめて以下に書く。チームをまとめる側の人がやること。

1.ガイドラインを示し「ここから先は自分たちで考えてね」と任せる

ガイドラインとは何か?それは「ここから先は自分たちで考えてね」という何かだったら何でもいい。

2.メンバーが実行したものを見て、以下の3つの行動のどれかをする。
2-1.ガイドライン通りなのでそのままどうぞ
2-2.ガイドラインと異なるが、今後新しいことが起きそうなので、放置する。そして、何か良い感じになったら、その方針を「ガイドライン」に取り込み、メンバーに周知する。公式化する。
2-3.ガイドライン違反で、「雑草扱いで引っこ抜く」。行動をやめさせる

ポイントは、2-2。予定外の何かが起きたときに、放置しておいて、良い感じになったらチームの方針に取り込む。そうやって、ろくろみたいにクラフティングしていく。

ガイドラインの強弱の付け方とか雑草扱いなのか、まだ見ぬ何かが生まれる「新芽」なのか、そこの判断にアート的な面白さがあるんでしょうね。メンバーの状況とか得意不得意とか、すごいいろんな要素が含まれている。

働く個人として知っておくと良さそうな「ジョブ・クラフティング」

検索するといろいろ出てきますが、あんまりわかりやすいものがない。ここからpdfは買えます。今のところ、自分なりの解釈はこれぐらい。

・「ジョブ」と「ロール」の違いを認識することから
・「ジョブ」・・・単体で成立するもの。業務。
・「ロール」・・・チームの中の人間関係とセットで「自分はこういう役割だ」という認識がされるもの。
・ジョブは明確だが、ロールは曖昧、という人もいる。すると、やらされ仕事で、全体感はわからない。
・ロールが明確で、ジョブは曖昧だと、自分で何するか考えられる人もいる。それも出来ない人もいる。「好きにやって」というときに、ロールも自分で考えろ、となるとかなり大変。
・部署異動して、ジョブが変わっても「ロール」は変わらない人とかいる。
・ロールをあーだこーだ話しながらチーム内で決めていく、それがジョブクラフティングということ、という理解

とりあえずろくろまわしたことないから、まわしてみるかなー。

神谷さんからは「ろくろの例えは、個人でやることのように誤解されがちだが、実際には複数人の人間関係の中でやるということが大事かな」というコメントをもらった。なるほど。

あと、自分のいま働く会社でのロールってなんなのかなと考えたら、会社全体でクラフティングを促進する役割なんだろうなと考えた。ある程度つくりたいものが決まったら、またロールを変えよう。

追記:いい説明のブログがあったぞ!


誰かが書いてたけど、サポートしてもらったらそのお金をだれか別の人のサポートに回すと書いていて、それいいなとおもったのでやります!