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2021年の退職届

柴田(@4bata)です。今日は新人研修で退職届を書いてもらいました。書いてもらっている間暇だったので、2021年バージョンの私の退職届も書いてみました。2020年と2021年での差が、自分の変化ですね。(2020年の退職届も後ろにのせておきました。)

柴田の2021年の退職届

わたくし、柴田史郎は、2024年 3月 31日をもって、カヤックを卒業します。15年ぐらい働きました。

平均在籍年数が5年ぐらいのカヤックにおいて、長く働いているだけで老害ともいえます。そりゃ働き続ければある程度やることはあるでしょうが、それでもいなくなったほうがその仕事をもっと別の人が実行したりして、よい機会となるので、とりあえず抜ければいいのです。

カヤックで学んだこと、それは、ちゃんと考えすぎないということです。言葉にしたり、企画書にしたりすると、ちゃんといい感じの説明ができます。しかし、実際にはそんなことはありません。もうちょっと適当な感じで決まることもあります。言葉にすることで、「本当は適当だったことが、ちゃんとしたこと」に変わることがあります。これはいいことなのでしょうか。いいことです。ここ3年ぐらい、ちゃんとする仕事をしてきたので、それはそれでスキルとしてはどこかで働けるぐらいになったのでよかったのです。

でもまあ、適当に決めたりする感じの働き方もあるわけですから、今後はきちんと決めてそうなことを、適当な感じに変換する、つまり今までと逆のことをやっていきたいと思います。意味のあることを意味のないことに変換できる仕事がどこかにあるでしょうか?それを探してください。誰かお願いします。

そういえば昔、ウズベキスタン語の翻訳をする必要がでてきたことがありました。適当に検索したら、日本語を勉強中のウズベキスタンのひとが翻訳してくれるサイトを見つけることができ、連絡をとり、やってもらうことになりました。その人は、「すみません、停電で翻訳が遅くなりました」と、少しタイミングが遅れましたが、翻訳を送ってくれました。お金はどう振り込めばいいですか?と聞いたら「勉強中なので必要ありません」という返事でした。それはいったいどういうことなのでしょう。というか払えば良かった。なぜ払わなかったのがよくわからない。まだgoogle翻訳とかなかったはずです。過去1年以外のメールは全部消してしまったので、もうこの話が本当なのかウソなのかすら思い出せません。でも多分本当です。こんなウソは意味がないからつけません。その人に連絡する方法はあるのでしょうか。

カヤックで覚えていることは大抵こういうどうでもいいことで、意味のないことのほうが覚えています。空腹は最大の調味料とはよくいったものです。意味のある仕事は、こういった意味のないことを活かすためにあるのかもしれません。塩を振りかけると甘くなるスイカのように、意味のないことを楽しむためには意味のあることを前振りでやっておかないと、楽しめないということかもしれません。


2020年の退職届

わたくし、柴田史郎は、2022年 3月 31日をもって、カヤックを卒業します。11年ぐらい働いた。新入社員として入社したとき、面白法人なんだから、なんか面白いことやればいいのかな、という気軽な気持ちで入社を決めていました。人事のことを学び、その後人事の考え方を活用しつつ「経営理念を反映した管理会計の仕組み」をつくれたのはよかったです。「理念を反映した人事制度」と、「理念を反映した管理会計」だと、後者のほうが会社に与えるインパクトはでかいはず。儲からないと、会社は継続しない。なぜ人は測定されると行動を変えるのか。

入社後、最も印象に残っている仕事は、何かあったと思いますが、もう忘れてしまいました。いつも目の前の仕事が大変だった気がしますが、終わるとすぐに忘れてしまうので、記憶がありません。ちなみに、私は嫌いな食べ物はありません。しかし、嫌いな食べ物がないというのが面倒くさい場合は、らっきょうが嫌いと言います。そういうことにしておいたほうが、話が早い場合もあるのです。

よって、一番大変だった仕事も、以前の自分だったら、適当なエピソードを説明してごまかしていたでしょうが、カヤックで働くことで「思ったことをそのまま言えばいい」ということを学びました。でも書きながら思い出しましたが、月に1回ぐらいは、「長くこの会社にいることは良いことなのか?」と考えていた気がします。自分が長く働くことによるメリット・デメリット、両方あります。長く働くメリットはわかりやすいから説明しません。もちろん役立たなくなったらそりゃ辞めた方が良い。でも、役立っていても辞めた方がより良い場合があります。「役立つ」というのは、報酬以上の働きをしていたり、周囲から「まだこの人は働き続けてもいいと思われている状態」のことです。仮にその状態であっても、自分が辞めることで、他の人が新しい仕事ができる機会が増えます。それによるプラスの効果は本当に計りしれない。私も前の人事部長が辞めたことで、いろいろ新しい機会をもらったので。

面接で辞めたくなったときはありますか?と聞かれたときも、「月に1回ぐらいありますね」と答えています。別にそれでひいてしまうような人は、カヤックに来ない方がいいのです。ここから、「なんでもホントのことを話してくれるんだな」ということを感じ取る人が、カヤックに入社すべき人なのです。ありのままなのです。まあ深刻なトーンでは話してないから、嘘と思われているかもしれない。でも、嘘ではありません。

そういえば昨日起きた話を書きます。私がカヤックで学んだことを示すエピソードとして良い例として。最近一緒の人事系のプロジェクトをやることになった宮地くんと、カヤック社外人事部の神谷さんと、3人で会議をしていました。ちょっと時間が余ったので、宮地くんに「カヤックのこととか、聞きたいことあったら神谷さんに聞いてみてはどう?良い機会だし」と言いました。宮地君の質問は「神谷さんからみて柴田さんの優秀なところを教えてください。いろんな人が柴田さんが優秀だというのですが」という内容でした。神谷さんの答えは「自分の中に制約がない。こだわりが強くない。他の優秀な人はいろいろいるけど、一つの方向にベクトルが定まる。柴田さんはアマチュア感がある」という回答でした。

カヤックの面白さとは「多様性」と説明されることもあります。私がカヤックで学んだことも、「『なんだかよくわからない人』ぐらいが一番面白い」ということでした。一般的なことばで説明できないし、何をやっている人かわからないんだけど、話してみたらわかる。もしくは、その人が書いた文章を読めばわかる。領域関係なく手をだすから、専門家にはなれないけど、それでもなんとかするという感じ。こういう人は、会う度に何か新しい発見をしているから、互いに「気づき」をシェアするだけで面白い。カヤックは職種に関係なくいろいろな仕事を任せてもらえるし、その曖昧さは「管理したがる人」からすると気持ち悪いものです。でもそこは、最初に説明した「理念を反映した管理会計」によって、ある程度は維持できると考えています。


誰かが書いてたけど、サポートしてもらったらそのお金をだれか別の人のサポートに回すと書いていて、それいいなとおもったのでやります!