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管理部門の仕事の成果を、「管理」に相当する3つの英語で分類する。あなたの仕事の成果はどれですか。

元ネタ「マネジメントと管理はどこが違うか」というブログもよんでください。日本語の「管理」は英語だとManagement/Control/Administrationと3つあるらしい。間接部門、管理部門と呼ばれる仕事の成果の定義の参考にするという観点からまとめた。以下、私の解釈も追加してまとめたので、元ネタのブログと同じではありません。

「Management」の成果は、荒馬を乗りこなすイメージ。成果の原因を、仕組みより担当者の能力に求める。

ニュアンス
・I can manage.「何とかやり遂げるよ。」
・うまく行く保証のない、けっこう大変なこと
・対象に予期できない部分があり、暴れ馬を乗りこなすイメージ

Managementの方法
・現状を数値等取得できないが、何かしらの「仮説」に基づいて対応
・対応者の感覚が優れていれば早めに対応もできるし、臨機応変も可
(フィードフォワード制御、とエンジニアの世界ではいうらしい)

車で例える
・速度計やカーナビがない自動車を目視で運転して、いい感じの場所に行く能力をもったドライバー

期待される成果
・これをやれる人は限られており、リソースは他とシェアされることが多く、ベストエフォート(やれる限りやる)対応になることが多い
・もともと上手くいくのかわからないという前提で成果が期待される

成果の因果
・成果が出たときも、仕組みより担当者の能力に原因を求めやすい

「Control」の成果はなすべきことが計画で決まっており、達成する。成果の原因を仕組みに求めやすい。

ニュアンス
・I can control.はもっと精密さがある
・日本語で「制御」「統率」

Controlの方法
・なすべきことは計画で決まっていて、それをきちんと達成する。現実の状態を把握して、計画と実際に差があったらそれを正して行く
・望んでいる基準を設定し、それにあわせていく
・現状が「基準と比較できる数値等」で把握でき、それに対応
(フィードバック制御)

車で例える
・カーナビと速度計を見ながら自動車のアクセルブレーキを使って、速度を調整して目的地に向かう。「速度計が適切になるようにアクセルブレーキで車のスピードを調整」というような、ループになっているシステムがある。

期待される成果
・成果は基準値があるので、マネジメントよりはわかりやすい

成果の因果
・成果が出たとき、原因を人より仕組みに求めるだろう。成果が出ないときも仕組みの改善に対策を求めそう

「Administration」の成果は、環境の維持、最低限やるべきことをやる。成果の原因を「実行リソースの確保」に求める。

ニュアンス
・人に目標を示してリードしていくタイプの仕事ではない
・公僕というか、維持サービスに近い。

Administrationの方法
・達成すべき最低水準が決められているので、強制力をもって実行する

車で例える
・整備マニュアルに則り、自動車を整備する

期待される成果
・保証すべき最低限のラインが存在し、それが達成できているかどうか

成果の因果
・実行リソースを他と共有してしまうと、ここの優先度が下がり実行できなかったりする。因果も「実行リソースは確保できてるかどうか」になりそう。

3つの成果は補完関係にあるだろうから、F1(速い車のレース)で例えてみよう

Management:F1レーサー。すごい車を運転できるドライバーの能力。

Control:F1レーシングカーやチーム。いろんな計測機器でフィードバック制御できるシステム

Administration:レーシング場や、車の整備。ちゃんとやってないと、事故る。

全部そろっていい感じ、という例えです。

3つの成果から、管理部門の成果の定義について考えたいことを以下羅列していく

自分が3つのうちどれが得意か?、今の担当業務はどの成果のパターンか?という話は当然あるがそれは各自で考えればいいので、以下別のことを書く。

成果のパターン1:現状「Management」で荒馬を乗りこなすように対応している業務を、適正水準を設定し、フィードバック制御して、「Control」できるようにする

荒馬を乗りこなすような仕事のスタイルが好きな人が該当業務を担当している。別にもっと制御可能にしてもいいのに、それができないとか、そっちに価値を置かないということで、仕組みとして進化してないというパターンはありそう。

私も荒馬なんとかする系になってしまってるので、制御が得意な人に丸投げすることで対応しています。

成果のパターン2:「Control」されている制御システムが古くなっているので、いったんぶち壊して、荒馬と見なしてやりなおす

次は逆のパターン。いったん仕組み化されてつくった当時は最適化されてたけど、実は古くなってるパターン。しかし、仕組みをつくった人がいなくなり、いまそれを運用している人は、そもそも論から考えるべきとも想定してないし、それが得意じゃない、みたいなパターン。

成果のパターン3:「Administration」の業務品質を維持する実行リソースを確保するために、「Management」や「Control」だけが成果だと考えている人に説明する

人的資源だけで考えたら、「Management」や「Control」できる人のほうが絶対数が少なく貴重かもしれない。だからといって、「Administration」の業務品質を落とすとどこかでしっぺ返しがくる。ということを、説明して実行リソースを確保するという役割。

余談。いま働いている会社でもこのあたりの優先度に何か課題がありそうだなと考え、絶対苦手だとわかってたけど、プライバシーマークの更新業務を自分でやってみて考えることにした。プライバシーマークにおける品質保証は、「Administration」や「Control」の考え方だ。「Management」的な仕事をしてる人からすると、価値が理解されにくいことはわかった。別の世界の住人だ。でも、これからはどっちも説明できそうではある。

おまけ:管理部門の担当範囲って何→個別事業戦略以外の全部?

この3つの成果の定義は社内のどこにでも適用できるだろう。なので、本来は管理部門に特化した話ではない。だからおまけで管理部門の担当範囲の話を書いておこう。「担当範囲」×「3種の成果」で考えると良さそう。

個別事業戦略:以下の論点に自社なりの答えを探して実行する
1.誰を顧客とするか、顧客の分類をして、どこを主要顧客とするのか
2.その顧客にどんな価値を提供するのか
3.同じ価値を提供する可能性のある競合他社は誰か
4.競合他社に比べての優位性をどのように構築するのか
全社戦略がわかる より)

全社戦略は、複数事業を束ねる側の業務、ということが書いてある。それは本を読んでください。とてもわかりやすい本です。「個別事業戦略以外の全部」×「3つの成果」で考えると、管理部門っぽい何かを考えられそうです。会社によっていろいろ部署名とか分担は違いそうだけど。

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