斎藤健太

学生です。自分の感じたことをそのままに記していきます。

斎藤健太

学生です。自分の感じたことをそのままに記していきます。

最近の記事

無愛想の中に見えた親切(中国上海)

何はともあれ、無事にホテルにチェックインすることができた。 空港からバスで20分ほどの場所にそのホテルはあった。ホテルまでの道のりは、道路こそ整備されていたが、道路脇の建物は荒れ果てたものも多く、曇り空の天気も相まって荒涼とした印象を受けた。上海と言えば高層ビルが立ち並ぶ中国の大都市のイメージを持っていたが、中心部以外はそうでもないようだった。瓦礫の山を見て、本当にホテルは存在するのだろうかと心配になっていたが、その心配は無用だった。なかなか立派な建物で、フロントのスタッフ

    • 悪意のない斡旋(中国上海)

      機内持ち込み規格に収まるリュックサックひとつで旅に出た僕は、他の乗客より一足先に浦東国際空港のロビーへ出ることができた。 宿泊するホテルには、ホテルと空港を結ぶシャトルバスのサービスがあると聞いている。バスのロータリーを探すために空港ゲートから外に出ると、目の前がすでにタクシーやバスが行き交うロータリーだった。 「案外すぐに目的のバスが見つけられるのでは」 という淡い期待も束の間、シャトルバスの時刻表なんてものはもちろんなく、ホテルの案内人や看板も見つけることはできなか

      • 躊躇いのなさに基づく連携(中国上海)

        ロンドンに行くためには、上海の浦東国際空港でトランジットをする必要があった。加えて、乗り継ぎの便が上海に到着した翌日の離陸ということで、一度空港を出て、その晩は空港から少し離れたホテルに宿泊しなければならなかった。 無事にホテルまでたどり着けるだろうか。 そんな不安を抱きながら僕を日本から運んでくれた旅客機を降り、案内されるがまま、滑走路から空港の入り口ゲートを結ぶバスに乗り込むと、何やらキャビンアテンダントがバス車内の乗客に向けて大きな声で叫んでいた。 どうやら機内に

        • 旅立ち

          「もっと未知の世界を知りたい」 そんな漠然とした思いを子供の頃から抱いていた僕の背中を押してくれたのは一冊の本だった。 沢木耕太郎『深夜特急』 言わずと知れたバックパッカーのバイブルである。 思えば、これまでの自分の学生生活を振り返ったときに、「学生時代をこれのために費やしたんだ!」と胸を張って言えるものは無いように感じた。 それなりに単位をとり、アルバイトをし、稼いだ小銭で友人と遊ぶ。 そのような時間を過ごすのもとても楽しかった。まさに人生の夏休みを謳歌していた

        無愛想の中に見えた親切(中国上海)