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銀河フェニックス物語<出会い編> 第二十六話(1) 将軍家の鷹狩り

第一話のスタート版
第一話から連載をまとめたマガジン 
第二十五話「正しい出張帰りの過ごし方」

 あすの仕事は、星系外航行船グラードを購入して下さる取引先との契約。
「ティリーくん、明日は、フェルナンド君の船で行ってもらうことになった」
 と課長に言われた。

 フェルナンドさんの名前を聞くのは初めてだ。

 ベルが近づいてきた。
「ティリー、フェルナンドと行くんだって?」

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「フェルナンドさんって新しい人かしら」
「社長のボディーガードよ」
 驚いた。
「どうして社長のボディーガードが、わたしに?」 

「社長が長期休暇を取るんだって」
 ベルは社内の事情に詳しい。
「社長のボディーガードだなんて、緊張しちゃうわ」

 ベルが驚くことを口にした。
「大丈夫、フェルナンドはあたしの従兄弟だから、ティリーのこと頼んでおいたよ」
「ええええっ?」
「前に言ったでしょ、従兄弟がボディーガード協会のランク3Aで、社長の護衛してるって」

「社長って、うちの社長のことだったのね。ねえ、フェルナンドさんってどんな人?」
 不安になって聞く。
「仕事もできるし、フェル兄は誰にでも優しいから心配ないよ。それに、かっこいいし、わたしが代わってほしいぐらいだわ」

 フェルナンドさんから事前に打ち合わせをしたい、と連絡をもらった。

 レイターは出発前に打ち合わせなんてしない。フェニックス号に乗ってから話せばいいという態度。
 やっぱり、社長のボディーガードは違う。

 少し緊張する。警備担当控室に約束の時間よりより早く着いた。

 部屋の前まで来ると、嫌な予感がした。部屋の中から聞き慣れた声がする。
「てめぇ、何たくらんでいやがる」
 レイターの声だ。

 わたしが部屋にはいると、レイターが男性の胸ぐらをつかんでいた。

胸倉をつかむ@フェルナンド


「何してるの?! 止めなさいよ!」
 レイターがちッ、と舌打ちしながら手を離した。

「ティリー・マイルドさんですね。初めまして、フェルナンド・ネフィルです」

n42微笑カラー

 服を整えながらフェルナンドさんがあいさつをした。

 美形だ。 
 きりっとした目元がベルに似ている。

 髪の毛を一筋の乱れもなくピシッっと後ろで束ねている。整ったその姿はまさにボディーガード。

 だらけた格好のレイターとは大違いだ。

「レイターさん、言っておきますが、僕は会社の指示でこの仕事を担当することになったんですから」

 レイターが不機嫌そうな顔をしている。
「ったく、俺のティリーさんに手を出すんじゃねぇぞ」

n27見上げる4にらみつける逆

「レイター、その言い方止めてって言ったでしょ!」

 自分でもびっくりするほど大きな声を出してしまった。
「ふんっ!」
 レイターは怒りながら部屋から出ていった。

「ごめんなさい。レイターが失礼なことをして」
 わたしは頭を下げた。

n36@3スーツやや横口

「あなたが謝ることではありませんよ」
 フェルナンドさんが、にっこりと笑った。     (2)へ続く

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イラスト集のマガジン

ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」