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熊野古道・中辺路140kmを「テント」と「宿」で歩く【モデルプラン】

熊野古道に呼ばれた気がして、2023年2月に中辺路を歩いてきました。思い通りに運ばないのが旅の面白さとはいえ、ある程度は計画しておきたいですよね。ところが、「1日にどこまで歩けるのか」「どこでテントを張れるのか」といった情報が少なく難儀したので、「モデルプラン」は言い過ぎかも知れませんが、ここに旅の記録をまとめておきたいと思います。

大まかなコースとしては、紀伊田辺駅から出発し、本宮大社、那智大社、速玉大社と巡り、新宮駅から帰路につきます。私のペースは、山と高原地図のコースタイムよりやや速い程度。録音をしながら進んだりもしたので、割と余裕あるプランかと思います。なお、キャンプ禁止とされる場所でのキャンプや野宿を推奨するわけではありませんので、各自慎重にご判断ください。

地図の入手

山と渓谷社の『ちゃんと歩ける熊野古道 中辺路・伊勢路』を購入し、分割して持参しましたが……

かなり詳しい地図が下記リンクから入手できます。紀伊田辺駅前にある「田辺市観光センター」で紙の地図を入手できますので、それで十分かも知れません。

では、実際に歩いた旅程をご紹介します!

Day-1 紀伊田辺駅→水垢離キャンプ場

特急くろしおで、お昼前に紀伊田辺駅着。

田辺市観光センターで「押印帳」を購入。

近隣の飲食店でランチを済ませ、出発。

夕刻には、水垢離キャンプ場に到着。
(キャンプ場チェックイン前に、近くのスーパーVALUE HOUSE やコンビニで食糧を調達しておくと楽です。近隣の飲食店で夕食を楽しむのも良さそう)

水垢離キャンプ場

※早朝に紀伊田辺駅を出発できるのであれば、滝尻王子まで余裕でたどり着けると思います。

※秋津王子から大谷橋を過ぎて万呂王子に至る手前の河原に、テント泊できそうな場所がありました。トイレも水場もないので難易度はやや高め。

※八上王子付近に民泊「日ノ熊」あり。

Day-2 水垢離キャンプ場→滝尻王子

7時過ぎに、水垢離キャンプ場を出発。

道の駅ふるさとセンター大塔でランチのつもりが、食堂は営業しておらず……頼る場合は事前に確認なさってください。

ねむの木食堂でランチ(清姫茶屋にかわり、同じ場所で営業しています)。

14時頃には滝尻王子に到着、あんちゃん泊。ネコ好きにイチオシの宿です。

※一瀬王子の手前、立派なトイレあり。

一瀬王子手前のトイレ

※鮎川王子を過ぎ、のごし橋から少し進んだ先の河原、テント泊できそう。

※北群橋(赤い吊橋)の先、野宿できそう。

北群橋(赤い吊橋)
北群橋の先にある野宿できそうな場所
ねむの木食堂

※ねむの木食堂の先の河原、公衆トイレもありテント泊できそう。

ねむの木食堂の先にある公衆トイレ
公衆トイレからくだると河原にでられる

※タイミングがあえば「なかへち清姫太鼓」の練習を見学できるかも? 宿「あんちゃん」のご主人にお訊ねください。

「なかへち清姫太鼓」公民館で練習中のひとコマ


Day-3 滝尻王子→近露王子

7:30過ぎに滝尻王子を出発。

9:30頃、高原霧の里休憩所に到着(自販機あり、売店なし)。

13時手前、道の駅・熊野古道中辺路に到着。

15時手前、近露に到着。近露王子公園で野宿の予定でしたが翌朝の天候思わしくなく、「ゲストハウス あがえ」さんに転がり込みました。付近にはAコープ(営業時間に注意)もあり食糧調達に便利です。

Day-4 近露王子→三越峠

8時頃、近露王子を出発。

10:30頃、とがの木茶屋に到着(食事はありません)。

とがの木茶屋

【!】道標43あたりから迂回路を経て道標59の船玉神社あたりまで、ほぼ圏外に近かったです(docomo回線)。

14:30頃、三越峠の休憩所に到着。雨も続き先も長いので野宿を決行。休憩所 “内” にはキャンプ禁止の掲示あるが、建物のとなりには「どうぞテント泊してください」といった感じの広場がある……

三越峠休憩所
三越峠休憩所の中の様子


※道標43〜道標51 迂回路の途中、簡易トイレと水場(豊富)あり。キャンプ跡も見られた。

道標43〜道標51 迂回路の途中にある簡易トイレと水場

Day-5 三越峠→本宮大社→湯の峯温泉

7時頃、三越峠を出発。

9時過ぎ、発心門休憩所に到着。自販機あり。

発心門休憩所
発心門休憩所

10:30頃、伏拝王子を通過。

伏拝休憩所

11時頃、三軒茶屋跡を通過。

三軒茶屋跡の休憩所

12時頃、本宮大社着。付近でランチと食糧補給。

13:30頃、出発。大斎原を経て大日越ルートで湯の峯温泉へ。

15時頃、湯の峯温泉着。民宿わだま泊。

【!】宿にチェックインする前に「つぼ湯」のチケットを購入しておくことをオススメします。受け取った番号札の、ひとつ前の番号の方が入浴中には、近くの待合で待機していなければなりません。順番を逃すと最後にまわされてしまいます。

入浴できる世界遺産「つぼ湯」



※道標59付近、広場にトイレもあり、テント泊できそう。

道標59付近の広場とトイレ

※水呑王子付近、旅館の跡と思われる広場あり。トイレあり、水場なし。

水呑王子付近、旅館の跡?

Day-6 湯の峯温泉→川湯温泉→小雲取越→小口

8:30頃、湯の峯温泉を出発。当初は、大日越ルートで本宮まで戻り続きを歩く予定でしたが、川湯温泉経由でも通過点の要所である「請川」に出られることを知り、川湯温泉を目指しました(中辺路の一部区間を歩かないことになりますが、その区間には〇〇王子もなく、ほぼ舗装路歩きです)。

9:30頃、川湯温泉着。時間と水着があれば仙人風呂(12月~2月末限定)に挑戦するも良しですが、時間に余裕もないので、川沿いの露天風呂で足湯を堪能。湯の峯温泉でなく、川湯温泉の宿で一泊するのもいいですね。

川沿いの露天風呂(協力金を支払います)

10:30頃、請川のコンビニ(重要補給地点)に到着。

11時頃、小雲取越の登山口(道標54)に到着。付近に弁当屋とラーメン屋(行列ができていた)あり。調べると「とりそば下地橋」というお店。余裕があれば入ってみるもよし。

小雲取越の登山口(道標54)付近

13時前、百聞ぐらに到着。

百聞ぐら

16時頃、南方酒店で買い出し、小口自然の家に到着。南方酒店は、コンビニとホームセンターをコンパクトにまとめたような地域の貴重な商店。菓子類豊富、パン等は品薄の可能性あり。

小口自然の家(テント泊でしたが風呂も入れました)
小口自然の家のキャンプ場


Day-7 小口→大雲取越→那智大社 & 那智の滝

7時頃、小口自然の家を出発。

8時頃、円座石を通過。

【!】道標26-25間にある東屋、水道が出ない場合あり。

道標26-25間にある東屋の水道

11:30頃、地蔵茶屋跡(休憩所)。

地蔵茶屋休憩所
地蔵茶屋休憩所の内部

14時過ぎ、大雲取越を抜ける。


※道標2〜道標1の間にある「那智高原公園」は広大で、那智大社近辺で宿がとれなかった場合などの野宿に最適と思われる。

那智高原公園のトイレ
那智高原公園の東屋

15時頃、那智大社に到着。那智の滝(お滝拝所の入所可能時間は16時まで)を経由して、宿へ。

【!】この界隈の押印帳スタンプは、〇〇王子風でなく見過ごしがちなので注意。私は押し忘れ翌日回収しました^^

【!】那智大社、青岸渡寺、三重塔、那智の滝などを一通り巡るには、1時間〜1時間半は必要です。

Day-8 那智→速玉大社(新宮)

8時過ぎ、宿を出発。押し忘れたスタンプを回収し、約1時間のロス^^

9時頃、那智を出発。

11時頃、道の駅なち着。食事に関してはアテにしないほうが良いかも。農産物直売所で弁当を買い軽めのランチ。温泉もあるが営業時間に注意。

何かと情報量が多い道の駅なち

16:30頃、速玉大社着。歩いて新宮駅へ。

※那智大社から速玉大社を1日で歩きましたが、あまり余裕がありませんでした。お時間に余裕あれば、ぜひもう一泊!

Twitter(@1682430)にて、ハッシュタグ「#熊野古道・中辺路」で、あるきながら発信しました。ご興味あれば検索してみてください。

装備リスト

朝晩は0℃を下回ることもある時期。服装は、メリノウールの下着と靴下がベースにあり、上はオクタ素材の中間着と化繊のYシャツ。下は厚手の登山パンツ。行動中はほぼウインドシェルを羽織っていました。手袋は薄手、厚手、防水の三種。帽子は被りっぱなし、BUFF は重宝しました。就寝時には上下ダウンを着用。靴はアルトラのローンピーク 7 でした。

寝袋、SOLのヴィヴィ、ツェルト(テント兼ポンチョ)など。
マットやザック、トレッキングポール。
ジェットボイルや水筒、食糧の一部。野宿するなら浄水器の携行をおすすめ。
服装の一部、レインパンツ、ファーストエイドキット、ゴミ袋など。
モバイルバッテリーやヘッデン、ハクキンカイロなど。
一般向けではありませんが、録音セット。
パッキングするとこんな感じ。


おまけ



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