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既存と新規参入の差。

こんにちは。

既存の電力会社と新規参入では大きく差が、というところで前回終わりましたね。

そうなんです。小売だけが自由化されたということは、送配電と発電は今までと変わりません。これは前回もお伝えしましたね。ではどういう差が生まれるのか。

私が関東出身で一番馴染みのある東京電力を例にお話をさせていただきますが、東京電力が小売と送配電、発電全てをひとつの会社として扱っていくことは自由化前と変わりません。つまり、連携がかなり密に取れるということです。

契約手続きをした後すぐに電気が使える状態にできたりします。

では、新規参入会社はどうでしょうか。東京電力の小売担当ほどの連携は取れませんよね。そうすると、東京電力と新規会社どちらで契約するかによって通電時間に差が生まれてしまいます。

これは不公平ですよね。まあこれも東京電力を選ぶメリットのひとつという考えもありますが、国はこういった連携密度による差はメリットではなく不公平だというジャッジを下し、小売と送配電、発電全てを切り離すよう定めました。まあ今までずっと電気を扱ってきたという信用の面で充分差はありますしね。

これにより、東京電力は今までできていたことができなくなり、消費者としては不便になってしまいました。

小売会社が契約を受付ます。その情報を送配電事業者へ飛ばします。(「○月○日からここの住所で電気使い始めるよ」というような内容)その情報を受け取ってから送電作業に入ります。情報のやりとりの時間が入るのです。

自由化前、分社化前であれば東京電力は同じ会社なので情報のやりとりの時間がほぼありません。イメージですが、契約開始の手続きを電話でする場合、受付をしたオペレーターが契約開始の手続きを済ませたら電気が使えるようになります。電話切って数分後には使えちゃいます。

それができなくなりました。送配電事業者は「住所はどこだ、ここか」という確認の時間が必要となります。

余裕をもって事前に使用開始の手続きをすれば問題ないのですが、忙しくて忘れていたり、初めての引越しでなにをすればいいかわからなかったりしますよね。引越し当日、新居に来てみたら電気がつかず慌てて契約をし、すぐ電気がつかなくて困ってしまうかもしれません。

こればかりは仕方がないですね。「なんですぐ使えないんだよ!」と怒っても無理なものは無理です。他社との連携がすぐできるわけがありません。小売、送配電、発電、それぞれがメインとしての会社名は同じものを掲げていますが完全に別です。

東京電力の場合は「東京電力エナジーパートナー株式会社」「東京電力パワーグリッド株式会社」「東京電力フュエル&パワー株式会社」という3社になりました。

イトーヨーカドーで買ったものをセブンイレブンに返品はできませんよね。同じセブン&アイホールディングスでも無理ですよね。内容は全然違いますが(笑)イメージとしてはこういうことです。

今までできていたことができなくなる、それによってサービスの質が落ちるだなんて会社側は望んでやるはすがありません。あくまでも国指示に従ってのことです。怒らないであげてください。理由はどうあれ、余裕をもって手続きしなかったのが悪いです(笑)

詳しいところまで話すと、東京電力の分社化そのものは早い段階でされましたが、完全な分離は2020年にされました。電気が自由化されてから4年間、分社化はされていても新規の会社よりはやはり密な連携が取れていました。国から完全分離するまでの準備時間をもらえていたのです。ですが、もう今は完全に分離されているので新規会社と同じ連携しかとれません。平等。

でも使う側からするとやはり不便ですよね。いいんだか悪いんだか。

そんなこんなで!そろそろガスの話に移らないとですね!

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