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人生は夢だらけではなく矛盾だらけ

"すべての仕事は売春である"という言葉を皆さんはご存知でしょうか。ジャン=リュック・ゴダールの言葉です。岡崎京子さんの『pink』のあとがきに書かれていて知った言葉。

私はpinkが大好き。pinkのユミちゃんが大好き。天真爛漫で、欲に忠実な女の子。考えすぎちゃう私なんかとはまるで正反対だよなと思う。次も人間で尚且つ女の子に生まれ変われるなら、ユミちゃんみたいな女の子がいいな。

"オレ自身が面白くないんだもん。書きたいことなんか何もないくせに断片がカサカサ頭の中で音たててていざ書いてみるとひょっとこでおっちゃらぴーのうわごとのたわごとなんだ"
岡崎京子『pink』


ハルヲくんが私の言葉を代弁してくれました。でもユミちゃん曰く世の中には素敵なうわごともたわごともあるって。それは間違いない。でも素敵か素敵じゃないかを判断するのは私じゃないし、基準なんて人によって違う。

それなら、思ったこと全部言葉にしていくしかないと思うんだ。最近読んだ本に、わかる人とだけわかり合えればいいみたいなことが書いてあったけど、私はわかり合う努力を怠りたくないよ。勿論わかり合えない場合も多いけど、上辺じゃなくて本音で話したい。でもわかり合えないことをわかり合うことも大切だって知ってる。

すべてを語る人なんて、微塵の謎もない人なんて、私は興味なんてわかないかもしれない。でも嫌になっちゃうな。だって私は好きな人の前でそんなこと気にしたくない。全部知ってほしい。

でも全部わかってもらうなんて無理だから。好きな人のすべてを知りたいけど、すべてを知ることなんてできないし、すべて知ってしまったら興味が失せてしまうことなんてわかってる。そもそも人のすべてを知るなんて、そんなことできないっていうのも心の中ではわかってる。傲慢な考えです。

でも好きな人に弱いところを見せられないのは悲しいな。そんなの嫌だな。必死に取り繕った自分を好きでいてもらうなんてなんの意味もない。そうまでして好きでいてもらいたいと思うこともあるのが人生だけど。矛盾だらけ。

どうでもいい相手にほど弱音を吐けちゃったりする。どうでもいい相手の前ほど可愛い自分でいられたりする。ああ好きな人の前でもこのくらい素直でいられたらいいのに、なんて今までどれだけ思ったかわからない。一番可愛い私を愛してくれー!って心の中で叫ぶ。矛盾がなかったら人生もっと楽なんだろうな。でもきっとつまらなくなる。楽とつまらないは紙一重。

期待しなければ落ち込むことは少なくなるけど、期待しない人生なんて退屈らしい。人生ってなんて面倒くさいんだと思うけど、だからこそ愛おしくなっちゃうんだと思う。そういう煩わしさも愛せる人間でありたいものです。

冒頭に書いた"すべての仕事は売春である"。芸能人もyoutuberも、自分の顔や体や発する言葉なんかを使って自分を売っている。他の仕事だって、自分の手を使って、足を動かして、人と話して、自分の時間を売っている。そうすることで収入を得ている。でもやっぱり、心が全くすり減らない人なんていないと思う。だからせめて等価交換であってほしい。誹謗中傷なんていう余計なものは必要ないよ。

嫌なことはなくならないけど、嬉しいことや楽しいこともあると思いたい、思ってほしい。嫌なことで頭がいっぱいになったときにも、そのことを忘れずにいたい。

幸でも不幸でも人は心を動かされた瞬間に生きていることを実感するらしい。それなら私は不幸だって感じたまま死にたくない。まとまらない文だけど、明日も何がなんでも生きてやるぞってことです。矛盾だらけな人生だからこそ、愛。

#日記  #エッセイ #コラム #岡崎京子 #20代で得た知見

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