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ランタンを灯す夜。

11月11日は「聖マルティンの日」。

今年はちょうど金曜日に当たり、
当日にSt. Martin-Zug(聖マルティンの行列)が行われました。
住んでいる町の催しで、末っ子が通う小学校の生徒が手作りのランタンを持って歩きました。

辺りが夕闇に沈みかけた17:30、山の手にある小学校を出発し、ゆっくりと下り町を抜けゴールがある幼稚園まで1時間と少しかけて歩きます。

行列には生徒の家族、そしてブラスバンド、馬に乗った聖マルティン、松明を持った消防隊が一緒に歩きます。


同じくドイツ在住のDitoさんが、聖マルティンやカーニバルについて、とても詳しい記事にされています。


ドイツの小学校は4年で終わるため、末っ子の参加は今回が最後です。
一昨日(2020年)はパンデミックのため中止されたので、次男は3回参加しました。

1年生の時のランタンはネズミがモチーフで、放課後に保護者と一緒に手作りしました。
ドイツのお母さん達、工作がめちゃくちゃ素早くてアッという間に完成!
モタモタ遅く不器用な私は、冷や汗をかきながら仕上げました。親が手伝ったのは1年生の時だけだったので、それも良い思い出ですが。

なぜネズミかというと、
息子のクラスが「ネズミクラス🐭」だから(4年間ずっと)。
もう一つがまさかの「コウモリクラス🦇」

全然可愛くないネーミングに当初は驚きましたが慣れました...。
ちなみにドイツ人女性、着替えもトイレ(公衆トイレ滞在時間)も短い(速い)です!

1年生になったら電球ではなく本物の蝋燭を入れて歩く🕯


長女が幼稚園児の頃から参加していた行事、末っ子が最終学年ということで参加する子供はいなくなります。

「お母さんは皆んなで最後一緒に歩きたいの!」

と、思春期で頑なで屁理屈をこねる娘をなんとか説得して子供3人と一緒に歩いたのは初めての事でした。
年によっては寒かったり、小雨が降ったこともあって、寒い思い出が多いこの季節行事!
今年は天気が良く寒すぎないという絶好の“ランタン日和”でした。

「寒いし、ただ歩くだけなんてシンドイ!行きたくない!!」

と前日までごねていた娘も、ビデオを撮ったり空を見上げたりして楽しそうに隣で歩いていました。

去年も一緒に歩いた長男は、
「毎年おんなじだね...」と憎まれ口を叩きながら、それでも皆んなで歩いた道はいつもよりずっと早くゴールに到着したのでした。

長男4年の時には開催されず、
そのまま卒業になってしまった。
寒いだけの行事と思っていたけれど、中止の時は何かが欠けている気持ちがして仕方なかった

歩きながら私の母が以前、言っていたことを思い出しました。

「こんな催しがあるんやねぇ...いつか参加してみたいわぁ!」

あっという間に次男が4年生になって、あぁ今年が最後のチャンスだったんだ....と、ランタンを持って歩く孫の姿を見せてあげたかった、と思いました。

気がつくと “海外に気楽に行けない” 状態になってしまい、こんな風に貴重な機会を逃した人々は世界中たくさんいるのだろう...と思います。

雰囲気の伝わる動画や写真をLINEで送りました。
きっと土曜日の朝、ドイツから送られた沢山の映像でランタン行列を味わえると思います。


⏫画質は悪いですが、こんな雰囲気で歩きました💫

出発直前
夕闇霞む町を下りていく
行列が通る道路は消防車で封鎖される
町を抜けて
古い門をくぐりゴールを目指す
頑なに「行かない!」と言っていた娘
けっこう楽しそうにしていた
2階から見学されるお年寄り

みんな、とても嬉しそうに眺められていた
同じく子供達の行列は可愛いと思う自分は、
もう気持ち的に2階の方々寄り...
「燃えそうで怖いよぉ」と道々呟く次男
がんばって作った大事なランタンだからね
遠くに炎が見えて来た
幼稚園の前庭に大きな炎🔥
手を繋いで見た炎はどんな風に心に残るのかな
幼稚園の前で聖マルティンがお出迎え
参加した子供達にパンを渡す

“雪の日に物乞いに出会った騎士マルティン
(後に洗礼を受け司教となる)が自身の赤い
マントを半分に裂き分け与えた”
双子ちゃんにもど〜ぞ
しかしこの聖マルティン...ちょっと太りすぎや
午後4時からワッフルを焼いて販売
最終学年なので焼き係を志願してみた
売上げはずっと延期になっていた、
修学旅行の資金に
来年5月にやっと何処かに行けるらしい


一年前
炎が不安を焼き払ってくれる様に見えた

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