20200505「感動の仕組み」

大阪城を観てみたい。

僕は東京から大阪まで
バイクで行ったことがある。
地図を確認したり、
休憩しながら10時間かかった。
夜の岐阜の寒さも今となっては思い出だ。

江戸時代、
江戸から大阪に行くには、
東海道を約15日かけて歩いた。
※ちなみに現代、東京から大阪まで歩いた人のコラムがあったが22日間かかったらしい。

喉が乾いても自動販売機はない。
腹が減ってもコンビニもない。
道は今のようにアスファルトで整備されていないし、靴のクッション性も皆無だっただろう。
山には山賊もいたかも知れない。
考えれば考えるほど想像を絶するえげつなさ。
昔の人は本当にすごい。。

それが今では、
新幹線で2時間半。飛行機なら1時間だ。

世の中はどんどん便利になっていく。
便利とはコストとリスクが少ない世界だ。

良いじゃないか。歓迎だ。
楽したいし、痛いのは嫌だ。

でも、少し考えたい。

飛行機に乗って安全に快適な1時間を過ごし、
観に行った大阪城。

山を越え谷を越え命がけの15日間を過ごし、
ついにたどり着いた大阪城。

どちらも大阪城観光には変わりない。
でも、本当に同じ感動か?

体験とコストとリスクはセットだ。

そして、
コストとリスクこそが感動を生む。

だから世の中が便利になるということは、
感動の機会や感動の幅が、
少なくなるということでもある。

さらにいま、
わざわざ直接いかなくても、
大阪城を観ることもできる。

YouTubeで大阪城を観た人が、
「大阪城観たけど大したことなかったわ」と言っていたら、15日かけて大阪城に行って感動を味わった人は、きっと良い気はしないだろう。

コストとリスクをとってない人は、
埋没コストがない分、簡単に批判できる。

さらに、SNSは発信にかかるコストとリスクまで、限りなく0に近けた。

獲得、発信にコストとリスクがなくなれば、
心ない批判が増えるのも当然だ。

便利な世の中になるのは歓迎だ。
でもだからこそ、
僕は意識的にコストとリスクを取って大きな感動を味わいたい。

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