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足を速くするという仕事

スプリントコーチ の「秋本真吾」です。
子供たちからトップアスリートまで人の足を速くするという仕事をしています。

と毎回決まり文句のように冒頭挨拶してますが、これまで本職に関する話がなかったので今日はスプリントコーチとしての話を。

昨日、僕のtwitterinstagramでスプリントコーチ としての様子をupしました。プロ野球選手、サッカー選手、陸上選手、ラグビー 選手、から子供達まで幅広くコーチングしています。昨日はアメリカンフットボール選手の中村 輝晃クラーク選手(富士通フロンティアーズ)とのコーチングの様子をupしました。


僕がどのようにして「人の足を速くしていくか」を今日お話しします。


下記に記したものは、これまでの競技者としての経験、コーチとしての経験に基づいているものです。僕のコーチとしての理念はまた次回のnoteに記そうと思います。

流れとしてはこうです。

1.現状の確認
2.改善点の指摘
3.スプリントトレーニング
4.改善点の評価

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まず、1.現状の確認です。
選手はこれまで陸上選手のように「走り方」を日々詳細にコーチングを受けてきた選手はいません。選手それぞれどんな感覚で走ってきたかは千差万別です。まずは選手とこれまで走りについてどんな印象を抱いているか、自身の走り方をどのように評価しているかなどを聞きます。そして、ここで最も重要なポイントは目標の確認です。選手が「いつ」までに「どう」なりたいかです。ただ速くなりたいでは動機が曖昧です。速さにも初速なのか、加速なのか、様々です。目標設定がぼやけている選手も会話をしていくとそこが明確になってきます。

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その後、選手には今現状の走りを動画で撮影し確認します。多くの選手が自分の理想とは遠い走りをしています。これまで500名以上のプロアスリートをコーチングしてきましたが、自分の専門分野のプレーを動画を見て評価することはあっても、自分自身の走り方だけを切り取った評価をする選手はほぼいませんでした。自分の走りを自分の目で見る。何がどうなっているのかを確認する。大切なことです。

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次に2.改善点の指摘です。
ここではこれまでの現役の経験とコーチとしての経験、その種目に関する走りの知識とエビデンスの引き出しから、その選手におきている走りの改善点を選手に提案します。ここで僕なりのポイントがその種目のトップアスリートの走りを映像で見せることです。陸上選手以外のアスリートに「陸上選手の走りはこうで〜」や「ボルトのように〜」などの説明を受け入れることは難しいです。いやいや、陸上は真っ直ぐに走るだけじゃないか、止まったり、斜め、方向転換のスプリントは陸上にはありません。もちろん速く走るために陸上選手を例に取り理論上からの説明はします。ただ、走りの押しつけはしません。その種目に合わせた「足が速い選手はこうなっています。なぜなら〜」というように紐付けを大切にしています。

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次に3.スプリントトレーニングに入ります。
僕は選手の長所を伸ばすよりも短所を克服するコーチングがメインです。速く走る方法とは僕の中で「正しい走り方」つまりは「正しい技術の習得」と定義しています。技術の習得には土台あってのことです。意外と思われるかもしれませんが、関わった多くのトップアスリートは土台に課題がありました。ウエイトトレーニングや補強。基礎的な身体作りが不十分だといくら技術練習を施しても明確な結果は得られません。スプリントトレーニングのレパートリーは数多くありますが、そのトレーニングをコーチングする前にやるべきことをやってからのスプリントトレーニングになります。スプリントトレーニングの内容も反響を見つつnoteで出来る限り公開していこうと思っています。

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最後に4.改善点の評価です。
トレーニング中も何度も動画を撮影しては選手と確認を繰り返します。新しいトレーニング、新しい感覚、選手自身がコーチングを受けてこんな風にあんな風に身体を動かしてみた。その動きはどうなっているのかの確認が選手にとって重要です。なんとなく速くなった気がしますではなく、何がどう改善されて速くなったかの基準を数多くもつことです。選手自身の感覚、客観視するコーチの視点、数字(何メートルを何秒速くなったか)、自分の走りが改善したかを選手自身が評価する視点。評価の質と数を大切にしています。

仕事でもPDCA(Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善))が大事とは言いますが、それはコーチングにおいても同じだと思います。もちろん今のやり方がベストとは思ってはいませんが、今後の選手とのコーチングから僕自信も学び成長していかねばなりません。次回は僕がコーチングをする上で大切にしている理念の部分を記していきたいと思います。


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