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功労者であるお母さん牛たちにはなむけの場をつくりたい。畜産家の私が、産直販売に挑む理由。

こんにちは。鳥取で和牛を飼っている伊藤畜産の伊藤夏日と申します。

伊藤畜産のお肉は、主に神戸・東京の食肉市場を経て、東京、大阪、京都、兵庫、鳥取などの焼肉屋さんや鉄板焼き屋さん、精肉店さんで「万葉牛」「鳥取和牛」「国内産和牛」として食され、ご好評頂いています。

和牛を育てるのにあたり伊藤畜産では、一般的な畜産農園がやっているように子牛を買うだけでなく、牧場でお母さん牛を飼い、お母さん牛たちに赤ちゃんを産ませてんでもらい、育てています。

今回その「お母さん牛」のお肉を「夏日牛」と名付け、産直販売することを決めました。


https://natsuhi-beef.jp


なぜお母さん牛たちのお肉の産直販売に挑むのか。今回はそんなお話をできればと思います。ご一読いただけましたら幸いです。


直接「おいしい」と感じ、言われた19年前


私が最初に自分のお肉を販売したのは、19年前のBSEの時です。

BSEの流行の影響で、普通に肥育した和牛が一気に半値以下にしかつかなくなってしまいました。それはスーパーで売ってある国産牛よりも安い値段。それでも競りの成立しない牛も沢山いる状態で、私は競りが成立しない市場を初めて見て、大きなショックを受けました。

「どうせ損をするのなら、お世話になった人に食べて貰おう。」そう思い、自分の育てた牛のお肉を自分で買い戻しました。そして、その時はじめて自分で自分の育てた牛のお肉を食べたんです。驚かれるかもしれませんが、お肉の場合、牛を出荷したら肉になる部分はすべて市場にでていくので、自分の育てた牛の肉を食べる、というには通常なかなかできることではないんです。

(費用を積み上げていくとそれくらいかかるのですが)当時軽自動車一台分くらいの物を売っていながら、なかば本当にそんな価値があるものなのかな?と思いながら育てた牛を出荷していたところがありました。

しかしはじめて食べたそのお肉はとても美味しかった。そして、買ってくれた人たちが「おいしい」と喜んでくれて、とても嬉しかった。 この経験は私が自分の仕事に自信が持つきっかけとなりました。


一方でBSEが落ち着き、市場の価格が戻ってくると、今度は直接販売で市場に出荷する時の売上を作らないといけないのが苦しくなってきました。また、私のお肉を待ってくださるお肉屋さんも少しずつ出来てきました。

買ってくださった方々には「また販売してほしい」と言われたのですが、大きな値上げをするのも心苦しい。どうしたらいいだろうかと思っていた時に、ある繁殖農家が肥育した「お母さん牛」をいただく機会が訪れたんです。


市場で評価されないお母さん牛


通常お肉にする牛は平均2−3歳程度のタイミングで出荷をします。一方お母さん牛は(牛によって幅はありますが)平均10歳まで、8頭くらいの子牛を産みます。

役割を終えたお母さん牛はお肉になりますが、一般的には歳を重ねている分硬かったり、水っぽかったりするので、お母さん牛というだけで安価なミンチ肉や小間切れなどとして流通してしまいます。

私はたくさんの牛を産み、役割を果たしてくれたお母さん牛たちを最後は価値の低いものとして出荷せざるを得ない。その事実に違和感、やるせない気持ちを抱いてきました。


そんな中いただく機会があったある繁殖農家のお母さん牛はそこそこおいしかった。それなら「肥育」を生業としている自分なら、お母さんをおいしい状態で送り出すこともできるようになるのではないか!と思いました。

十分牧場に恩恵をもたらしてくれているお母さん牛なら、価格面も他の牛と同等に高価にしなくても成立させられる。お母さん牛への思いと直接販売を続けたい思いが繋がった瞬間でした。

その後お母さん牛の硬さなどを克服すべく餌や肥育期間などを試行錯誤した結果、一般の牛達よりはもしかすると歯応えはあるかもしれないけれど、脂の重たさのない、やさしい風味のお肉をつくることができました。


このお肉を僭越ながら、自分自身の思いがたっぷり乗ったお肉なので、自分の名前をとって【夏日牛】と名付けました。



美味しさの秘密は牛の健康


伊藤畜産では赤ちゃんを育てるお母さん牛にも、お肉にする牛にも全ての牛に雑穀を加えたより自然に近い餌を与えています。

それに加え牧草やワラを与えることで健康的なで身体を作りを実践しています。私自身が健康オタクというのもありますが、牛自身が健康であることが何より大事だと考えているからです。るその結果なのかことにより、伊藤畜産のお肉は不飽和脂肪酸の多いあっさりとした脂なのに深い味のお肉であることが特徴です。
牛の健康を考えることでお肉も優しく、力強いお肉になりました。
お肉の日持ちの良さも伊藤畜産のお肉の特徴です。


お母さん牛は、さらに健康に気を使って育てます。妊娠期間中は放牧場で過ごしてもらい、なるべくストレスも貯めない環境で育ててきました。健康なお母さん牛のお肉の味わいを、ぜひ食べてみてほしいです。


オンラインショップはこちら: https://natsuhibeef.base.shop/


今後、定期的にショップをオープンして販売を行います。興味を持っていただいた方はぜひフォローもお願いします。


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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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鳥取で和牛を飼っている伊藤夏日と申します。 和牛のこと、お肉のことを中心に徒然と書いていきます。