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気がついたら「ランキングの奴隷」になっているのだろうか。

 土曜日の朝に、つい見てしまって、そのランキングについて、おそらくは毎週のように目にしているから、余計に、その信頼度が勝手に増してしまっているのだと思う。

ランキング

 食べ物や、調味料や、タオルなど、いろいろなものをランキングにするので、次の週の予測がしにくいのだけど、その日はあんぱんだった。

 出演者が「おいしい」と言って食べていて、それが本当そうに思えるのだけど、だけど、テレビに出るときは、空気を読んでそう言うに違いない、などとも考えていて、それでも、あんぱんはおいしそうだった。

 あんぱんの、特に断片の見た目で、食べたくなった。

コンビニ

 他のコンビニは何店舗もあるのに、最近はローソンが近くになくなり、隣町に行く途中にあったから、スーパーで買い物して帰りに寄ったら、そのあんぱんがなかった。

 思った以上に、ひそかにがっかりしたのが、自分でも意外だった。

 今度は、電車に乗って出かけた時に、駅近くのビルにコンビニが何軒もあったから、探してみたら、ファミリーマートもセブンイレブンもあったのに、ローソンがなかった。

 また、少しがっかりしていた。

 外で食事をして、パンにする時には、最近は、このあんぱん↑を食べていて、いろいろと迷いながら、この甘さの満足感みたいものを考えると、選択することが多くなっている。
 だから、思ったよりもあんぱんが好きになっているのかもしれない。

ぬれあんぱん

 翌週、この前は見つからなかった場所で、案内板をみたら、この前は気がつかなかったのに、ローソンを見つけた。ちょっと気持ちが焦ったのは、他の店舗ではなかったし、もしかしたら、人気が出て、買いにくくなっているのではないか、と思ったからだ。

 ビルの階段を降りる。ちょっと小走りになっている。

 ローソンがあった。ロールカーテンで店内が見えない。と思ったら、出入り口は、もう少し先だった。

 パンの棚に向かう。どこに何があるのかのルールがよく分かっていないから、上から下へ見て、ない。それから、右側に視線をずらしたら、そこにあった。

 なんだか、あわてて、2つを買おうとした。

 もしかしたら、今日や明日は食べないかも、などと思って、申し訳ないのだけど、奥の商品から手に取った。2日後が消費期限だった。これなら、ちょっと安心だった。

 その隣に、同じ「ぎっしり」という形容詞が大きくパッケージにあるクリームパンがあった。妻に、あんぱんか、クリームパン、どっちがいい?と聞くと、クリームパンと答えることが多かったので、それを思い出し、そのクリームパンも買うことにする。

 3つ持って、レジに行った。

 家に帰ったら、喜ばれた。

 この日は、もう夜近くになっていたので、クリームパンを半分にして、食べた。

「すごーく、おいしい」

 妻がそう言ってくれた。よかった。

昼食

 翌日、昼ごはんがパン食になった。

 それは、午前中から夕方にかけて、リモートでの講座を受けることになっていて、昼休みは50分程度。だから、短い時間でも、食べやすいように、と妻がパンを用意してくれて、その時に、そのぬれあんぱんも一緒に用意してくれた。

 フォカッチャに、ハムやチーズや、野菜などをはさんでくれたサンドイッチはおいしかった。それを食べてから、ローソンで買ったあんぱんを食べた。


 持った時に、重かった。

 食べ進め、あんにたどりつくと、味が広がる。

 あん自体は、もともと、しっとりしているものだと思うのだけど、その中でもしっとり具合が、かなり高く、そして、あんこがおいしく思えた。

 かなりボリュームもあったけれど、なんとなく食べやすく、おいしかった。

 自分にとっては、約150円はちょっと高いけれど、それでも、また食べたいと思った。


 妻も「おいしい」という感想だった。

あんこが本格的。ぎっしり入っている。そんなに甘味も強くないから、食べやすい。
 ただ、あんこの偏りが激しい。
 食べる場所で、あんこがなかったりする。

 でも、また食べたいと思う」。

 やっと食べられて、うれしかったのと、ちょっとホッとした気持ちになったのは、何度か、このあんぱんを手に入れようとした自分の手間ひまのせいかもしれない。

ランキングの奴隷

 考えたら、このあんぱんのランキングの2位や3位の印象はすごく薄くなっている。誰に頼まれたわけでもないのに、1位を覚えて、もし食べる機会があったら、それを食べたいという気持ちになっていた。

 今回だけではなく他の番組や何かの情報でランキングがあると、同じようなことを感じることが多くなった。

 気がついたら「ランキングの奴隷」になっているのかもしれない。


 1位のものを手に取りたい。家電などを買うときに、「これが売れていますよ」という言葉には耳を貸さず自分が欲しい機能などを聞いて、それになるべく近い商品を買っているのに、ランキングというものに触れる回数が多いせいか、それにとらわれるようになってしまったのだろうか。

 このランキングが気になるときは、その商品がそれほど高くないもののときだった。それは、高いものであれば、最初から買う経済力がないから、自動的に無関心になるようなのだけど、ちょっと手に届くもの、もしくは普段日常的に使ったり、食べたりしているものの時の方が、ランキングが気になる。

 その上位のものが、知らないものだったら、一度は買いたくなる。

 いつも、とにかく必要なものであれば、最も安いものを、という目的で、視野が狭くなっているけれど、もし、自分がもっと人並みくらいの経済力があれば、多少の失敗は大丈夫だから、こうした情報にそれほど頼らずに、たとえばスーパーの棚も広く見えるようになり、その中で、自分自身で試行錯誤ができたのだけど、そんな余裕がないから、余計にランキングにとらわれているのだろう。

 タレントの好感度といったランキングに、企業がこだわって、だからCMやドラマなどにも、同じ人が出ていて、その理由が、今は不況が続いているから、お金を使うのであれば、ランキング上位の人を使いたい、と思っているらしい。その守りの姿勢を、どこか軽蔑するような思いさえあるのだけど、自分も、貧乏だから、ランキングにこだわって、同じような姿勢になっているみたいだ。


 貧すれば鈍す。

 それは本当だと思ったし、もう少し広い視野を、貧乏だとしても、意識して持ちたいとは思うのだけど、それでも、また土曜日になったら、ランキングを目にして、そこに「動かされてしまう」ような予感もある。

 なんだか、むずかしい。

 それでも、そうして新しいものに触れられるから、楽しいこともあると、妻は言っていた。



(他にも、いろいろと買いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。





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おちまこと
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