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シンプルで良い。そんな日

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その日のシンプルな思い出話
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2019年5月の記事一覧

優しい音

先日、とある所で演奏した際、 「思った以上に優しい音が出るんですね」 という感想を頂きました。 自分が目指している音の世界には柔らかさが必ずあって、どんなジャンルにも「寄り添う」三味線なんです。 なので、その時は嬉しかったですし、普段書かないサインまでもしちゃいました(^^; 津軽三味線の歴史を辿るとそれはそれは悲しい事ばかりで、今のような華やかさは無かったと聞いています。けれど、その厳しさの中にも優しさを感じられるような奏法もあったはず。常にガンガンと叩いてるイメージと相

次の手に繋ぐ

お仕事を御一緒させて頂いてる方のお父様が亡くなり、その方が趣味としてやっていた津軽三味線を引き取って欲しいという話が来まして、先程引き取って来ました。 当然の事ながら皮は両面破けていましたが、かなり熱心に稽古をしていた痕跡が、三味線を見て感じました。僕はそれを修理して、使用しようと思っています。そして仏壇の前で演奏する約束をしてきました。 楽器はなんでもそうですけど、弾いてあげないと良い音に鳴ってくれません。 一旦止めた音を次の手に委ねるのは決して悪いことではありません。

時が経つのは·····

大分昔の話になるのだけれど、ギターとのユニットを組んで地方にツアーに出ていた時に、まだあどけない女の子がお母さんと一緒にライブに来てくれたことがある。 秋田荷方節を弾き始めた時に食い入るように見ていたその彼女。今年の弘前大会でA級優勝した女性なのだと知った。 その当時知っていたのは、神谷先生に師事していて、後に様々な大会で入賞をしていたような記憶だけが残っている。というのも、自分が大会に出ていたのは10年も前。入賞したければ、入賞出来る手を弾けと言われ、どんどん自分がダメに