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特別養子縁組のこと<後編>(漫画原作&編集)

特別養子縁組をテーマにした漫画『ホントの親子』の制作裏側をご紹介しとります。後半ではインタビューと今後の課題について。若干、唐突に1話のカットを挟みつつ参ります!

4.インタビューのありがたさ

できたてホヤホヤの企画書を携え、最初にご連絡をしたのは 絆の会 さん。

こちらは養子縁組によって子どもを迎えられたご家族の団体で、子ども達が楽しめる懇親会や、会員どうしのイベントや勉強会などを開催されています。

企画の趣旨をご説明し、2家族からお話を伺うことになりました。あわせて、ご家族の間を取り持ってくださった役員のおふたりにも、追加でインタビューさせていただくことに。無理を言い、申し訳ありませんでした!

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次にご連絡を取ったのは、竹野ゆり香さん。養子当事者である竹野さんは、先月、日本財団さんによって行われた4月4日養子の日のイベントにもご登壇。現在、幅広くご活躍されています!

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最後に、絆の会さんからご紹介いただいたアクロスジャパンさん

こちらでは、予期せぬ妊娠で悩まれている女性からの相談や、特別養子縁組を検討されているご夫婦の相談、養親の育成研修などを行っておられます。実際にご相談にいらっしゃるご夫婦のお話や研修の内容、面接、家庭訪問の様子などを細かく教えていただきました。

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それぞれ事前に質問事項を送付し、時節柄もありお一人ずつWEBインタビューをさせていただいたのですが…。結果、直接お話を聞けて本当によかったです。個人情報のこともあるので詳細は省きますが、お話を伺えたおかげで、ストーリーがより生き生きと動き出しました。

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いただいたお話は書き起こしたあと、一度エピソードごとに振り分けをして、できるだけすべての方のお話を盛り込めるようバランスを見つつ配置。複数の方のお話を散りばめることで特定の個人へ批判などが向かないようにする、かつ、インタビューを受けてくれた方が作品を読まれたときに、自分の物語だと感じてもらえるよう工夫してみました。

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ちなみに、主人公の回想シーンの舞台は、方言のある地方都市に設定したのですが、これにもちょっと意味があり。また別の機会にご紹介させて下さい。

で、多くの方のご協力でストーリーはいい感じに仕上がった!のですが。いくつか気になることが出てきました。

5.今後の課題

小説もどきのプロットをお渡しし、ふじいさんが素晴らしい漫画にしてくださって、無事公開までこぎつけた本作。しかし、取材を通していくつか引っかかったことがありました。

・不妊治療→養子縁組、の図式だけでいいのか。

前編にもさらっと書いたのですが、養子を検討される方の多くが、不妊治療に行き詰まったご夫婦。そこを否定するわけではなく、ただ同時に、個人的にはその流れだけでいいのかという疑問はずっとあって、実際にインタビューでもそのお話が出ました。

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・生みの親について。

河瀨直美さんによって映画化もされた、辻村深月さんの小説『朝が来る』。そこでもメインのテーマとなっていますが、養子をテーマにするならば、生みの親の存在にはどこかで必ず触れるべきだと思っています。こちらについてはインタビューでいろいろ伺ったのですが、本稿ではあえて詳細を割愛し、必ず続編にいかしたいと思っています。

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6.最後に

医療監修は、東都文京病院の院長である杉本充弘先生。ドラマ『コウノドリ』や朝ドラなどの医療監修をされています。お忙しい中、本当にありがとうございました!!

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表紙デザインは3回連続の宮下裕一さん!(HP→https://imagecabinet.jp/ Twitter:https://twitter.com/imgcab)。かわいい!!!

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実は4案件まとめて発注してしまいまして、来週公開の作品も宮下さんです。いつもドタバタ、本当にすみません!!

『フツウの親子』はめちゃコミさんにて絶賛配信中。7話中4話無料です。無料分だけで全然いいので、ちょっと読んでみて下さい!

最後になりましたが、改めまして本作については多くの方のご協力により、最後まで制作することができました。心より深く御礼申し上げます。

■医療監修:東都文京病院 院長 杉本充弘先生
■取材協力(敬称略):絆の会/竹野ゆり香/一般社団法人アクロスジャパン/
公益財団法人日本財団 子どもたちに家庭をプロジェクト

以上、『フツウの親子』でした。

最近いい話ばかり書いていて、逆に性格悪くなりそうなのですが、来週公開されるのはクセ強の女性ばかり出てくるミステリーコメディ。またこっそり記事書きます!

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