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思い出深い日 7/27

最初からコケる

巡礼2日目スタートです。
昨日天気が悪かったのがそのまま続いており、雨が降る中を出発です。

昨日ほど長い距離ではなく、24km程を今日は歩きます。

たった6km減っただけと思うかもしれませんが、実際にやってみるとこの6kmの差は相当デカいです。

この日は6時くらいに出発しました。昨日矢印の確認を怠っていたこともあるのか、始まって早々に街の中で少し迷子になります。ウロウロとさまよって20分位はロスしてしまいました。

たまたま見つけた巡礼者にどっちに行けばいいのか聞きます。
彼の名前はチップリアン、ルーマニア人でした。彼は快く道を教えてくれ、少し一緒に歩きました。しかし彼の方が圧倒的に歩く速度が早かったのでそこで別れました。

道を聞くとか知らない人に話しかけるみたいのはだいぶ慣れました。ほとんどの人が快く答えてくれるので怖気付く必要はありません。
まぁでも、お礼は必ずきちんと伝えましょう。それが礼儀ですからね。

そして大事なのは、助けてもらった恩を今度は他の人に返してあげることが大切なのです。
そうして巡礼者達の助け合いは成り立っているんだと思います。

丘を越えて

ナヘラの街のすぐ後ろは小高い丘になっています。
まずはそこを越えなくてはなりません。幸い50mくらいなので大したことはありませんが、降りしきる雨と上り坂が僕の足の痛みを倍増させていきます。

丘を超えたあとはなだらかな下り坂が次の街まで続きます。道自体は大したことありませんがやはり雨が辛いです。

気温もそこまで高くありません。恐らく20度もなかったと思います。その上雨に打たれ続けるとどんどん体温が下がっていきます。

Azofra到着

最初の町に着きました。
Azofra:アソフラという小さな町です。アルベルゲも小さく、あまり多くの巡礼者が泊まる町ではないです。しかしTheヨーロッパといった雰囲気の綺麗な街です。

今度もう一度この巡礼をやるとしたら、こういう小さな町にも泊まってみたいです。

バルに入ってオレンジジュースを飲みます。
ヨーロッパあるあるだと思いますがオレンジジュースは生搾りが多いです。
お店にオレンジ絞り機みたいのが置いてあって、頼んでから搾ってくれます。

バルでは…

バルでは何もせず待っていても注文を取りに来てはくれません。(ほとんど)
自分でカウンターまで行って、頼む必要があります。

そして混んでいる時は結構グイグイに頼まないとなかなか聞いてくれません。
日本人は必ず並ぶという思想が最初に来ると思いますが、(多分ね)なかなか海外ではそうはいかないことが多いですよね。
とりあえず早く頼んだもん勝ちみたいなとこあるので、グイグイ行きましょう。

お店の前の看板で値段は把握していたので、お会計の時にぴったしに用意しておいたら、
「Perfecto!!」みたいな感じでちょっと驚かれました。

少し休憩したらまた出発です。
僕は結構休憩が苦手なタイプでした。なんか座ってらんないんです。
早く先に歩きたいという気持ちが先走って5~15分くらいしか休憩出来ないんですよねぇ。

上り坂と寒さ

次の街Ciruenaまでは9.3kmほどあります。
2時間は歩き続けることになりそうです。

距離自体は問題ないんですが、標高がだんだんと上がっていきます。しばらく進むといきなり急坂が現れだします。

急坂を登ったと思ったらさらに急坂が現れます。
これの繰り返しと雨とでどんどん体力を削られていきます。
この時が巡礼の中で上位5位に入る辛さでした。

何より寒さが辛い。濡れてどんどん体温下がっていくので個人的にはかなり辛かったです。

前の町と比べると標高が150mほど上がったんではないでしょうか。
なんか大したことないように見えますが、東京タワーの展望台くらいですからね。それを10kg背負いながら階段で上がってるようなもんですよ。

Cirueña到着

Cirueña(シルエニャ)に到着です。

いやほんとやっとの思いでたどり着いたって感じです。休憩嫌いの僕が休憩したい…って思ったくらいつらかったです。

この街何故か驚くほど人気(ひとけ)が無いんですよね。
あとから調べてみるとリゾート開発で作ったけど不況で買い手がほぼつかなかったみたいですね。 ゴーストタウンみたいで少し不気味でした。

バルに入って暖かいコーヒーとパンを食べます。

ほんと座れて助かったといった感じです。
この時点でかなり足がダメージをおっています。そして痛む右足を庇って歩いていると今度は左足が痛くなり始めます。負の連鎖です。

ここで30分休憩して次の街に向かいましょう。次の街で今日はゴールです。残り5.9km頑張ります。

長く休憩したせいで体が冷えて固まってしまいました。
体温も下がりきってしまって、もう一度歩くのが本当に辛かったの覚えてます。手とか真っ白になってた気がします。ポッケに手を突っ込んで耐寒体制をとってました。

小麦畑をぬけて

小麦畑の中を突き進んでいきます。次の街まではなだらかな下り坂です。

街が見えてきましたね。遠くの方に尖塔がよくみえます。これは巡礼あるあるかもしれませんね。大きな教会がある街は必ず遠くからその尖塔が見えます。中世っぽいというか、RPGのゲームっぽさあってちょっとテンション上がります。

ここまで何とか歩いてきましたが最後の1kmがとにかく辛い。とにかく寒い。足痛い。腰も痛い。のトリプルパンチです。

そんなこと言っても街はもうすぐです。頑張って最後まで歩き抜きます。

Santo Domingo de la Calzada到着

ようやく到着です。
今日の街:Santo domingo de la Calzada(サンティアゴ・デ・ラ・カルサーダ)です。

この街は巡礼者のために石畳の道(カルサーダ)や橋、救護施設などの建設に生涯を捧げた聖ドミンゴによって開かれた街のようです。なので街の名前にも入っていますね。

アルベルゲを探してチェックインをします。

このアルベルゲは比較的に綺麗ですね。オスピタレロ(宿主)も優しくて素敵な方でした。
お値段は8ユーロです。

この写真の中に結構重要人物が写ってますね。今気づきました。

まずすぐ前にいる2人組の青年。
この2人は台湾出身のAn とSamです。
この時点でも結構挨拶交わしたりしていて既に顔見知りってかんじです。
ホントに仲良くなりました。この2人はまた後日に出てくると思います。

そして緑のTシャツの男性と白い帽子の女性。
彼らとは明日、一緒に旅をすることになります。また明日の記事で詳しく描きたいと思います。

お食事会1

シャワーを済ませ、洗濯も終わらせて共有スペースへ行くと、昨日であったJorge一家に出会いました。

僕のことを覚えててくれて、子供たちが何故かぼくのことを気に入ってくれたようで、お昼ご飯を一緒に食べないかと誘われました。

初めて食事に誘われて嬉しかったので喜んで参加します。

昼食の準備の間に撮った写真です。一応使用許可取れてないので顔隠し。
2人ともとっても懐いてくれて嬉しかったです。
色々なことを話しました。

お昼ご飯のメニューはカルボナーラとツナのサラダ。お母さんが作ってくれてとっても美味しかったです。

食事の最中も会話をしていたんですが、僕は英語が上手ではありません。もちろん喋る方も苦手ですが、聞く方も得意では無いです。

それを悟ったJorgeが子供たちに、ゆっくり喋ってあげてと言ってくれました。そして彼自身も彼の奥さんも皆がゆっくり喋ってくれて、そして僕の拙い英語にも必死に耳を傾けてくれました。

あの気遣いは本当に嬉しかったです。Jorgeと出逢えたことが僕の巡礼生活にかなり良い影響を与えてくれました。彼のおかげで困っている誰かを助けようとする気持ちがとても大きくなったのを覚えています。

いびきから友達に

部屋に戻るとスペイン人の3人組と知り合います。この3人が先程話にでてきた明日旅を一緒にすることになる人達です。この3人は一人一人別々に来ていたんだけど、気が合い一緒にいるらしいです。

その中でも英語が上手なJulen(ユラン)と気が合い仲良くなります。「君も一人で来ているんだったら明日一緒に歩こうよ!」と誘われます。

これまた嬉しい。3人ともいい人そうだし、お誘いを快諾です。

この3人と話すきっかけが実はとってもいびきのうるさいおじさんだったんです。ホントにゴジラ並のいびきで、ほんとうるさいから気をつけてねみたいな感じで話し始めたのです。

そんな大袈裟なとか思ってたんですが、マジでうるさかったです寝不足になるレベルの爆音でした。

教会探索

教会が見たかったので街散策に出かけます。

そうするとまた奥田さん(おじいちゃん)に出会います。せっかくなので夕飯でも一緒に食べないかと誘われました。何やら今日はたくさん誘われる日ですね。ありがたいもんです。

まだ夕飯には早かったので、先に教会を見に行きます。

かなり立派な建物です。あの尖塔が遠くから僕らを導いてくれていたんですね。根元が工事中とは思いませんでした。

これは後々出てくる大都市ブルゴスの教会と形が似ています。
ブルゴスの記事が出たらぜひ見比べてみてください。

教会にはよくこういうキリストの像がかけられているんですが、意外とリアルに作り込まれていてエグいんですよね。

槍で突かれた痕がよく分かりますね。

立派な祭壇ですね。これ細かく見ていくとストーリー性が見えて面白いんですよ。解説はしませんが。教会建築が好きな人とかは行ってみるとすごい面白いかと思います。

ニワトリ小屋の謎

この中でニワトリが飼われています。
なんで教会の中でニワトリが飼われているのでしょう?

これにはある伝説が関係していまして。

昔、サンティアゴ巡礼に向かう夫婦と息子がカルサーダに宿泊した。しかし息子は無実の罪を着せられ、絞首刑になってしまう。両親はその後、サンティアゴ巡礼を果たしてカルサーダへ戻るが、なんと息子は絞首台でまだ生きていた。聖ドミンゴが支えてくれていたという。両親は直ちに息子を下ろすように役人に頼むが聞き入れて貰えない。それでも頼む両親に、役人は「それはテーブルの上の鶏の丸焼きが歌い出すようなものだ」と投げやりに答える。するとその瞬間らそのニワトリは生き返り、高らかに鳴き声を響かせたのだ。

息子を救った聖ドミンゴの奇跡を讃えるべく、この教会では今でもニワトリが飼われているのだとか。

へぇーって感じですね。そういえばアルベルゲの裏庭でもニワトリが飼われていました。絶対関係あるでしょうね。

お食事会2

奥田さんたちと合流してご飯食べに行きます。

どこのお店も巡礼者用に10〜15ユーロくらいで巡礼者用の食事を提供してくれています。

前菜
主菜
デザート
コーヒー

みたいな感じになってます。
そんでもって本日の夕ご飯はこちら。

スペインに来て4日目にしてようやくスペインっぽいもの食べましたよ。パエリアは美味しかったんですけど、日本で食べた方がうめぇんじゃねぇかなって思います。

こうなんか、お米に芯があるんですよね。わざとなのかもしれないんだけど、日本人の僕にとったらなんか気になるとこです。

しかしこういうのは美味しいどうこうよりも、本場で食べてみるみたいのが重要ですよね。その経験の方が貴重になると思います。

そしてニワトリの奇跡を知った後にニワトリを食うっていうね。なんとも皮肉なもんですわ。

最後のやつはヨーグルトです。ベリーソースとマッチしてて結構美味しかったです。

これにパンも着いてるので結構おなかいっぱいになるもんです。

宿に帰って今日の日記を書きます。

一日を終えて

今日は歩きの時間はほんとに辛かったけど、そのあとは色々な人と関わって幸せな時間を過ごせました。特にJorge一家との時間は本当に楽しかったです。
一人で歩いた巡礼路と街に着いてから人に囲まれて過ごした時間がとても対照的に感じますね。
本当にこの日のことをよく覚えています。僕にとってかなり重要な日だったのは間違いないです。

夜はほんとに冷えるので早く寝ます。


お忘れでしょうが、いびきのうるさいあの彼と同じ部屋なのでなかなか寝つけませんでした。

明日はJulenたちと歩きます。
明日は明日で面白いことが沢山起きます。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。
感想、質問等お待ちしております。
いつも読んで頂いてる方々、本当にありがとうございます。「楽しみにしてる」等の言葉、本当にうれしいです。

趣味で始めたことですが、思っているよりも多くの人に読まれ、嬉しい限りです。
これからも頑張って続けていきます。

ちなみに、誤字とか教えてくれると結構嬉しいです。

次回予告的写真




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