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#30 信じる気持ちを持って

コチラの世界に戻ってから
3週間ほどが経った。

前回戻っていた間は
またあちらの世界
行くことができるのだろうかと
不安で不安で堪らず
自身の日常に集中できない日々だった。


今回は、コチラの世界あちらの世界
行き来する方法を一応聞いていた

本当にできるかはわからなかったが。


以前の数週間分の日常生活を
しっかり取り戻すように、
一生懸命、何気ない日常を過ごした。


本当は毎日でも
あちらの世界に行きたい
ような
気持ちではあるが
少し忘れるようにしていた。

あまりにもあちらの世界
ハマりすぎると
良くないことになりそうだと
感じていたからだった。


だから、あの鍵
箱に入れて直接見えないようにしていた。

写真 2020-04-15 16 01 57

なるべく考えないようにしながらも
やはり今の向こうの様子も気になった。

今度は連絡を取る手段がないか
聞かなければ、と考えていた。


そろそろあちらの世界
恋しくなってきたという頃、
Jackに聞いた
「あちらの世界への行き方」
思い出していた。

あちらの世界で過ごすことをイメージしたり
あちらの世界での時間を思い出したりして
扉を呼び寄せるらしい。

大事なのは信じること
きっとかなり強く信じなければ
いけないのだろうと思いながら
どんなことを考えて
呼び寄せるか作戦を練っていた。


日常を過ごすこと約1か月。

覚悟を決めて
再びあちらの世界に行くことにした。


この時、気になっていたことがひとつ。

時間のズレがあるということは
私はコチラの世界に戻っている間も
あちらの世界
約4倍のスピードで時が流れているのだろうか。

私がくぐった扉の先は
別の世界の別の街、だけでなく
別の時代に通じている可能性もあり、
毎回同じ扉とも限らない。

とても理解が追い付かない話だった。。。


さぁ、またあちらの世界へ戻る時

時刻は14時過ぎ。
あちらで4時間ほど過ごしても
せいぜい1時間くらいしか
経たない見込みだ。


あの箱を開けて例の鍵を持ち
出かける準備は万端で
そっと目を閉じて
あちらの世界を思い浮かべた。


まずは、未だ一度も中へ入れていない
鉱石店の外観を思い出し、
今度こそ行きたいと強く願った。

…扉の気配はなかった。


次に、今まで持ち帰ってきたものを
取り出してきて
色んな人やお店を思い出してみた。

…やはり扉は現れなかった。


少し焦りを感じながら、
今度はOliviaに会うことを考えた。

前回、またね!と
簡単な挨拶だけで別れたのは
また会えると信じて疑わなかったからだった。


彼女はまたあのカフェで
いろんな人を案内しているのだろうか。

街行く人の中で
たまには私の姿も
探してくれていたりするだろうか。


そんなOliviaの笑顔を思い浮かべて
ふと目を開けた時、
廊下へと続く部屋の扉が例のアンティークな扉
変わっていた。



これが信じる気持ちで
扉を呼び寄せた時
のおはなし。
続きはまた次回に。


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