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クライミング上達マガジン

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クライミングの上達方法や練習方法について発信していきます。
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#佐久平ロッククライミングセンター

終了点の使い方それぞれの方法と判断基準

はじめに今回はスポーツクライミングエリアにおける終了点の使い方を解説していきます。終了点はクライミング終了後、下降のために重要なポイントです。 クライミングルートというのは、自然の岩壁をクライミングのルートとして見出した最初のクライマーがボルトを埋め込んだり、カムやナッツを使って1本のルートとして完成させることから始まります。その際に、どのようなタイプのボルトを使うのかは初登者の判断に委ねられます。強度とコストの両面から考えると、グージョンボルトと言われる拡張型のボルト

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終了点の残置カラビナでトップロープクライミングをしてはいけない理由

はじめにクライミングのルールには大まかに2種類があります。ひとつ目は、他者に配慮するためのルールです。ふたつ目は、安全を確保するために必要なルールです。 ルールには特性があり、誰が、何に向けて行う行為なのか、その境界線を分けて考える必要があります。今回は、終了点の残置カラビナをどう使うのか?にテーマを絞って進めていきます。 ひとつ目のルール多くの方が知っているように、残置のカラビナはロワーダウンの時に使うものです。残置カラビナは、クライミング終了後すぐにロワーダウンに移

クライミング講習の選び方

はじめに今回はクライミング講習を受けようとしている方々に向けて、失敗しない講習会の選び方を紹介します。これからクライミングを始めようとしている方、始めたものの、行き詰まりを感じている方の参考になれば幸いです。 インストラクターとガイドの違いインストラクターはクライミングの技術を伝える人です。ガイドは目的の場所まで案内する人です。これは大きな違いなのでしっかり抑えておきましょう。 それでは詳しく解説していきます。 インストラクターといっても様々な得意分野を持ったインストラク

5級を登るために必要なこと3つ

5級の壁ボルダリングの5級というグレードでは、それまでのグレードでは出てこなかったクライミング特有の考え方や体の動かし方を求められます。 多くの初心者がクライミングジムやボルダリングジムでボルダリングを始めると思います。最初は10級から8級といったグレードからスタートして徐々にグレードを上げていくような流れになります。この辺りのグレードでは経験者によるアドバイスを求めなくても楽しめますが、5級あたりに差し掛かると途端に難しくなるイメージを持つ人も多いのでは無いでしょうか。

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1級を登るために必要なこと3つ

はじめに 1級というグレードはボルダリングを主としてクライミングをする多くの方の目標の一つです。ボルダリングを初めて最初に3級の壁に苦労する方は多いということは「3級を登るために必要なこと3つ」の記事で書いた通りです。気になる方は是非チェックしてみてください。 かなりざっくりとしたイメージでグレードは3つの大きな段階に分かれると考えます。 1つ目は、登り方もよく分からないまま、とりあえずボルダリングを続けて行って、どう体を動かして良いのか?どこに力を入れれば良いのか?そう

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恐怖とクライミング

恐怖とクライミングの関係今回はクライミングと恐怖の関係について考え、また、これから恐怖とどう向き合っていくのか?私の経験も含めた観点から話を進めていこうと思います。 著書『Death「死」とは何か』の中でシェリーケーガン教授は言います。理にかなった感情としての恐怖は何か?この本のテーマは死を哲学的に考察することですが、その中で恐怖と死との関係性について話す場面があります。 「クライミング中に滑落してしまうのでは?」という考えを抱いた人は少なくないはずです。逆にそういった疑

3級を登るために必要なこと3つ

はじめに だいたい10級から7級、スジの良い人でも5級あたりのグレードが初心者のスタートラインになると思います。 10級から始めた人は7級から5級ぐらいで小さな壁に当たると思います。とはいえ、それほど乗り越えるのが難しいというわけではありません。 4級あたりから徐々に明確な難易度を感じるようになり、3級で大きな壁に当たるという感じではないでしょうか?5級あたりからスタートした人でも3級に特別な難しさを感じると思います。 グレードは人の体感ですからズレが生じることはよくあ

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ハンドクラック攻略

クラックとは クラックは岩に走った亀裂、隙間のことです。クラッククライミングというのはこういった形状の岩を登ることを指します。 現在はクライミングジムの普及によってフェースを登るクライマーの方が人口的に多くなりましたが、クライミングジムが普及していなかった時代にはクラッククライイングが主流な時代もありました。 クラッククライミングとフェースクライミングには大きな違いが3つあります。 1つ目はボルトが設置されていないこと。このためクライマーは自分でクラックの中に安全のため

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軸を意識した登りで安定のクライミングを手に入れよう

はじめに クライミングの動作には様々なテクニックがありますが、そのテクニックを支える基礎となるものが、体軸の使い方です。 体の中心を捻ることによって登っていく1軸の動き。そして、体の捻りを極力使わないようにして登る2軸の動きです。 どちらの動きもクライミングに必要なものですが、使い分けが大切です。 今回は体軸の使い分けと、それに伴うテクニックを紹介していきます。 1軸の登り方 1軸の登り方は、クライミングの特徴的な動作として、特に初心者の方々はクライミングジムなどで教え

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いろいろなスポーツを楽しもう♪

若い頃は少し運動すれば筋肉がついたり、多少体調が悪くても「一晩寝れば大丈夫」という状況が、大体30歳中盤を過ぎたあたりから「若い頃のようにはいかない」というのが如実に体感として現れてきます。 その時に若い頃のイメージに近づこうとしてクライミングを頑張りすぎてしまうと、場合によっては怪我をすることがあります。それもそのはずで、老化している体を若い頃のように維持しようとしてもそれは物理的に無理があるのです。出来ないわけではありませんが、維持には大変な時間と労力が必要となります。

脱力を意識してゆるーく楽に登ろう♪

はじめにリーチが足りない、次のホールドを保持し損ねてしまうのは物理的に体のサイズにムーブやルートが合っていない場合もありますが、多くの場合は力の入れすぎや、力の入れる順番を間違えていることが原因として挙げられます。 私たちはあまりにも出来ないような、イメージとかけ離れた課題はそもそもトライしません。目で見て「できそうだ」と思ってトライを重ねていきます。 目で見た情報はかなり高い精度で体の動きによって再現できます。それだけ人間の五感は各感覚同士それぞれ密接につながっています

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「足が滑ってしまう」理由はこれ!

はじめに自然の岩場で「足が滑ってしまう」という悩みを抱えている人も多いと思います。人工壁で足を使って登っていたつもりだったのに、自然の岩を登ったらサッパリだった。という経験者の方も居ると思います。 今回はそういった方々に向けた処方箋的な記事を書いてみました。 テーマを、1クライミングシューズ、2足の使い方、3手の使い方、4体勢、の4つのフェーズから滑ってしまう原因を考えてみました。足が滑ってしまう理由は一つではありません。様々な要因が重なって「足が滑る」という一つの現象と

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クライミングシューズは痛みを我慢して履くもの!は都市伝説なのか?

痛いクライミイングシューズいきなり結論になってしまいますが、私は痛みを我慢しなければ履けないクライミングシューズは使いません。 ある程度の圧迫感は必要ですが、痛いほど強く圧迫するようなものは履きません。特に小指側が強く圧迫されるものは自分の足に合っていないことが多いので、そういったタイプのクライミングシューズは選ばないようにしています。 私は日本人特有の幅広の足なので、見た感じが細い作りのクライミングシューズはフィットしません。 講習会などで、新しいクライミングシューズ

デシマルグレードには130年の歴史あり!!

1890年普段、私達がクライミングで使っているデシマルグレードはアメリカで使われているモデル、ということはよく知られています。 「5、8」「5、9」「5、10」という数字の上昇に合わせて難易度が上がって行きます。 前半の数字は登山のレベル(クラス)を表します。 後半の数字で難易度を表しています。 1890年、アメリカンアルパインクラブで提唱されたデシマルグレードはさらに細分化されていて、大きく3つのシステムで構成されていました。 1、クラスレイテイングシステム 普段私た