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たべものコンサル日記R43:回転すし業界は50%値上げして、ごまかしネタをなくす仕組みに変えるべきと思います!

*表示の黄色のお皿のお店と投稿記事の内容は関連しません(念のため)

■未だに残る「100円寿司」の呪縛

  大阪から始まって全国に普及した回転すしですが、1皿=100円と
いう高級イメージのごちそうがワンコインで食べられるという、
夢の実演を地で行ったヒット業態でした。

しかし、店舗数が増え、競合する同業者も増えて競い合いが起こり、
すしネタ食材の高騰と品不足,すしネタ食材獲得競争が激化しました。

呪縛は、
値上げをして顧客が離反すれば、
会社が潰れて他社が儲かる



しかも、
時代の厳しさの中であっても、
収益率の向上は避けられない企業の必須命題です。

某全国チェーン店はここ数年で55%を超える食材原価率を
47%以下にしてきました。
実に8%(以上)の食材原価率の圧縮です。驚異的です。

限界ギリギリのコストの圧縮を行いながら、
どんな偽物魚でも天然魚という一種の安心感イメージで、
世界の海の深海まで、生態すらわからない魚を獲り続けてきています。
やがてそれも枯渇してくると予測しています。


なおこの先も、
消費者の期待通りに100円寿司をメインに売り続けるために
本物は使えないけど「類似魚介類」に置き換えて、
世界中からすしネタ食材を買いあさっています。

その多くは、深海魚であったり、
一部の国しか食べられていない魚だったりします。
すべてが悪いわけではありませんが、
深海魚も重金属に汚染されている時代です。


「健康と引き換えに安さを選んでいる」こと
を十分にわかって回転すしの100円皿をとっているという
自覚を持つことが、
自ら選んで習慣的に繰り返す消費者側に求められます。

”安さを消費者が求め続ける限り”食の安全は放置されます。

■似て非なる食材でも安ければ満足しますか?

例1:ヒラマサの代用品→ナイルパーチほか

ナイルパーチ

例2:ヒラメの代用品→アメリカナマズほか

アメリカナマズ

例3:クエの代用品→アブラボウズほか

アブラボウズ

例4:マアナゴの代用品→マルアナゴほか
   *ウナギ族ウミヘビ科 生態もわからず写真すらありません

マルアナゴ(マアナゴ)

例5:カンパチの代用品→養殖スギほか

スギ(養殖)

某全国チェーン店のHPでは、
食材の欄に正規品の名称と「その他」が書かれていますが、
「その他(の魚類)」が全体の何%を占めるのかは書かれていません。
私は個人的には、95%以上ではないかと思っています。
(*でないと、1皿100円では出せません)

また、このチェーン店では、
店内メニューの半分以下しかテイクアウトメニューがありません。
仮に、遺伝子分析されたら困るからかもしれません。

■回転すしの食材原価の基本形

1皿100円(税込110円)2貫(カン)が基本形です。
1貫=55円 食材原価率47%ですが、
      ネタ、シャリ、お茶、たれ、ガリ、ワサビまで
      が食材コストです。

      商品にかけられるコストは42%位と見たほうが良いと
      思います。

1貫55円にかけられるコスト=55円(税込)×42%=23.1円
シャリ1貫分が5円(税込5.5円)、廃棄ロス込みで税込7円とみると、

ネタ1切れにかけられる「予算」=23.1円-7円=16.1円

しかもこの予算は平均値ですから、イカ・タコ・ウニなどの本物を
使うメニューに予算をとられると、

100円寿司業態の回転すしさんは、
1切れ10円~15円のネタを世界中探し回っていることがわかります。

今後の1皿100円の回転すし業界は、

すしネタの信頼度を高めつつ、
価格を1皿150円平均位にまで引き上げながら
本来の創業時のあり方に回帰すべきと
私は考えます


またお店を利用する私たちも、
寿司のパンフにつけられた名前が本物と思い込まずに、
「食感や見栄えが似ている」という理由で名づけられている
ことを知っておくべきと思います。

自分自身の健康を守り抜くために。

(了)




飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします