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「ハロウィンでわかる論理演算」

Twitterを中心にバズってしまった「ハロウィンでわかる論理演算」の裏話や顛末,わかったことなどを自分の記録のためまとめていきたいと思います。(長文の上,特に誰も得はしない)

ことの発端

もともと,私はTwitterを中心に理科・数学・情報などにかかわるネタを発信しております。

意図はそんなにありませんが,勝手に私のライフワークだからと思っているからです。

そんな中,毎年ハロウィンでは情報・数学界隈で話題になるのが,「Trick or Treat」です。もちろん,一般的には「お菓子くれないといたずらするぞ」というものです。詳しい話はまあこういうところで。

しかし,「OR」は「論理演算子」でもあり,「または」と訳されたり「∨」の記号であらわされる「論理和」とも読むことができ,「Trick」「Treat」をそれぞれ命題としたときに,「Trick OR Treat」は「TrickまたはTreatがある」という風に解釈できるのではないかという話です。これは,つまり,「Trickもあり,Treatもある」という状態も含まれるわけで,「おかしもいたずらも両方ある」ということが成り立ってしまうのでは?という話になるわけです。

また,この論理演算は「論理回路」の考えにも用いられています。二つの入力に対してどのように応答するかというのが基本的な考えですが,「OR」という論理回路では「Trick」か「Treat」のどちらか少なくとも片方が「High」で入力されれば「High」を出力する(つまり,両方「High」でも出力は「High」)ので,先ほどの「おかしもいたずらも両方ある」ということが成り立ってしまうみたいな話がやっぱり出てきてしまうわけです。

そんなわけで,じゃあ,「両方ある」を防ぐにはどうすりゃいいかな?みたいなのが半ばジョークであるわけですが,この論理演算を考える際に便利なのは「ベン図」です。数学や情報理論などでも厳密性に欠けるなどの意見もあり嫌われる場合もありますが,それでもわかりやすいのでよく用いられるわけで,皆さんも目にしたことがあるかもしれません。このベン図で「Trick OR Treat」(Trickの円とTreatの円の領域)を表したときに,なんとなくカボチャ(ジャックオランタン)っぽく見えるよね。というのが,今回のジョークの新規性といったところでしょうか。


元のツイート

そこで,いつものノリで,落書きをして投下したのがこちら。ただ,性質上日本語がなくても通じるなと思ったので英語のハッシュタグも付けた(これが多分効いた)

深夜になって,風速が増してきた。おそらくは外国勢にヒットした模様。初めてTwTimezの反応もらったよ…

一日たって,仕事が終わってみたらこの勢いになってきた。既に通知欄が死ぬというのはこのことの様で。日ごろからバッジやバナーの通知は切っているんですが,アプリを開けるとガンガン通知が入ってきて何が何やら状態。対象ツイートへの通知を切ることで対処できます。

一応の宣伝をぶら下げるのがお約束。


せっかくだから万バズを目指そう

ここでやめてもよかったわけですが,外国勢中心に反応が返ってきていたのでもう少し燃料を投下。

論理演算にはほかのパターンもありまして。ただ,あんまりおもしろくないかなと思って没にしていました。一応,おまけ要素としてぶら下げてみました。

外国勢からのコメントも増えてきてわけがわからなくなってきたので,そちら向けのぶら下げもつけることに。英語が怪しい気もするが。


そしてトレンドへ…

もう収まるやろと思っていたころにトレンド入りを果たします。なにごと。

https://twitter.com/i/events/1320539297804546050

このころに見られるクソリプは,ジョークにもかかわらず,真剣に(?)目の位置がおかしいだの,論理的にはこうだのああだのという真面目な(?)ものが目立ちました。一定の全く勉強していない層にはリーチしていない模様です。

トゥギャっていただきました。


派生したツイートなど

関連して,派生したり,話があらぬ方向へ行き,面白いツイートにぶち当たったりしているものを紹介します。

NANDが集まれば論理回路を作れる。という難度の高いツイート

そのまま論理回路にしてしまったもの。

どういうことなの…

同時期に英語圏でバズっていたもの

カニと論理演算が合体したような論文があるという奇跡。完全に脱線してきている。

キャラクター的独り歩きを…商売には使いません

先人の議論

そしてまとめがやってきた

速かったのは,まいどなニュースさんでした。

こちらでは,今日の分子などの私の活動も併せて取り上げていただきました。


そして超大手が…

ねとらぼさんじゃないですか!

こちらでは,論理演算にもいろいろ言及してもらいました。

ここまでくると,スマニューに乗ります


フィーチャリング(いい意味で?)が出てくる

クレジットを書いてくれればいいんだけど…

フェイスブックにも転載多々…

他にも「via @38mo1」とつけてやってくれるのは外国の方のほうが多いです。パクツイこわし。

画像転載を見つけるにはこれがいいです。

例えばこの子なんか,7000もやってくれてますよ…

わしはランダムなインターネットのロケーションではありません!

ネットミームになったのはいいが,勝手にするなよ…

ペンシルベニア大のおじちゃんも…コラッ!

と,大分カオスな状態に…


よろしくないコメントたち

バズの弊害でしょうか。10000超えたあたりからだいぶ攻撃的なコメントも現れます。(ここには貼りませんが…)

類型化すると

①ジョークと理解できない(厳密には!!)というタイプ

例えば自然言語のORと論理のORは違うなんてのはみんな分かっていて,その上のズレが面白いよね,ってジョークですからね…

②そもそもよくわかっていない(わかりやすくないよ!)というタイプ

目の位置がおかしいじゃないか!習った覚えもないが!みたいな…そういう話してないし…

③なんか怒ってる(わからんがおもしろくない!)というタイプ

こんなの役に立たないよ!みたいな。おうおう,落ち着けって…


という感じです。特に,まとめられた先のコメントは…お察しです。

まあしかし,「バズってから言ってどうぞ」の精神で乗り越えましょう。


とはいえ

基本的にはジョークで,偶然タイミングよく,ちょっとだけ情報・数学ひいては理系に,もしくはそういったものに興味ある人に響く発信ができたというのは,悪くない経験でした。バズったらどうなるかというのも少し実験・体験できたし。

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一か月で約600万インプレッション8.5万いいね3.8万RT,という具合でした。これ,600万人が1秒見たとすれば,合計70日分の時間を人類から奪っていることになります。やったぜ。しかしこれでも,人類70億人の0.08%までしかとどいていない。んむんむ。

結論としては,「次は理科ネタでバズっていこう」「外国人バズは狙ってできるものじゃなさそう」の二点かな。以上まとめでした。

ポッドキャストでも喋ってるよ。