ニンジン🥕 種まき＆種とり小話

去年に続き、当地・愛知県では9月後半に入っても猛暑が続いています🥵
一昨日9/20は名古屋で最高気温37.5度と、9月後半としては過去最高。そして最も遅い猛暑日だったそう🌡📈
｢暑さ寒さも彼岸まで｣というし、今日はまさに秋分の日。もうそろそろ許してくださいよぉ…

前回も書いたように、この暑さは畑作業に様々な影響を及ぼしてるけど、9月初めのニンジンの種まきも大変でした😫
今回は、そのニンジンの種まきと、種とりをめぐるお話をします🥕

🥕発芽すればだいたいOK

ニンジン栽培は発芽が７割、と言われます。

家庭菜園のなかで、ニンジンの栽培はやや難易度が高いです😓
とはいえ、難しいのは最初の種まき⇒発芽の部分のみ🌱　逆にここが成功すれば後はだいたいOK👌ということで、｢発芽が７割｣。

何が大変かって、育てたことがある方なら分かると思いますが…

🌱まず、ニンジンを｢秋まき｣して冬に収穫する場合、当地では8月末～9月初めが種まき適期とされます。秋どころか残暑厳しいこの時期に、畝を準備しなけりゃいけない🥵

🌱それにニンジンやダイコンのような直根の作物は、移植するとうまく育たないため、畑に直まきします。
が、ニンジンの種はちっちゃくて軽く、まきにくい。つい、まきムラができがち😓
また、ニンジンの種は好光性といって発芽に日光が必要なので、覆土は薄～くかける。これらの神経質な作業を炎天下でやるのは、結構しんどい😵

砂粒と見分けがつかないニンジンの種。実際にはこんなキレイに播いてません😅

🌱そして最大のポイントは、種をまいてから発芽するまでの間、土の水分を切らしちゃいけないこと。乾燥に弱いんです。
雨が降らなければ、猛暑のなか水やりを続けなきゃいけない💦💦💦
しかも芽が出そろうまで10日間ぐらいかかります😫💦

🌱なので、まきムラとか覆土が厚すぎたとか乾燥とかで発芽が揃わなかった場合、それを確認してからまき直しをしていると、かなり遅れてしまいます（3回目とかになると）

🥕種まきに失敗しないコツ

僕は過去に幾多の失敗を重ねた末、近年は一発で発芽を揃えられるようになってきました😊
そのコツは…

✅雨が降る直前の、土が乾いた日に種をまく
乾いているほうが薄く覆土しやすい。その後、雨が降れば水やり不要だし、一瞬のジョウロの水よりも、しとしと降り注ぐ雨のほうがしっかり浸透する

✅覆土は、もみほぐして振りかける
乾いたサラサラの土を両手につかんで、もみほぐしながらパラパラと薄く均等に振りかけた後、手のひらで丁寧に押さえる

✅その上に籾殻をまく
籾殻は保湿のカバーになるし💧、強い雨からも地表を守る☔　きめ細かいので日光も通す🌞

✅裸の種を使う
石灰などで種を包んだ｢コート種子｣というのも売っている。これは裸の種より播きやすいが、種に水分が浸透しにくく発芽まで日数がかかったり、コート部分が湿って乾くと固まってしまったり、と苦労したので使わない

🥕今回は天気に振り回された

このように、僕なりの種まきのコツがあるんだけれど、今年はちょっと苦戦しました😓

去る8/25(日)は晴れ🌞
翌日から雨の予報なのでニンジン種まきのチャンスだけど、例の台風10号が、2日後に当地を直撃するとの予報も🌀　さすがに大雨で播いたばかりの種が流れるかもと、迷った末に見送りました。

ところが翌日になって、台風の予想進路が西寄りに急変。結局、九州まで迂回して迷走したあげく、当地に接近したのは9/1(日)でした。
この間しっかり雨が降っていたので、こんなことなら8/25に種まきしとけば良かった…😔

ウェザーニュース記事｢台風10号振り返り｣より引用
https://weathernews.jp/s/topics/202409/010285/

9/3の仕事休みにやっと種まきしたら、連日の日照り・猛暑が復活🌞🌡
すぐに土が乾くので、毎日のように仕事帰りの薄暮のなか、水やりを続けました🌆
心配だったけど、何とか無事に発芽しました～🎊🌱🌱🌱

9月10日、恵多農園（大府市）にて

🥕今冬は4品種を栽培

なお、この冬は4種のニンジンを育てています。

大府市の畑「恵多農園」には、
①毎年育てて、冬野菜の収穫会でも好評な、定番の｢新黒田五寸にんじん｣
②大府の自然栽培農家・つむぎて農園の杉山さんが、地元の在来種｢木の山五寸にんじん｣を栽培して種採り。その種を少し分けていただいた

新黒田五寸にんじん
（以下の写真はすべて過去シーズンのものです）

同上。野菜が映える「青空リフト」😍

地元（知立市）の畑には、
③黄色ニンジン｢イエローハーモニー｣。これは妻のランチ会用の｢映え｣食材
④とある西三河の農家さんから以前いただいた品種不明の種。それから毎年育てている、自家採種3代目のニンジン

④のニンジン。立派な姿に、うちの😺もびっくり？

🥕種採りもしています

この④は品種不明の謎ニンジンだけれど、甘くて美味しく、立派に育つので種を採って継いでいます🤤

収穫期も終盤の2月末頃に、葉や根っこがしっかりして勢いのあるニンジンを、種採り用に数本抜いて、畑の邪魔にならない場所に移植します。
移植せずにそのまま植えておいてもいいけど、種が採れるのは真夏となり、それまで畑の一角を陣取ることになるので、狭い家庭菜園だと春夏野菜の邪魔になります😓

抜いたら葉が萎れないうちにすぐ移植します。また以前、春になって茎が伸びてから移植したら、暑さで？茎葉が枯れてしまいお家断絶の危機に瀕したので😱、寒い時期にやります。
さらに、異種と交雑しないよう、近隣に他のニンジンの花が咲いていないことも必要です。

その後は特に何もせず放置。
5月になるとたくさんの白い花が咲き誇り、美しい姿を見せてくれます😍

7月になると、花が枯れて茶色くなり、ついにニンジンの種が現われます。

この花の部分を切り取り、ボウルの上に金ザルを重ねてそこに擦りつけます。すると種が気持ちよく剥がれて、砕けたゴミは下のボウルへ落ち、ザルには毛虫みたいな姿の種が残ります😊

ニンジンの種採り。↑このように、めちゃたくさんの種が採れる

こうして真夏の種採りは、また休む間もなく冒頭の種まきへと続き、幾世代にもわたって継がれていくのです。

以上、ここではニンジンの種まきと種採りについて書きましたが、ニンジン栽培の全過程については2年前のこちらの記事もご覧ください😊

🥕自家採種3代目の種、16人の元へ

この美味しい品種不明の謎ニンジンから採った種が大量に余ったので、妻が先日SNSでお譲りしますと呼びかけたところ、何と4時間ほどで13人もの方からリクエストをいただきました😲
別にお渡しした方を含めて、計16人の方にもらっていただくことに🥰

ニンジンの種なんてお店でいくらでも売ってるのに、わざわざ各地から畑へ受け取りに来てくれた皆さん。
きっと僕が育てているニンジンなら美味しいはずと、信じてくれてるんだよなー。そう考えると、じわり歓びが湧き起こってきます😂
皆さん本当にありがとうございます🥰

家庭菜園などでそれぞれが自家採種を繰り返す中で、少しずつ自分の畑仕様へと変異していく、名もなき多様な種たち。
それらをシェアしようと、各地で種の交換会も開催されていますね。

質の高いブランド品種の形質を守っていただくのは、行政機関や種子メーカーなどのフォーマルセクターにお任せするとして、品質は保証できないけど、当たりもあるかもしれない名もなき種たちを、インフォーマルな顔の見える関係でやり取りする。その豊かさに注目していきたいです😊