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【睡眠コラム27】フードシステムからの脱却

最近、知人の息子さんが離婚をして家に戻ってきました。その彼が、不眠で睡眠導入剤を毎晩飲んでいて、どうしたらいいか相談を受けました。結婚生活がずっと精神的な緊張状態であったこと、そして乱れた食生活が続いたせいで、低血糖症でもあるといいます。

低血糖症の症状としては、無気力、手足が冷える、疲労感、めまい、震え、精神不安定、不眠などがあげられますが、彼はすべて当てはまるそうです。低血糖症からくる不眠であれば、食事を見直すことが最重要事項だと思い、マクロビオティックを勉強していたときの本を引っ張り出してきて読み直しました。血糖値を乱す食べものの筆頭は白砂糖と、白米食のどか食い。症状から見ても、彼の身体は陰性に傾いています。

マクロビオティックでは、すべてを陰陽でとらえ、見立てていきます。中庸~陽性の食べものをとりながら、陰性に傾いている体質を立て直していく必要があることを伝えました。基本は玄米菜食で、少量の玄米をよく噛んで食べ、油揚げや高野豆腐などの亜鉛の多いものや、海藻類をとり、塩味は少し強めに。そして、身体を弛めて冷やす砂糖や果物などの陰性の食べものを、できるだけとらないようにアドバイスしました。

寝室も南側の温かい部屋にして、枕や寝具も身体にフィットする肌ざわりのよいものに変えることを提案。すると、少しずつ精気を取り戻し、1カ月たった今は、睡眠薬なしで眠れるようになったそうです。

「最初は玄米は美味しくないと思っていたけど、玄米は噛むことで味が出てくる米なんだね。このあいだ、会社の人とご飯(白米)を食べたら、なんだか物足りなかったよ」と、味覚が戻ってきたことが感じられる、報告をもらいました。彼の以前の食事は、パスタならパスタ、カレーならカレーの一品をドカッと食べるというスタイルだったそうです。

日本人の体質にあっている食事は、和食を中心に季節の野菜を取り入れて、バランスよく食べることです。食生活が改善されると体調がよくなり、そのことによって眠りも整ってくると、私は講演やカウンセリングのときに、よく話すのですが、それが実証された形になりました。


乱れた食生活で身体を壊し、その結果、不眠を引き起こす。意外と増えている、現代病のひとつかもしれません。これはラジ・パテル氏の著書「肥満と飢餓」に書かれているように、一部の人間の利になるようなシステムを作り出したフード産業に踊らされている結果だともいえます。そのことで、私たちの味覚や嗜好、思考がコントロールされているとも述べています。

私たちは今、ひとりひとりが賢明な行動をとる必要があります。
身体全体のことを考えた食事をとり、世界全体のことを考えた消費行動をとる。

例えば、環境負荷の大きい肉食、とくに牛肉を控えること。「牛肉1キロの生産過程で排出されるCO2は重さ16キロ相当。同じ1キロの豚肉生産の4倍、鶏肉に比べれば10倍以上」という報告があります。消化に時間がかかり、胃に負担が大きい牛肉は、健康のためにも控えた方がよく、そのことは地球への貢献にもつながっているのです。

食事を通して世界全体に意識を向ける、その広がった意識が、あなたを深い眠りへいざないます。


(2011/02/01配信)

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睡眠の専門家としてのキャリア25年。著書に『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)など多数。2008年から毎月配信しているメルマガのコラムをnoteに記していきます。新時代を「生きるヒント」と「眠りのヒント」。https://sleepeace.com/
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