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【読書記録】『人生を決断する!武将〈サムライ〉の言葉1000』 高橋伸幸

平安時代から明治初期までの武将、偉人の名言を集めた本書。

先人の言葉から、何か今の自分の指針となるようなものはないかと思い手に取った一冊。
印象に残った言葉をいくつかリストアップしてみた。

こんな大風大浪で、思いもよらぬ時に押し寄せてこそ、狙う敵を討てるのだ。

当書 p19

源義経が屋島の戦いで、強風のため船を出し渋る水夫に言ったとされる言葉。
普通の人がしないような事をやらなければ勝てないのだという強い意志を感じる。

初心忘るべからず。

当書 p34

世阿弥の『花鏡』にある言葉。
よく耳にする言葉だが、世阿弥の言葉であることは知らなかったためメモ。

月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり

当書 p208

教科書にも載っているほど、あまりにも有名な『奥の細道』の序文。
学生の頃に暗記させられていたこの一文を、今になって読み返すと、移ろい行く時を旅人に例えるセンスや日本語の美しさに感心させられる。

溝をば、ずんと飛べ、危なしと思えば、はまるぞ。

当書 p218

沢庵宗彭の『東海夜話』から。
事をなそうと思うなら、迷うな、恐れるなという意味。
確かに、飛べそうな距離なのに飛べないかもしれないと思った途端、失敗してしまった経験は誰にでもあるはず。
やる前から、失敗した時のことを考えすぎるのはよくない。

誰か正、誰か邪、強いて弁ぜず

当書 p276

大鳥圭介が五稜郭の戦いで、新政府軍に五稜郭を明け渡したときに詠んだ漢詩。
新政府側と幕府側、どちらにも正義があり、どちらも国のためを思い戦っていた時代背景に想いを馳せると、誰か正か邪か断言できるものではない。
今の世の中は、歴史の節目で先人たちが下した決断の積み重ねでできていることを忘れてはならない。私たちも気づかぬ内に、未来の歴史を変える決断を積み重ねているのかもしれないということも。

本書に載せられている戦乱を生きた人々の言葉は、平和な時代を生きる私たちにこそ響くものがあるのかもしれないと感じた。


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