テロップベースV学芸員用3

「症状」してのアバターと「スーツ」としてのアバター(次回配信に向けての予習)

まとめ

・アバターには「アバター=自分」「プロデューサーや壁」「スーツ」という、大きく分けて3つのタイプがある
・「アバター=自分」と「スーツ」の分岐点は、アバターになろうとする「欲」の差
・議論の際は不用意に炎上しないように、相手がなぜアバターを必要としているのかを共有した上で話す必要がある

下記、今回のホワイトボードの清書です。拡大してご覧ください。

「魂」か「装い」か

本来この記事は振り返り配信を終えての記事なのですが、機材トラブルでほぼ1ヶ月延期となってしまいました。そこで、次回をより楽しんで頂けるための関連情報を記事化してみました。私(よーへん)にとっては予習、ですね。
前回の「からだ相談室」配信とこのはいえろさん回はかなりの箇所が対になっているので、前回も振り返っていきます。

前回ご出演して下さったみなさまの多くが、自分自身とアバターが非常に近い距離にある。それゆえに性やアバターの役割に関する悩みが多かったわけですが、はいえろさん回で扱うのはその逆です。「アバターはスーツであって、自分の本質を示すものじゃない」という意見。この意見に対して、「装うこと」のプロであるファッション関係者さんはどう思うのか?をはいえろさんに迫っていきたいと思います。彼女は一体どんな答えを導き出して下さるのでしょうか?

アバター3つのタイプ、「アバター=自分」「プロデューサー・壁」「スーツ」

現状のネットの意見をもとに、よく見かけるアバターのタイプを3つに分類してみました。

1.アバター=自分 アバターは本来の自分、またはもうひとりの自分というタイプ
2.プロデューサーまたは壁 自分のアバターが自分の推しキャラで、それを離れた位置から見てたいタイプ
3.スーツ ゲームのキャラメイクに非常に近い

1.は物理身体とアバターの魂の距離(思考)が非常に近い傾向にある。雑な言い方をするなら、「アバターとして”なりきっている”自分も自分」。前回の出演者さんの多くがこのタイプ。
2.は腐女子のお姉様方が言う「壁になりたい」に近い?だから推しの姿が変わろうが、それが良ければさほど気にならない。
3.は明確なキャラ付けがなくて、アバターの外見に引っ張られることが1.よりは少ない。
「アバターは自分」という点において、言葉だと自分タイプとスーツタイプは全く同じに見えますが、実は正反対。キャラ付けされたアバターに「なりきっていない」のがスーツタイプの特徴。別の外見・声のアバターをまとっても、似合って認知されれば気にならない。

「本質」とは?

スーツタイプからよく聞かれるのが、「見せたい自分はその人の本質ではない」という意見。
そうなると、本質とは何なのでしょう?辞書によると、
・本質 根本的な要素・本性(ほんしょう)を構成するもの
・本性 もとの正体
・正体 変化(へんげ)する前の姿

だそう。
本質=「素の姿」ということでしょうか。アバターになりきることを変化(へんげ)と考えると、見せたい自分=本質というのは確かに矛盾していますね。
それに美少女になった、と言っても、肥大化した「美少女のイメージ」をまとっているだけで美少女に「なった」わけじゃない。自分の動きに美少女が同期することで、より確実な存在として感じてるだけという反論もある。
この本質とは何か?については、まだはいえろさんから答えをお伺いしていません。「装う」ということをいちばん分かっているファッションの専門家さん。そんな彼女が考える「本質」とは何でしょうか。

「自分」タイプと「スーツ」タイプの分岐点、それは「欲」

多くの方がゲーム等で一度はキャラメイクをした経験があるかと思われます。では、「自分」タイプと「スーツ」タイプの分岐点は何なのでしょうか?
現状、「この姿で自己表現したい」「この姿の私を愛して欲しい」などの欲の差ではないかと仮説を立てています。
前回の配信で小林先生はアバターを「症状」とおっしゃっていました。これ後日詳しく聞いたところによると、アバターになろうとする欲望がある種の病で、アバターが症状なんだそう。自分タイプの方は世界の病に対して、アバターという形で反応してるのではないか、と。
スーツタイプの方は自分タイプよりこの「欲」が高くない、または全く別の欲なのかもしれません。

アバターをコミュニケーションの手段としてる方の話とアバターが症状として出ている方の話は分けて考える必要があるのかもしれません。今まで自分タイプとスーツタイプの炎上がいくつかありましたが、自分はどちらサイドから話してるのかを共有していなかったがために起こったケースがほとんどのような気がします。
自分タイプとスーツタイプでは、「アバターとは何か」にも明確な差があるハズです。

なぜアバターという「症状」が出たのか?

「症状」か「スーツ」か。その差はアバターになろうとする欲の差が影響していると述べました。次に興味や疑問の対象として、なぜ「アバターという"症状”が出たのか」があります。
風邪という病気に対して、咳や熱という症状が出る。ではなぜ風邪を引いてしまったのか。季節の変わり目だから?寒いと思いつつうたたねしちゃったから?色々ありますね。この「季節の変わり目」「うたたねした」がアバターでは何に当たるのか。みなさまはいかがお考えでしょうか?
「アバターという症状が出た原因」については、対談という形で今後様々な方にお話をお伺いしていく予定です。どうそお楽しみに!


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