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全編VR空間にて撮影した、アバタードキュメンタリー映像プロジェクト : 「Happy Re-Birthday」 紹介

視聴 :

「私は、私たちは、この世界で"生きて"います―」

2020年6月より撮影を開始した、『アバターやVTuberとして「生きている」「世界で最初の世代の」生き様』が記録された全編VR空間撮影のドキュメンタリープロジェクトを紹介します。
作品視聴はここよりもう少し下にありますYouTubeから可能です(2020年9月現在、限定公開)。

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総勢24名がそれぞれ20分ほどお話しているのですが、最終版は12月5(土),6(日)に岐阜県大垣市で開催される「Ogaki Mini Maker Faire 2020」にて特別公開されます。
注: 2020年9月5日現在において、Ogaki Mini Maker Faire 2020はまだ一般公募をしておりません。本プロジェクトのOgaki Mini Maker Faire 2020での発表は、主催の一員であるIAMASとの共同になります。

今回はそのダイジェストを現時点での「映像作品」とし、公開します。

本プロジェクトの3D背景の著作権はすべて許諾済みです。また作中で流れる曲はシンガーソングライターMilia様によってこのプロジェクトのために書き下ろされ歌われており、こちらも許諾済みです。一部出演者全員で歌うパートもありますが、こちらの使用も全員の許可を得ています。

こちらのYouTubeにアップロードしたものが作品となります。

また6月末に初めて公開された際の映像がこちらです。

アーティストプロフィール :

本プロジェクトを主催したVTuberユニット「Holographic」についてはこちらの記事をご覧ください。

参考資料 :

コンセプト :  インターネットの特性上儚い存在であるVの者の生きた証を、まとまった形で残したい

概要 :
このプロジェクトで記録されているのは『アバターやVTuberとして「生きている」「世界で最初の世代の」生き様』です。

私たちはこの先人の喜びや苦悩を映像人類学や身体論、生命倫理をはじめとした様々な視点から追い続けてきました。この活動はxRコミュニティをはじめ評価されており、今後のアバター社会に向けて意義のあるものと考えています。

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作品紹介 :
本プロジェクトは、アバターやVTuberといった「Vの者」が生きた証を残すドキュメンタリーです。

インターネットの特性上、一度Vの者が引退や消失してしまうとその痕跡が何も残らないケースがあります。その人が存在していた証もすべて消えて認識できなくなってしまう…それを物理現実の「死」と同等であると考えると、とても怖い。

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Vの者の「死」とは何か・何をもってVの者は「生きて」いると捉えるのか・中身の人が物理的に死んでしまったらAI美空ひばりさんのように永遠の存在となるのかなど、このプロジェクトを通じてバーチャルな存在に対する生命倫理への問いを喚起させられました。
そこで儚い消費物ではなく、ひとりの大事な「生きている存在」であるVの者の生きた証を、いのちの輝きを、映像人類学の視点からまとまった形で残したいと考えました。

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企画を関係者に公開したところ、公的機関でアーカイブされる国際学会への招聘とワークショップの実施が決まり、「公的機関にVの者が生きた証が(永遠ではないにしろ)残る」ことになりました。博物館や美術館に過去の人々の生きた証が収蔵品として残っているように、Vの者の生きた証が残るのです。そのことに気がついた私たちは、急遽出演者さんの募集を行いました。

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↑ ベルリン自由大学のEMTECH研究グループとケ・ブランリ美術館高等教育研究部が主催した国際会議「Desired Identities: New Technology-based Metamorphosis in Japan」(望まれたアイデンティティ – 日本での新しい技術による変身)」にてプレゼンテーションしたときの様子

撮影方法 :
VRSNS「VRChat」「バーチャルキャスト」にて、それぞれのサービスのカメラを利用して撮影しました。
実際に彼ら/彼女らが過ごしているVRSNS空間でビデオメッセージを撮影することで、「ここで彼ら/彼女らは生きている(生きていた)」証明を感じることができます。
また出演者さんには下記をお願いして収録しています。

・生まれたきっかけや、今までどのように過ごして何を考えたのかなど、あなたのVの者としての来歴を教えてください

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・大事な人たちへ、メッセージをお願いします

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・まだバーチャルワールドを知らない世界の人たちへ、メッセージをお願いします

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外部評価 :

参加して下さった総勢24名の生き様はフランスの学会で最初に発表され、「とても心を揺さぶられました」「ビデオの中でたくさんの人々が生き生きと過ごしている姿やメッセージを観ることでとても暖かい気持ちになりました」「改めて私自身がvirtual beingとして生きていることの意味を再確認することができました」など評価され、VRメディア「PANORA」様ほかで取り上げられました。

前提企画 :

本企画は2019年8月にネット配信された「REALITY企画王」にて、本企画者「Holographic」のよーへんがファイナリスト選出されプレゼンをしたものがベースとなっています。
「REALITY企画王」は配信サービス「REALITY」「バーチャルキャスト」を利用したWeb番組を企画するというコンテスト番組で、(株)Wright Flyer Live Entertainment様が主催されました。
よーへんは100を超える応募の中からファイナリストに選出され、プレゼンテーションを行いました。

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本プロジェクト出演者(敬省略、順不同) :

・Holographic(じゅりこ・よーへん 学術系アイドルユニットVTuber)
・九条林檎(バーチャルタレント)
・大澤博隆(筑波大学 助教)
・山口優(SF作家)
・宮本道人(科学文化作家)
・Phio(HIKKY Inc. CVO)
・おきゅたんbot☆宝来すみれ(公式VIVEアンバサダー)
・VR蕎麦屋タナベ(VR蕎麦屋)
・ドコカノうさぎ(VR開発系バーチャル美少女)
・DJ⑨(巨大ロボット・外骨格・VR)
・Edgardo(Virtual Dude)
・Amanda(VTailor)
・える(virtual卒業式主催)
・こうよう(V-WaVE・pop.U15所属VTuber)
・YUKIYA(サイエンスエデュケーター)
・KawaiiForceのみなさま
・VRCなにもしない人(VRCなにもしない人)
・テルミン操縦士 ニメレート号(弾き語り)
・ききょうぱんだ(小説・挿絵)
・中野人史(ウェブ解析士)
・RuskCiela(仮想世界をゆめうつつに旅する)
・藍月あんこ(おたく評論)
・はれのそら(企画者)
・zen(デザイナー)
・東雲めぐ(Gugenka)

主題歌/挿入歌 :

「Akashic records(アカシックレコード)」
作曲・作詞・歌 :  Milia

この曲の歌詞は本プロジェクトの趣旨説明をシンガーソングライターのMilia様に行い、それをもとに制作して頂きました。
本プロジェクトの「私は、私たちは、この世界で"生きて"います―」というコピーを体現した歌詞となっています。
12月5(土),6(日)に岐阜県大垣市で開催される「Ogaki Mini Maker Faire 2020」にて、この曲のMV(ミュージックビデオ)が公開されます。

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歌詞 :

光たちはこの世界に降り立ち 思い思いの姿で 旅に出る
いつかその旅路を終える時まで それぞれの想い秘めて 歩んでいく

「私がここにいること 見てて」

数多の光が やがて消えゆく 幾千もの 想い出を連れて
その物語は 時空を超えて ずっとここで 生きている 夢の記憶

何もかもが自由なこの世界で 思い思いのカタチを 創り出す
いつかその灯火消える時まで それぞれの想い込めて 伝えていく

愛しい光が 天(そら)へと還る 幾千もの 想い出を残し
私はここから そっと見送る 忘れないわ あなたの 生きた証

Special Thanks :

・Mila
・なもなき
・マンドリル
・丹治吉順 a.k.a.朝P
・小林昌廣







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