何でも透明にする薬

「何でも透明になる液体の完成ですね!教授おめでとうございます」

「ああ、K子君のサポートのお陰だよ」

「小瓶に小分けにしますね。あれ?教授、液体の入ったフラスコが見当たりませんが?」

「デスクの上に置いたはず……おおッ!K子君、フラスコが透明になってしまったようだ!」

「この辺りかしら?あっ!」

“パリン、ビシャ”

肘に当たったフラスコは床に落ちて割れ、透明になる液体が流れ出した。
みるみるうちに、床が壁が透明になり、そして2階建ての研究室が透明になってしまった。
まるで、2階の部屋に居た教授とK子は、宙に浮いているように見えた。
一階で、作業をしていた学生たちがニヤニヤ見上げていた。

「K子君!」

「キャッ」

K子は、慌ててスカートの裾を抑えた。